「そんな罠が…」マイナ免許証“一本化”でレンタカーに乗れない? 現状非対応の会社も…業界大手が明かす事情

マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」を巡る投稿が、SNS上で話題になっている。従来の運転免許証を返還し、マイナ免許証に一本化したところ、使い慣れたレンタカー会社で車を借りられなくなったというのだ。いったい何があったのか。投稿者に詳しい話を聞いた。

「一本化」で便利になるはずが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「一本化」で便利になるはずが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「1枚で済む」と一本化、レンタカーで思わぬ不便

 マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」を巡る投稿が、SNS上で話題になっている。従来の運転免許証を返還し、マイナ免許証に一本化したところ、使い慣れたレンタカー会社で車を借りられなくなったというのだ。いったい何があったのか。投稿者に詳しい話を聞いた。

「マイナ免許証一本にしたらレンタカー借りれんくなったぞ。これ誰が責任取るねん」

 5月17日、SNS上に投稿された、マイナ免許証を巡る体験談。免許証でありながら、レンタカーが借りられないという自体に、ネット上では「ええ、そんな罠が……」「こういうことありそうだから、もっと広まるまで使わないと決めていた」「免許更新でマイナ免許証だけにしようとした時、係員の人が『レンタカーとか借りるの不便になるかも』って教えてくれた」など、驚きや不安の声が寄せられている。

 投稿者は、東海地方に住む30代男性の「アン卓」さん(@antakuyoutuber)。マイナ免許証に一本化したのは昨年の秋のことで、理由は「1枚で済むのが便利だなと思った」「財布が軽くなる」「住所・氏名の変更手続きがワンストップ」といった点に魅力を感じたからだったという。

 昨年3月に導入されたマイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の情報を記録し、免許証として利用できる仕組み。優良運転者や一般運転者であれば、免許更新時に必要な講習をオンライン受講といったメリットがあるほか、マイナ免許証のみにした場合は住所・氏名の変更手続きのワンストップ化が可能になる。従来の免許証との2枚持ちができる一方、従来の免許証を持たず、マイナ免許証のみにすることも可能だ。

 一方で、情報はすべてICチップ内に保存されるため、期限などを確認する際には「マイナポータル」アプリ等で読み取る必要があり、紛失した時に再発行まで時間がかかるといったデメリットも指摘されている。

 投稿者が不便に気づいたのは、投稿のあった5月17日当日。引っ越しのため、大きな家具を自分で運ぼうとレンタカーを借りようとしたところ、マイナ免許証のみでは利用できないことが分かったという。マイナ免許証のみでのレンタカー利用については、レンタカー各社で対応が分かれており、現状非対応の会社も少なからず存在する。

 投稿者は「正直言って不便を感じたのは今回だけなので、マイナ免許証制度については賛成しています」とした上で、「マイナ免許証対応のレンタカー会社を使えばいいのですが、料金が高くなるのと、若いころから使い慣れた思い出のあるレンタカー会社が使えないというのがショックでした。行政の民間への丸投げ感には強い憤りを感じています。責任を持って運営していただきたいです」と話している。

大手レンタカー会社が明かす「現時点で利用不可」の理由

 レンタカー会社ではマイナ免許証導入にどのように対応しているのか。

 全国展開する大手レンタカー会社の一つで、現時点でマイナ免許証のみでの利用に対応していない「タイムズカーレンタル」を運営するパーク24の広報担当者は、ENCOUNTの取材に「当社システムと適切に連携できる読み取り機器やソフトウェアが存在していないため」と理由を説明。政府や警察などの公的機関から、マイナ免許証のみでの利用に対応するよう要請や指示があったこともないと回答を寄せた。

 タイムズカーレンタルでは、今後について「当社システムと適切に連携できる読み取り機器やソフトウェアが整い次第、順次対応予定」としている。マイナ免許証の運用が始まったからといって、すぐには対応できないシステム上の課題もあるようだ。

 マイナ免許証が便利な制度であることは確かだが、一方で、利用者が「これ1枚で大丈夫」と考えて従来の免許証を手放した後に、思わぬ不便に遭遇すれば、制度への不信感にもつながりかねない。行政手続きのデジタル化は、利用者の不利益が生じにくい形で進められるべきであり、メリットの周知だけでなく、関係する民間事業者との連携や、民間サービスの対応状況への十分な説明も必要ではないだろうか。

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