金の価格高騰 買取店に客殺到、爆上がりで“異変” 「遺品整理の中で…」金歯まで持ち込み

金の価格が歴史的な高騰となり、大きな注目を集めている。国内で1グラム当たりで一時3万円を超えた今、街中の買取店に“異変”が発生。昔買ったアクセサリーを現金に換えようとする人が殺到しているのだ。中には「金歯」を持ち込む人まで。さらに、廃棄される古いパソコンや携帯電話から金が抽出できることで、“宝の山”として業界から熱視線を浴びている。米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて、「安全資産」とされる金への関心は高まる一方だ。全国で買取専門店「買取大吉」を展開する株式会社エンパワーに、業界の最前線と“裏事情”を聞いた。

金歯が買取店でまさかの注目【写真:買取大吉提供】
金歯が買取店でまさかの注目【写真:買取大吉提供】

40年前に買った18金のネックレスが驚異の金額に

 金の価格が歴史的な高騰となり、大きな注目を集めている。国内で1グラム当たりで一時3万円を超えた今、街中の買取店に“異変”が発生。昔買ったアクセサリーを現金に換えようとする人が殺到しているのだ。中には「金歯」を持ち込む人まで。さらに、廃棄される古いパソコンや携帯電話から金が抽出できることで、“宝の山”として業界から熱視線を浴びている。米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて、「安全資産」とされる金への関心は高まる一方だ。全国で買取専門店「買取大吉」を展開する株式会社エンパワーに、業界の最前線と“裏事情”を聞いた。

「昔買った金のアクセサリーが爆上がり。そんな状況になっているため、貴金属を持ち込むお客様が急激に増えています。銀座中央通り店では、金が使われている製品や貴金属を持ち込む方は、昨年8月は1日平均3~4人でした。それが秋以降増えていき、年末には7~8人。今年に入ると1月、2月には1日9~10人、多い日には10数人に達しています」。買取店舗での現場経験も豊富な同社広報の原彩月さんは、現状をこう説明する。

 同社のメインユーザーである50~60代の女性客が特に多いといい、「例えば40年前に買った18金のネックレス。当時1~2万円だったのが、弊社の査定では今では10万円前後になるケースもあります。金のアクセサリーを複数お持ちの方だと、買取価格が100万円単位になることも珍しくありません。単価の高い商品を持ち込んでいただくお客様が増加しています」。中古品市場では、時間の経過と共に価値が下がるのが一般的だ。しかし今、金に関してはその常識が逆転している。

 背景には、金価格の驚異的な上昇がある。国内価格の指標となる田中貴金属工業の店頭小売価格(1グラム当たり、税込み)は、昨年9月に2万円台に乗り、今年1月に初の3万円台を突破し、3月2日には3万305円で最高値を更新。世界情勢の不安定化による地政学リスクや円安進行などが重なり、価格は前後しながらも“高止まり”の状況が続いている。

 買取大吉によると、意外なものがお宝に“化ける”実態もある。買取店に持ち込まれているのは、貴金属のアクセサリーだけではない。「最近よく見るようになったのが、金歯です。歯科治療で取った金歯を歯医者さんから持ち帰る、ご親族の遺品整理の中で見つかった金歯に注目する。そういった方もいらっしゃいます」。さらに意外なところでは、万年筆が挙げられる。腐食に強く滑らかに書けるなどの理由からペン先に金を使用している万年筆があり、高額な買取対象になるというのだ。原さんは「金が絡む商品であれば、ほぼすべての買取価格が上がっています」と強調する。

買取業界で「金」が大きな関心を集めている【写真:買取大吉提供】
買取業界で「金」が大きな関心を集めている【写真:買取大吉提供】

携帯電話1台には「平均で約0.05グラム」

 金は、ごみの中にも眠っている。古くなった携帯電話やパソコンだ。使用済みの電子機器・家電の電子基板などから金属を回収して再利用する「都市鉱山」。金・銀やレアメタルといった資源を取り出すことができるため、業界内でも関心を呼んでいるという。

 原さんは「携帯電話1台には平均で約0.05グラム、パソコン1台だと約0.3グラムの金が含まれていると言われています。20年以上前の古い携帯電話でも買取できます。現状は1台100~200円の買取価格になっています。昔のケータイが、今はお金になるんです。ただ、大量の電子基板を集めて、そこから金を取り出すには専門の技術・設備が必要で、相応のコストもかかるので、単純計算で利益が出るといった話ではありません。専門業者の取り扱いになります。“金のリサイクル”や都市鉱山ビジネスへの注目度が業界内で高まっていることは確かです」と説明する。

 刻々と変化する世界情勢と経済状況。金の価格変動にも絶対はない。だが、たんすの奥に眠る貴金属や、ごみとして捨てようとしていた古いパソコン・携帯電話が高騰している可能性がある。今一度、見直してみる“価値”があるかもしれない。原さんは「この先、金の需要や価格がどうなるかは分かりません。ただ、これだけお客様が殺到しているのは、『今が狙い目』と考える方が多いからだと思います。引き続き金関連のモノに注目していきたいです」と話している。

次のページへ (2/2) 【写真】“爆上がり”の金製品、実際の光景
1 2
あなたの“気になる”を教えてください