スネーク“最後の戦い”とBIGBOSSの歩みを追体験 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』プレイレポート

『メタルギア』シリーズの名作を収録した『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』が、26日にKONAMIから発売される。収録されるのは、『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』と『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』。さらに、ゲームボーイカラー向けに発売された『METAL GEAR Ghost Babel』をはじめ、複数のボーナス・コンテンツも収められている。シリーズの歴史を語るうえで欠かせない二人のスネークと、これまで復刻の機会に恵まれなかった作品が、ひとつのコレクションに集結した形だ。

『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』のオールド・スネーク【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』のオールド・スネーク【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

『MGS』シリーズを代表する“2人のスネーク”を描く

『メタルギア』シリーズの名作を収録した『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』が、26日にKONAMIから発売される。収録されるのは、『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』と『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』。さらに、ゲームボーイカラー向けに発売された『METAL GEAR Ghost Babel』をはじめ、複数のボーナス・コンテンツも収められている。シリーズの歴史を語るうえで欠かせない二人のスネークと、これまで復刻の機会に恵まれなかった作品が、ひとつのコレクションに集結した形だ。

『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』

『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』は、2008年にPlayStation 3専用タイトルとして発売された作品である。

 PS3の複雑かつ独特なハードウェア構成もあり、長らく移植が難しい作品として扱われてきた。それだけに、現行機で再び遊べるようになったという事実そのものが大きな出来事だ。実際にプレイしてみても、移植に起因するような大きな問題は見受けられなかった。かつてPS3で展開されたスネーク最後の任務を、現在の環境で違和感なく追体験できる。

PS3で展開された任務を追体験できる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
PS3で展開された任務を追体験できる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 本作は『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』の5年後を描く。戦争は国家同士が行うものではなく、PMCと呼ばれる民間軍事企業へ委託される巨大なビジネスへと変貌していた。兵士の身体や感情、武器の使用状況までもナノマシンで制御する「SOPシステム」が普及し、戦場は徹底的に管理されている。

 そんな時代に、ソリッド・スネークは再び戦地へ送り込まれる。急速な老化によって肉体の限界が迫るなか、彼に与えられた任務は、大規模な決起を企てるリキッド・オセロットの抹殺。残された時間がわずかであることを悟りながら、スネークは単身で中東の戦場へ潜入する。

  『MGS4』はシリーズの総決算のような内容となる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
『MGS4』はシリーズの総決算のような内容となる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 本作では、1987年に発売された『METAL GEAR』から続く、ソリッド・スネークの物語を完結させる。スネーク自身の因縁はもちろんのこと、オタコンや雷電といったキャラクターにもスポットが当たり、文字通りすべてにカタがつく非常にダイナミックな内容になっている。シリーズを一度でも遊んだことのあるプレイヤーなら、必ずチェックしてほしい。

 ゲームとしても新しくなっており、特に「オクトカム」は面白い。スネークが壁や地面へ身体を密着させると、その表面の色や模様を自動的に読み取り、スーツへ反映する。迷彩服をその都度選び直す必要はなく、戦場のあらゆる場所を即座に隠れ蓑として利用できる。

新しいステルス体験を楽しむことができる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
新しいステルス体験を楽しむことができる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』のカモフラージュシステムを発展させつつ、操作の手間を大きく減らした仕組みであり、身を隠しながら進むというシリーズ本来の面白さを損なうことなく、より直感的に遊べるようになっている。

 もちろん「PLAYBOY」などの雑誌で敵を騙したり、腹の調子がどうも良くないポンコツ兵士「アキバ」が登場したりと、ギャグも忘れていない。やはり小島秀夫監督作品といえば、この手のローファイなギャグだろう。現代の視点で見るとやややりすぎなきらいもあるのは御愛嬌といったところか。

個性的なキャラクターたちも登場する【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
個性的なキャラクターたちも登場する【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 感情をモチーフにした兵士「ビューティー&ビースト」たちとのボス戦も面白い。それぞれにユニークな能力を持っており、ゲームに起伏を与えている。妖艶な表情とぴっちりしたボディスーツが独特のフェチズムを生んでおり、ビジュアル面でも素敵なキャラクターだ。

過去作からお馴染み、あるいはつながりのあるキャラクターたちも登場【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
過去作からお馴染み、あるいはつながりのあるキャラクターたちも登場【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 戦争が産業として消費され、兵士さえも巨大なシステムの部品へ変えられていく世界。その構造を皮肉と誇張を交えながら描く『MGS4』は、ステルスアクションであると同時に、重厚なミリタリーSFでもある。シリーズの集大成を隅々まで味わってほしい。

『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』

『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』は、2010年にPlayStation Portable向けとして発売された作品だ。

 物語の始まりは1974年。米ソの全面核戦争を回避した「スネークイーター作戦」から、すでに10年が経過している。かつてネイキッド・スネークと呼ばれた男は、伝説の兵士“ザ・ボス”を倒した功績によって「BIGBOSS」の称号を与えられ、その後は表舞台から姿を消していた。

『PEACE WALKER』ではBIGBOSSの物語が紡がれる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
『PEACE WALKER』ではBIGBOSSの物語が紡がれる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 南米で独自の傭兵部隊を率いていた彼のもとへ、ある日、二人の依頼人が訪れる。彼らが持ち込んだのは、軍隊を持たないはずのコスタリカへ侵入した謎の武装集団に関する情報だった。そして、彼らがスネークに聞かせた一本のテープには、10年前に自らの手で殺したはずのザ・ボスの声が記録されていた。真相を確かめるため、スネークは再び戦場へ向かうことになる。

『MGSPW』のタイトル画面【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
『MGSPW』のタイトル画面【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 ゲームシステムは、PSPで先に発売された『METAL GEAR SOLID PORTABLE OPS』の方向性を受け継ぎ、携帯機での協力プレイを大きな柱としている。「CO-OPS」を選択すれば、ほかのプレイヤーと部隊を組み、さまざまなミッションへ挑戦できる。負傷して倒れた仲間を救助したり、複数人でひとつの段ボールへ潜り込んだりと、緊張感と遊び心が同居した協力アクションを味わえる。

 携帯機でありながら、操作性やゲームプレイはコンシューマー(家庭用ゲーム機)の『メタルギア』シリーズと遜色なく遊べる。キーアサインから射撃の感覚まで、よくぞここまで丁寧にビルドしたと感動するレベルである。

コンシューマー版と遜色ないプレイ感を味わえる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
コンシューマー版と遜色ないプレイ感を味わえる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 もうひとつ、本作を長く遊ばせる要素が「マザーベース」の運営である。

 プレイヤーは、スネークが率いる傭兵組織「国境なき軍隊(MSF)」の司令官として、集めた人員を実戦部隊、研究開発班、糧食班、医療班などへ配置していく。

 適性に合わせて兵士を配属すれば各部門の能力が上昇し、新たな武器や装備品の開発が可能になる。組織を成長させるほど潜入任務の選択肢も広がり、より強力な兵器や便利なアイテムを持ち込めるようになるのだ。シリーズおなじみの武器から、ちょっとユニークなアイテムまで、次に何が出来上がるかが楽しい要素である。

組織の成長は本作の楽しみのひとつ【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
組織の成長は本作の楽しみのひとつ【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 人員を確保する主な方法が「フルトン回収」である。敵兵を気絶、あるいは眠らせたあと、その背中に回収装置を取り付ける。すると兵士はバルーンによって空へ運ばれ、そのままマザーベースの一員として加わる。

 ミッション中は敵だった兵士が、帰還後には自軍を支える仲間になる。この仕組みが実に中毒性の高いものになっている。ちなみにこの仕組みは史実においても使用例があり、小島監督のミリタリーに対する知見がうかがえるポイントだ。

兵士のフルトン回収は独自の要素だ【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
兵士のフルトン回収は独自の要素だ【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 見つけた兵士を片っ端から回収し、能力値やスキルを確認するだけでも楽しい。優秀な人材を探して何度もミッションへ出撃しているうちに、本来の任務を忘れて人材集めへ没頭してしまうこともあった。

 こうした部隊運営は単なる付加要素ではない。兵士を集め、施設を発展させ、軍事力を蓄えていく過程そのものが、後に巨大な存在となるBIGBOSSの組織作りと重なっており、ストーリー上も『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』へと繋がっていく。

ストーリーは『MGS5』につながっていく【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
ストーリーは『MGS5』につながっていく【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 ストーリーも、『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』の後日談という枠に収まらない。

 軍隊を持たず、永世中立を掲げるコスタリカへ、正体不明の武装集団と核兵器が持ち込まれたらどうなるのか。本作は、そんな現実味のある仮定から物語を組み立てている。

 軍事力を持たない国家は本当に平和を守れるのか。核抑止によって成立する平和は、果たして平和と呼べるのか。兵士は国家や理念から切り離されても戦い続けられるのか。

 本作では、スネークが後に「BIGBOSS」として歩むことになる道筋を描きながら、戦争と平和の関係を繰り返し問いかけてくる。

バンド・デシネ調の表現が迫力を生んでいる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
バンド・デシネ調の表現が迫力を生んでいる【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 一方で、決して難解な政治劇だけに終始する作品ではない。

 巨大な無人兵器との派手な戦闘や、ひと癖もふた癖もある登場人物、思わず笑ってしまう突飛なミッションなど、シリーズらしいマンガ的な面白さも大量に詰め込まれている。特に、カズヒラ・ミラーを演じる杉田智和氏の小ボケが良い味を出している。

 イベントシーンには、バンド・デシネ調の映像表現が採用されている。静止画を基調としながら、線の勢いや画面の切り替え、効果音によって登場人物の動きや感情を表現しており、一般的な3DCGムービーとは異なる迫力を生み出している。

 ハード性能の制約を逆手に取った演出でもあり、発売から年月が経った現在でも古びた印象はない。むしろ、作品を象徴する個性的なビジュアルとして強く記憶に残った。

『MGSPW』の演出は古臭さを感じさせない【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】
『MGSPW』の演出は古臭さを感じさせない【画像:(C)2026 Konami Digital Entertainment】

 その他、バンドル購入することで、ゲームボーイカラーの名作『METAL GEAR Ghost Babel』や、往年の名曲が聴けるサウンドトラック『METAL GEAR SOLID デジタルサウンドトラック Vol.2』が付いてくる。シリーズファンならばぜひとも揃えておきたいラインナップだ。

 前作『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』は圧巻のボリュームであり、それに比べると本作は収録本数こそ少ないが、初めて移植された『MGS4』と、ビッグボスの物語に重要なツイストを仕掛けている『MGSPW』と、シリーズを語るうえで大事な作品が入っている。ボーナスコンテンツだけでも何時間も楽しめる作りになっているので、ぜひともじっくり味わってみてほしい。

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