【オヤジの仕事】布川敏和が語る、両親が合宿所に運んでくれた「シブがき隊」の3組の布団の思い出

「オヤジに負けられない!」と長生き宣言!【写真:荒川祐史】
「オヤジに負けられない!」と長生き宣言!【写真:荒川祐史】

両親の相次ぐ死、次女の難病で人生最大の危機に…!

「シブがき隊」を解散して結婚。子どもたちが生まれ、01年に末っ子の花音が頭蓋底奇形腫という難病をもって生まれるとまもなく、オヤジから突然、電話がかかってきました。「のどのがんになっちゃったよ」って。急いで病院へ行ったら、医者に「治りません。半年です」と。それからは仕事帰りに、毎日のように見舞いに行って「今度こんな作品でテレビに出るんだ」とか、なるべく会話をするようにしました。僕は16歳で家を出たから、大人になってオヤジと2人で会話をしたことってあまりなかったから。でも、告知はしませんでした。オヤジはビビリなんでね。だから、最後まで自分は治ると信じていたと思います。

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 医者の言ったとおり、オヤジは半年後に57歳で亡くなりました。早かったですね。僕もまだ36歳と若かった。長男だから喪主として葬儀や告別式、お墓など決めなければいけないことが山積みで、悲しんでいる余裕はありませんでした。その2年後には重い糖尿病を患っていた母親が、風邪をこじらせて亡くなってしまいました。次女の闘病もあって、あの頃はつらくて、ベランダで何度も「飛び降りちゃえば楽かな」と思っていました。悲しみを、悲しみとしてしっかり感じる間がなかったのがいけなかったようでした。

長生きして孫と一緒に真剣に遊ぶのが楽しみ!

 でも、花音は無事に病を克服し、僕もこうして元気を取り戻した。もうすぐオヤジが亡くなった年になるので、「猫だけは飼うまい」と決めているんです。というのは、オヤジはずっと犬を飼っていたのに、最後だけ猫を飼ったんです。だから、もし猫を飼いたくなったら死期が近いってことじゃないかと思うんですよ(笑)!

 オヤジと一緒に働いていた、僕の地元の同級生たちが最近、よく言うんです。「和夫さんと同じこと言ってるな」「酔っ払い方が和夫さんとそっくり」って。自分ではよく分からないんですけど。だから余計に思うのかもしれませんけど、「オヤジがオレの年にはこうだったな」「負けられない」って思うんです。「オヤジは30歳で家を建てたけど、オレは29歳で建てたぞ」「オヤジは早く亡くなったけど、僕は長生きして孫と一緒に遊ぶぞ」って(笑)。オヤジがライバルなんですよ。

□布川敏和(ふかわ・としかず) 1965年8月4日、川崎市生まれ。81年、学園ドラマ「2年B組仙八先生」(TBS系)でデビュー。翌82年、薬丸裕英(54)、本木雅弘(54)と「シブがき隊」結成。シングル「NAI・NAI 16」(CBS・ソニー)で歌手デビューし、アイドルとして人気を博した。88年、「シブがき隊」解散後はソロで俳優、タレントとして活躍している。91年、タレント・つちやかおりさん(56)と結婚し1男2女をもうけたが、14年離婚。長男・隼汰さん(28)はライブハウス演劇ユニット「生き逃げ」所属の俳優、長女・桃花さん(26)はミセスモデル、次女・花音さん(19)は専門学校生。

次のページへ (4/5) 【フォトギャラリー】布川敏和さんと長男・隼汰さんとの2ショット写真など満載のカット集
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