山崎紘菜、ハリウッド経験を経て描く俳優の現在地「あっという間だけど濃密な15年」

俳優の山崎紘菜が、今月1日スタートのカンテレ・フジテレビ系「水ドラ★イレブン」枠の連続ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(水曜午後11時)に出演している。婚約者を猟奇殺人鬼に殺され、復讐(ふくしゅう)を誓う刑事・磯貝(横山裕)と、人が「殺した人数」を数字として見ることができるヒナタ(関水渚)が、秘密のバディとして連続殺人犯を追うサスペンスだ。山崎が演じるのは、捜査一課のエリート刑事・鶴岡楓。今年3回目の刑事役となる山崎に、作品への向き合い方、俳優としての15年、そして世界への思いを聞いた。

『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』に出演している山崎紘菜【写真:藤岡雅樹】
『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』に出演している山崎紘菜【写真:藤岡雅樹】

ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』に出演中

 俳優の山崎紘菜が、今月1日スタートのカンテレ・フジテレビ系「水ドラ★イレブン」枠の連続ドラマ『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(水曜午後11時)に出演している。婚約者を猟奇殺人鬼に殺され、復讐(ふくしゅう)を誓う刑事・磯貝(横山裕)と、人が「殺した人数」を数字として見ることができるヒナタ(関水渚)が、秘密のバディとして連続殺人犯を追うサスペンスだ。山崎が演じるのは、捜査一課のエリート刑事・鶴岡楓。今年3回目の刑事役となる山崎に、作品への向き合い方、俳優としての15年、そして世界への思いを聞いた。(取材・文=平辻哲也)


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 山崎は今年、刑事役が続いている。「今年3回目です」と笑うが、そこにマンネリはない。むしろ、普段はなかなか触れることのない世界に、役として踏み込める面白さがあるという。

「普通に生活をしていて、刑事の方と接する機会はそうそうないので、お芝居の中で警察官として生きられるのは、非日常感があって楽しいです」

 今回の鶴岡楓は、警察組織の中にいるエリート刑事だ。謎の通報者から「シリアルキラーを捕まえた。あとはよろしく」というメールが届く。その通報者は誰なのか。楓はその正体を追っていく。

 現場はまだ撮影の真っ最中だ。山崎のシーンは、主演の横山、奥野壮ら警察側のキャストとの絡みが多い。座長である横山の存在は大きいという。

「横山さんがとにかく現場を引っ張ってくださっていて、自ら声を出して率先して動いてくださるので、撮影がとてもスムーズです。主演の横山さん自ら先頭に立って奮闘されている姿を見ると、自然とついていこう、もっとお力になれるように頑張ろうという気持ちになります」

 30分ドラマということもあり、現場のテンポは速い。「割とせわしない現場ではあると思います」と話すが、作品への手応えはある。原作は伊口紺氏、中村優児氏による同名漫画。台本を読んだ段階で、原作への敬意を強く感じた。

「特に序盤の台本は、原作をかなりリスペクトした台本になっていると思います。そもそも原作がとても面白くて魅力的な作品なので、その魅力をお芝居で損なわないようにしなきゃというプレッシャーはあります」

 役作りでは、犯罪心理学にも手を伸ばしている。普通の刑事ドラマと違うのは、シリアルキラーが何人も出てくる点だ。山崎は、連続殺人犯や犯罪心理に関する本を読み、楓が日々向き合っている世界を自分に引き寄せている。

「シリアルキラーってそもそも何だろうと思い、連続殺人犯や犯罪心理につい今勉強しています。そういった作品を見たり、犯罪心理学の本を買って読んだりしています」

 調べていく中で、強く印象に残ったことがある。

「サイコパスのように共感能力が低い人は、脳の作りから違うと捉えた方がいいみたいなんです。同じ人間というより、全く別の生物として対峙しないと、自分が傷つくことになる。同じ人間なのに、なぜこんなにも違うんだろうと興味深いです」

 その知識は、楓の危機感にもつながっている。

「楓は日々、殺人犯を追ったり、事件と向き合っている人間です。私は普段の生活の中で、自分が事件に巻き込まれる場面なんて想像したこともないですが、楓にとってはそれが日常。楓が日々感じている危機感みたいなものは、少しつかめたような気がします」

「優しさが循環」するような現場を心掛けているという【写真:藤岡雅樹】
「優しさが循環」するような現場を心掛けているという【写真:藤岡雅樹】

転機になったハリウッド映画出演

 2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞してから15年。山崎は「とにかく一つ一つのお仕事に向き合い続けて、気づいたら15年たっていたような気がします」と振り返る。

「思い返してみたら、長いような短いような。あっという間だったけど、とても濃密な15年でした」

 俳優として、どこかで大きく方向転換したというより、目の前の作品ごとに課題を見つけ、越えてきた感覚が強い。

「毎回、求められるものが違うので、この作品はこういう自分でいたいな、こういうお芝居をしたいな、こういう課題をクリアしたいなという目標を持って、ひと作品ずつ取り組んでいます」

 その中でも、2021年公開のハリウッドアクション映画『モンスターハンター』は大きかった。山崎は唯一の日本人キャストとして出演し、受付嬢を演じた。20代前半で世界の現場に身を置いたことで、海外作品への意識は今も続いている。

「全ての作品がターニングポイントであると思っていますが、20代前半の時に世界の現場を経験できたことはとても大きかったです。日本と世界との距離はどんどん近づいていますし、誰でもチャレンジできる時代なので、チャンスが来た時につかめるように英語の勉強は日々続けています」

 アクションへの思いも消えていない。

「アクション作品が好きなので、全編ほぼアクション、のような作品にもいつか挑戦してみたいです」

 32歳になり、現場での見え方も変わってきた。最近は年下の俳優と共演する機会も増えた。20代の自分が戸惑っていたことを、今、目の前の誰かが抱えている。その姿を見ると、自然と声をかけたくなる。

 それは単なる親切ではない。現場の空気を良くすることは、結局、自分の芝居にも返ってくる。

「私が20代の時に、現場の先輩にしてもらってうれしかったことを、困っている人が目の前にいたら自分もするように心掛けています。人のためにやっていることでも、結果的に私もお芝居がしやすい空気感になる。優しさが循環していったら、すてきな現場になるんじゃないかなと思っています」

 新作で刑事を演じながら、15年分の経験を次の現場へとつないでいく。山崎紘菜は、立ち止まるよりも、走りながら考える俳優なのだろう。

□山崎紘菜(やまざき・ひろな)1994年4月25日、千葉県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。12年に映画『僕等がいた』で俳優デビューし、フジテレビ系連続ドラマ『高校入試』でドラマ初出演。20年公開の映画『モンスターハンター』でハリウッドデビュー。映画『LOVE LIFE』、『ブレイブ-群青戦記-』、BS-TBS連続ドラマ『御社の乱れ正します!』、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』などに出演。171センチ。

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