「自分に蓋をしていた」根が真面目なヨガ講師が30歳超えて始めたプロレスで開花 山中絵里奈の目標は50代での現役

ベストボディ・ジャパンプロレスリングのリングでデビューした山中絵里奈は、今年2月に退団しフリーの道を歩み始めた。同時期にマリーゴールドで新設された3Dトリオス王座を獲得し、今もチャンピオンとして君臨している。その山中へのインタビュー後編では、ヨガインストラクターとしても活動している山中から見たプロレスの魅力について聴いた。

山中絵里奈(中央)は3Dトリオスの初代王者だ【写真:(C)マリーゴールド】
山中絵里奈(中央)は3Dトリオスの初代王者だ【写真:(C)マリーゴールド】

痛いし、しんどいし、もう無理…そう思っても行きたくなるリングの魔力

 ベストボディ・ジャパンプロレスリングのリングでデビューした山中絵里奈は、今年2月に退団しフリーの道を歩み始めた。同時期にマリーゴールドで新設された3Dトリオス王座を獲得し、今もチャンピオンとして君臨している。その山中へのインタビュー後編では、ヨガインストラクターとしても活動している山中から見たプロレスの魅力について聴いた。(取材・文=橋場了吾)


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 山中がデビューしたベストボディ・ジャパンプロレスリングには、赤井沙希さん(2023年引退)を始め、遠藤哲哉、大鷲透、ゴージャス松野など多くの選手が参戦してきた。

「赤井さんは憧れの選手ですね。赤井さんのようになりたい、赤井さんのようにお客さんが感動するような試合をしたいという思いもありますし、リングの魔力もありますよね。試合中は、痛いし、しんどいし、もう無理って思うんですけど、リングにいないときは早くそこに行きたくて仕方なくなってしまうという。自分はもともとそんなに面白い人間ではなくて普通の人だと常々思っていて、普通ではない人に憧れるんですよね。

 闇墜ちした時期に、ムチを振り回したり、相手を椅子で殴ったりして……普通の生活ではありえないじゃないですか。でもそのときに自分の殻が破けた気がしますね。自由に何をやってもいいんだというか、自分は何にでもなれるみたいな、自分にこんな面があったんだっていう発見にはなった感じがしますね」

 ヨガやボディメイクというストイックなイメージを抱く人も多いと思うが、リング上の山中はなかなか際どい技を使用することもある。

「根が真面目なタイプだとは思うんですけど、ちょっと自分に蓋をしていたというか、押さえつけていたものは持っていたのかなと今となっては思いますね。(ベストボディで)日本一を取ったときは周りには迷惑をかけたんですけど、ヨガのときも本当に集中するので、振り幅が大きい反動で振り切れてしまうのかもしれないですね(笑)」

 山中は2025年からマリーゴールドへ参戦、桜井麻衣、翔月なつみとのトリオ「ラ・ヴィアン・ローズ」で、初代3Dトリオス王者となった。今年2月にはベストボディ・ジャパンを退団し、フリーとしての活動を選択した。

「今はこの3人で組んでいるのがすごく楽しいですね。やっぱりマリーゴールドは試合自体を見てもらう機会も多いですし、その分『この人たちがチャンピオンだ』という試合をしていきたいです。3カウントを取って勝つだけではなく、お客さんに納得してもらえるチャンピオンにならないといけないという思いは大きいですね」

 このタイトル戦で猛威を振るっているウルカープレス。ウルカーは、サンスクリット語で「流星」を意味する。

「これは、私の師匠から技の名前をもらいました。ヨガ(サンスクリット語で「結ぶ」「つなぐ」「結合する」を意味する「ユジュ」が語源)とのつながりもありますしね」

プロレスラーとしての自分を語った山中絵里奈【写真:橋場了吾】
プロレスラーとしての自分を語った山中絵里奈【写真:橋場了吾】

どのリングに上がっていても、どの試合会場にいてもわかる唯一無二の選手に

 マリーゴールドの8.9大田区大会。ラ・ヴィアン・ローズは、ダークネス・レボリューション(以下DR)の松井珠紗&CHIAKI&瀬戸レアを相手に、3Dトリオス王座の防衛戦に臨む。

「今、ベルトを盗まれている状態なんですが、本当に私は理解に苦しむというか……(DRは)ヒールユニットですけど、熱い人たちですし実際に強い人たちだと思っているので、ベルトがどういうものかもわかっていると思うんですよ。そういう人たちが、ベルトを盗むという行動に出ることが全く理解ができなくて……構ってちゃんなのかな(笑)。そんなことで喜ぶような人たちだったのかということに驚きつつ、腹立たしい気持ちは私たち3人一緒なので、ちゃんと取り戻した上でチャンピオンとしての姿を改めて証明したいと思いますね」

 最後に、山中が目指しているプロレスラー像について聴いてみた。

「プロレスがもっとやりたいという思いは、今叶ってきたかなと思います。次は……現役でずっとコンスタントに試合をしていらっしゃる選手が目標ですかね。私は30歳を過ぎてからプロレスを始めたので、10代から始めた選手と比較するのはおこがましいと思いつつも、現状には全然満足していなくて、始めたのが遅くて試合数も少なかったので、50歳を超えたときでも試合をしていたいなという願望はあります。

(少し考えて)赤井さんかな……芯があって、荒野でも気高く咲いているみたいな感じというか、どこにいてもすぐに見つけられるオーラがあるというか、唯一無二ですよね。どのリングに上がっていても、どの試合会場にいても、山中絵里奈がいる、とすぐわかるような存在感を放つ選手……赤井さんに『異質なものでありなさい』という言葉をもらったんですよ。いい意味での違和感があって、異質で唯一無二な存在になりたいですね」

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