社長から突然「LINEグループ作れ」→口座情報を要求 “社長が2人”でまさか…詐欺未遂の衝撃の全容

今年に入ってから、実在する社長などになりすまし、LINEグループなどに社員を誘導して金銭をだまし取る「ニセ社長詐欺」の被害が全国で相次いでいる。2億円を超える被害も確認される中、実際に被害に遭いかけた一部始終を報告したSNS投稿が話題になっている。投稿者に詳しく話を聞いた。

「ニセ社長詐欺」の被害が続発している(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「ニセ社長詐欺」の被害が続発している(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「うちの社長ならやりそう」で疑わず…LINEに「社長が2人」で詐欺発覚

 今年に入ってから、実在する社長などになりすまし、LINEグループなどに社員を誘導して金銭をだまし取る「ニセ社長詐欺」の被害が全国で相次いでいる。2億円を超える被害も確認される中、実際に被害に遭いかけた一部始終を報告したSNS投稿が話題になっている。投稿者に詳しく話を聞いた。

「社長から会社PCにメールで『グループLINEを作れ。業務を指示する』と。みんな(俺以外)入った所で社長からカタコトの日本語で『通帳口座を教えろ』との指示。社長に電話しても繋がらず。『詐欺じゃないのか?』って会社で騒ぎになってる」

 4日、こうXに投稿したのは「アブノーマル石井(ブースト依存症)」(@NoREGRETzero)の名前で発信している30代の男性。サービス業を手がける企業に勤務し、社員7人ほどの支店で今回の騒動が起きたという。その後、投稿者は「詐欺でした!」と報告した。

 発端は、会社のパソコンに届いた1通のメールだった。実際の社長の名前を使い、Gメールから「グループLINEを作れ。業務を指示する」といった内容が送られてきた。

 突然の指示だったが、当初、支店では誰も詐欺を疑わなかったという。「うちの社長ならやりそう」と投稿者。実際に社員がLINEグループを作成したが、自身は「面倒だったので、LINEのアプリが重いことを理由に断りました」と、偶然グループに入らなかった。

 社長を名乗る人物からは「大丈夫?」「案件があります」といったメッセージが届き、その後、銀行口座に関する話になった。ここで社員たちは不審に感じ、支店内では「詐欺ではないか」と騒ぎになったが、社長に電話したもののつながらず、確認が取れなかった。

 詐欺だと判明したのは、本物の社長をLINEグループに招待した時だった。

「LINEグループ内で社長が2人になり、偽物が名前を変えたんです」

 さらに本社へ電話すると詐欺だと言われ、最終的に本物と偽物の社長のアカウントだけを残して社員全員がグループから退会した。幸い、金銭的な被害はなかった。

 なぜ途中まで信じてしまったのか。投稿者は「みんな予備知識がなく、LINEグループで業務をするのも社長が好きそうだったので、誰も疑いませんでした」と振り返る。また、投稿者は「社長と連絡が取れない」「従業員の年齢層が高い(SNSやデジタル分野に慣れていない)」などの条件が重なると、引っかかる会社はあると思うと警鐘を鳴らした。

 この投稿に対し、SNS上では「うちにも同じようなメール届いたことあります」「この手のメール、最近は仕事でほぼ毎日見る。社内で返信している人がいて、あわてて止めた」「弊社にも社長から届いてますが無視してます。私が社長だから笑」など、同じ手口を目にしたという声が相次いだ。

2億円以上の被害も…全国で相次ぐニセ社長詐欺

「ニセ社長詐欺」による被害は各地で起きている。報道によると、1月に岐阜県多治見市の会社で、経営者を名乗る人物が社員にLINEグループを作成させ、「取引先の口座情報を送るので、ただちに1億円の振り込みをしてください」と指示。それに従った社員が送金し、1億円をだまし取られた。

 各報道によると、同様の手口により、札幌市の会社が8000万円、山形県の一般社団法人が2300万円、埼玉県の企業が2億1900万円、山口市の法人が9600万円など、今年に入ってから全国で高額の被害が相次いでいると報じられている。

 警察庁は2月13日、公式サイトで「法人の経営者等になりすまして、インターネット等で公開されている法人等のメールアドレス宛てに電子メールを送信し、業務をよそおって指定した口座に送金させるなどして金銭をだまし取る詐欺(いわゆるビジネスメール詐欺)が発生しています」と注意喚起した。

 典型的な流れは、実在する社長名などを使ってメールを送り、SNSグループの作成や招待用QRコードの返信などを指示。SNSグループ内で法人の口座残高を聞き出した上で、「事業資金が至急必要だ」「取引先への支払いを代行してほしい」などとして送金させる。

 対策として警察庁は、この種の詐欺の手口を社内で共有し、送金に関するルールを再確認することなどを呼びかけている。さらに、もしSNSグループに誘導されてしまった場合は「SNS内のトーク画面やプロフィール画面などに『通報』機能がある場合は通報をした後、速やかにSNSグループから退出してください」としている。

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