舘ひろしが盟友・柴田恭兵への深い感謝を告白「コメディーができているんだったら彼のおかげ」

アクション俳優として時代を築き、今なお第一線で輝き続ける舘ひろし。最新作『免許返納!?』(6月19日公開、河合勇人監督)でも見事なコミカルさを発揮しているが、「老人の役はやりたくない」という本音や、長年抱え続ける「コメディへの不安」、盟友・柴田恭兵への感謝、今をときめく逸材・黒川想矢との秘話、そして自身のカーライフについて赤裸々に明かしてくれた。

『免許返納!?』で南条弘を再び演じた舘ひろし【写真:増田美咲】
『免許返納!?』で南条弘を再び演じた舘ひろし【写真:増田美咲】

『国宝』で注目の若手有望株・黒川想矢からの熱烈な直談判秘話も明かす

 アクション俳優として時代を築き、今なお第一線で輝き続ける舘ひろし。最新作『免許返納!?』(6月19日公開、河合勇人監督)でも見事なコミカルさを発揮しているが、「老人の役はやりたくない」という本音や、長年抱え続ける「コメディへの不安」、盟友・柴田恭兵への感謝、今をときめく逸材・黒川想矢との秘話、そして自身のカーライフについて赤裸々に明かしてくれた。(取材・文=平辻哲也)

 劇中には「老人や家族の映画はやりたくない」というセリフがあるが、舘自身も「基本的に芸術作品っていうのは多分向いていないというか、やることはないだろうなと思っています」と語る。石原プロという環境で育ったことで、アクション俳優としての道が自身の本筋だと感じているからだ。「年を取るとあんまり老人がやりたくないんですよ」と笑い、「やっぱりハーレーの映画をやりたい」と少年のように目を輝かせる。

 数々の作品でコメディータッチな役柄も演じてきたが、「僕はコメディーは本当に自信がなくて。未だに不安です。つかめているとは思っていません」と意外な本音を漏らす。「アクションは割と『この角度はかっこいい』とか『素敵に撮れたな』というのが分かるんですけど、コメディーは相手がいるから難しい」と語り、過去に出演したコメディ映画の代表作『居酒屋ゆうれい』(1994年)についても「お芝居として中途半端というか。僕の中でちょっと失敗ですね。一番悩んでいた時期かもしれない」と厳しい自己評価を下す。

 そんな自身のコメディーを支えている存在として、一人の名前を挙げた。

「もし僕のコメディーが皆さんに支えられているとしたら、それは柴田恭兵という人に感謝しなきゃいけないと思っています。彼とずっと『あぶない刑事』という作品をやってきて、彼がいたからこそ今のコメディができているんだったら彼のおかげ。お芝居のタイミングとかは、やっぱり彼から学んだことがすごく大きいです」と、盟友への深い感謝を口にする。

 今作では、自身が率いる「舘プロ」に所属する若手俳優・黒川想矢とも共演を果たしている。黒川といえば、2025年公開の国民的大ヒット映画『国宝』での好演で一躍脚光を浴び、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎新人賞をはじめ数々の映画賞を総なめにした、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの逸材だ。

 実は彼の「舘プロ」入りには、驚きの秘話がある。かつてドラマで共演した際、舘は「この子はすごく見込みがある」と感じていたが、当の黒川は俳優を辞めようとしていたという。もったいないと思っていた矢先、「現場で出番を待っていると、隣に椅子を持ってきてずっと座っているんですよ。『舘さんはプロダクションどこですか?社長ですか? じゃあ僕は、舘プロに入れてください』と言われて」と、当時10代だった黒川からの熱烈な直談判だったことを明かす。

 今やすっかり“国宝級”の若手となった後輩の活躍に目を細める舘。

「本当は今もっと勉強する時期で、なるべく仕事を少なくしろとは言っているんですけど、自分のことになるとそんなことも言ってられない(笑)。とにかく想矢が良いので、想矢の力を借りようと、彼が忙しいスケジュールの中、とにかく想矢を出してくれとお願いしました」と、愛あるぼやきの中に頼もしさをにじませる。

 映画のタイトルは『免許返納!?』だが、舘自身のカーライフはどうなのだろうか。

「全く今(免許を返納)するつもりはないんですけど、いずれやっぱりそういう時が来るというか、そんなつもりです」と自然体に構える。大学時代はオートバイばかり乗っていたが、現在はバイクには乗らず、車も「近くのゴルフの練習に行くぐらいで遠出は全くしない」という。スクリーンの中では派手なアクションで魅了し続けるスターだが、現実では肩の力が抜けた、飾らないダンディズムが漂っていた。

■舘ひろし(たち・ひろし)1950年3月31日生まれ、愛知県名古屋市出身。A型。1975年にロックバンド・クールスのボーカルとしてデビュー。76年に映画『暴力教室』で俳優デビューを飾る。その後、石原プロモーションへ所属し、ドラマ『西部警察』シリーズや『あぶない刑事』シリーズなど、数々の大ヒットアクション作で不動の人気を確立した。2020年には旭日小綬章を受章。2021年の「舘プロ」設立後も、映画『ゴールデンカムイ』での土方歳三役など、圧倒的な存在感を放ち続けている。

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