日本人は今こそEVに買い替えるべきなのか? 自動車通のアメリカ人が“たったひと言”で回答

イラン情勢の長期化を背景に、ガソリン価格の高騰が懸念される中、日本でもEV(電気自動車)への関心がじわりと高まっている。テスラやBYDの台頭で世界的に普及が進む一方、日本では依然として大きなうねりには至っていない。ただ、今回ばかりはガソリン価格への影響は避けられないとの見方も強い。日本人は、今こそEVに移行するべきなのか? 自動車にも造詣の深いアメリカ人のハリウッド映画プロデューサー、ドン・ハリスさんに話を聞いた。

ハリウッド映画プロデューサーのドン・ハリスさん【写真:ENCOUNT編集部】
ハリウッド映画プロデューサーのドン・ハリスさん【写真:ENCOUNT編集部】

日本滞在の思い出はアルファードの後部座席…「最高の体験」

 イラン情勢の長期化を背景に、ガソリン価格の高騰が懸念される中、日本でもEV(電気自動車)への関心がじわりと高まっている。テスラやBYDの台頭で世界的に普及が進む一方、日本では依然として大きなうねりには至っていない。ただ、今回ばかりはガソリン価格への影響は避けられないとの見方も強い。日本人は、今こそEVに移行するべきなのか? 自動車にも造詣の深いアメリカ人のハリウッド映画プロデューサー、ドン・ハリスさんに話を聞いた。

 ハリスさんは、今春5回目の来日を果たした映画プロデューサーだ。在住するロサンゼルスでは、おびただしい数のテスラ車が往来する中、年式の古いバラクーダコンバーチブルのハンドルを握り、さっそうと風を切っている。

 現在制作中の映画『The Mad Batter』(邦題未定)も注目の作品だ。実話をもとにしたノンフィクションで、妻を失った男性に焦点を当てながら違法な公道レースに警鐘を鳴らしている。自宅近くのビーチでは、実際にストリートレースの巻き添えになり、妊婦が死亡した悲劇もあったと明かす。

 2週間にわたり日本に滞在したハリスさんは、各地を車で移動しながら日本車をつぶさに観察した。中でも印象に残ったのは、高級ミニバンのトヨタ・アルファードだ。夜景ツアーでたまたま乗車し、後部座席の快適性に「最高の体験だった」と目を細めた。

 その一方で、街を走る車を見て驚いたという。

「鎌倉に行ったときテスラを見ました。1台だけです。2週間いて、1台しか見ていません」

 ロサンゼルスはテスラのおひざ元。単純比較できないとはいえ、日本でのEVの存在感の薄さが際立っていたという。

 実際、昨年の日本の新車販売に占めるEVの割合はおよそ2%台にとどまっている。国によってはノルウェーのように9割を超えており、その落差は大きい。

 ただ、中東情勢の緊迫化を背景に、日本でもEVへの関心は高まりつつある。原油供給への懸念が強まる中、このまま状況が改善しなければ、車への影響も避けられない。

 果たして、この機にガソリン使用車からEVへ乗り替えるべきなのだろうか。

 現在の国際情勢も含めて、日本人にとって最適な選択を聞くと、ハリスさんは「私はハイブリッドが一番だと思います」と回答。

「完全EVでもガソリンでもなく、ハイブリッドです。ガソリンエンジンでバッテリーを充電できるのが特徴で、エンジンとモーターを使い分けることで燃料消費を抑えられます」と続けた。

エネルギー資源に乏しい日本だが…EVの課題は充電インフラの整備

 さらに、日本におけるEV普及の課題として充電インフラの不足を挙げた。

「アメリカと違って、どこにでも充電スタンドがあるわけではありません。それが日本の問題だと思います。充電スタンドが必要です」

 エネルギー資源の多くを海外に依存する日本にとって、エネルギー問題は避けて通れないテーマだ。EVシフトへの関心が高まる中でも、インフラ整備の遅れが普及の壁となっている現実が浮かび上がった。

「私は戦争が早く終わることを願っています。人々を殺すのを止めて、イランが国を立て直せること。それが私の願いです」。ハリスさんは静かに語った。

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