北海道のサケ、釣り人の身勝手で“無法地帯” 資源減少の町が訴える窮状 「業者の関与が疑われる」ケースも
本格的な秋サケのシーズンが到来し、各地でサケ漁が最盛期を迎えている。国内漁獲量の9割以上を占める北海道では、年々サケの数が減少しており、今年は不漁とされた昨年からさらに半減するとの見通しもある。オホーツクの一部海域では、釣り自粛の呼び掛けや独自ルールの制定を進めているが、悪質な釣り人も多く、自治体は頭を抱えている。

オホーツクの一部海域では9月1日から法令に基づき罰則を規定
本格的な秋サケのシーズンが到来し、各地でサケ漁が最盛期を迎えている。国内漁獲量の9割以上を占める北海道では、年々サケの数が減少しており、今年は不漁とされた昨年からさらに半減するとの見通しもある。オホーツクの一部海域では、釣り自粛の呼び掛けや独自ルールの制定を進めているが、悪質な釣り人も多く、自治体は頭を抱えている。
「サケマス釣りルール看板が壊されてました。悪質なケースですので、警察に被害届を提出しました。このようなケースが続く場合は、釣場を閉鎖します」
先月31日、北海道・斜里町役場の公式アカウントが投稿した写真には、海岸に設置されたサケマス釣りのルール看板が、何者かに破損された様子が収められている。
斜里町では、減少するサケ漁獲量への懸念を受け、2024年から「斜里海浜サケ・マス釣りルール」を制定。場所取りやごみ不法投棄の禁止、指定区域・期間のサケ・マス採捕禁止、釣竿の数は3本まで、1人1日3匹までなど、細かいルールを設けている。昨年まで強制力はなかったが、網走市・小清水町・斜里町などオホーツクの一部海域では、9月1日から法令に基づき罰則を規定。注意や指導に従わない場合、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科される。
斜里町水産林務課の担当者は、ENCOUNTの取材に「看板は7月下旬に設置し、8月29日の朝、釣り人からの通報によって破損を確認しました。明らかに故意で悪質なため、警察に被害届を提出しています」と経緯を説明。
「場所取りのため、浜に勝手に杭を打ちロープを張る、テントや小屋を建てて長期間住み着くなど、目を覆いたくなるような惨状で、ごみや糞尿はその場に放置、占有行為として小屋やテントを撤去しても翌日には元通りという無法地帯でした。怖くて浜に近寄れないという住民の声も多く、近隣の他市町村では、獲ったサケをトラックで集荷しているなど、業者の関与が疑われる情報も寄せられています」と一連のルール制定の背景を語る。
今年、サケ釣り自粛期間を昨年の約1週間から約20日間に引き延ばした標津町水産課の担当者も「サケの遡上数減少は深刻。河川パトロールやポスター配布も実施しているが、標津町では自粛要請のため強制力がなく、あくまでお願いベース。漁業組合の自主規制期間に合わせて、釣り人の方にも自粛をお願いしている」と苦しい胸の内を明かす。
サケは北海道の漁業や食文化を支えてきた象徴的な魚だ。その数が急減する中で、心ない釣り人によるルール破りや妨害行為が続けば、資源回復はさらに遠のく。サケ資源の減少という深刻な現実を前に、釣り人一人ひとりのモラルが問われている。
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