「日本車ってすごい」1日100キロ通勤、走行距離28万キロも…「意外と大丈夫」 人生の相棒“幻の購入秘話”も

「17年落ち」で手に入れた中古車は時を刻んで、もうすぐ16年を迎える。どんどん愛着がわき、“かけがえのない相棒”とも言える存在になった。1993年式のスズキ・カプチーノを愛する50代の男性会社員。手塩にかけて修理・整備をコツコツやってきたら、かかった費用は「えらいことになっちゃって」。現在の総走行距離は、なんと28万キロを数えるという。愛車との深い絆をひも解く。

50万円で購入した93年式のスズキ・カプチーノ【写真:ENCOUNT編集部】
50万円で購入した93年式のスズキ・カプチーノ【写真:ENCOUNT編集部】

【愛車拝見#373】「昔乗りたかったんだよなあ」 思い出の1台

「17年落ち」で手に入れた中古車は時を刻んで、もうすぐ16年を迎える。どんどん愛着がわき、“かけがえのない相棒”とも言える存在になった。1993年式のスズキ・カプチーノを愛する50代の男性会社員。手塩にかけて修理・整備をコツコツやってきたら、かかった費用は「えらいことになっちゃって」。現在の総走行距離は、なんと28万キロを数えるという。愛車との深い絆をひも解く。

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 軽オープンスポーツカーのカプチーノとの出会い。2010年7月に「昔乗りたかったんだよなあ」と、郷愁にも誘われ、中古で購入した。

 実は“幻の購入秘話”が。学生時代に新車購入を検討した過去があるのだ。「当時は景気がよかったこともあって貯金が120万円あったんです。『じゃあこれで買えるな』とディーラーに行って、手付金3万円を払ってカプチーノを予約しました」。

 ところが、親に事後報告したところ、急転する。「親父にカプチーノを買ったと伝えたら、『いいけど、ドアが薄いな。お前、ロードスターが欲しいって言ってたよな、いくら足りないんだ』と言われて、結局マツダのユーノス・ロードスターを購入することになったんです」。こうして初めてのクルマはロードスターとなり、カプチーノへの思いは頭の片隅に残り続けることとなった。

 その後、社会人になって、“車を持たない時期”を経験する。名古屋への転勤を機に、マイカー欲がふつふつとよみがえってきた。「もともと車が好きなもんですから、やっぱり車があった方がいいなと思って」。若い頃の“夢”をかなえてカプチーノを購入した。16年前のことだ。

 とはいえ、「当時は非常にお金がなくてですね……」。当時で走行距離12万キロ、塗装の状態はあまりよくない、総額50万円の1台。中古車を買うのはそれが初めてだった。

 手に入れたカプチーノ。ここから「ちょっとずつの整備」が始まる。「ボーナスのたびに、ここ直して、あそこ直して」と、手を加えていった。塗装をコーティングしたところオリジナルカラーの輝きが復活。ハンドルとシフトノブは前オーナーの装備品そのままで、内装部品を新調するなど仕上げていった。

 ひと通り修理が終わったタイミングで、今度はエンジンに手をつけた。「ターボキットを組み込んで、少しボロくなっていたフロントパイプからマフラーまで変えたんです」。

 もともとは破格の50万円だったのだが、積み上げてきた修理・整備・カスタムの総額は、自分でも怖くて数えられないという。

「もう、全然いっちゃってますよ。新車のロードスターを買ってもまだ足りないぐらい? ちょっとずつお金をかけてくと、気付いたらえらいことになります(笑)。そうそう、この間、修理履歴を整理したのですが、金額について足し算の計算はしませんでした(笑)。もう頭が痛くなるのでやってません」。ちょっぴり自虐を込めて語る。

「日本車ってすごいですよね」

 驚くべきは、このカプチーノが単なる趣味の車ではなく、生活に密着して、まさに第一線で走り続けていることだ。なんと今年の3月までの2年間、1日往復100キロの通勤を、このカプチーノで毎日こなしていたという。

「月2000キロ以上走っていたと思います。これだけの年式の車なので、どこかで音を上げて壊れると思ったんですけど、意外と大丈夫でした」

 乗り心地も大のお気に入りで、購入時に12万キロだった走行距離は、もう28万キロに。これだけ走り倒しながらも、「道端で止まったことなんてない」。その裏には、オーナーの徹底したケアがある。「予防整備にはすごいお金かけてます。それに、日本車ってすごいですよね」。愛車のタフさに驚嘆している。

 今後の愛車との付き合い方について尋ねると、肩の力が抜けた答えが返ってきた。

「一生持つだとか、そういう重いことは思わないです。状況が許す限り、乗ろうかなって。まあ、維持できる環境があれば乗り続けたいですね」

 旧車ブームだから旧車を買ったということではなく、ずっと自分のできる範囲で整備して乗ってきた。言わば、会社員の等身大の旧車ライフだ。それに、「まあこれだけお金をかけちゃったということもありますが、見た目もボロくならず、きれいに維持できていて嫌にならない。それに、やっぱり愛着ですよね。それまで車検とか5年とかで乗り換えていたのに、もう16年ですから」。自然体のまま、相棒カプチーノを走らせていく。

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