生まれたときからスポーツカーに乗せられ、車趣味で知り合った男性と交際、いずれは我が子もスポーツカーのシートに……。20代でありながら、そんな濃密な車人生を歩んできた女性がいる。並んだスープラとGT-R、2台の愛車に挟まれ幸せいっぱいの笑顔を浮かべるカップルに、気になるなれ初めと愛車との未来像を聞いた。

トップアイドル時代にバイクでアメリカ横断、ベンツ、ロードスター…多彩な愛車遍歴（JAF Mate Onlineへ）

　28歳のスープラオーナー、高橋ななみさんは、祖父の代から続く車好き家系。母もスポーツカー乗りで、子どもの頃からスポーツカーが当たり前の環境で育った。10月上旬、福島・浪江町で開催されたカーイベントでは、祖父と母、交際7年目の彼氏と連れ立ってそれぞれの愛車で参加。車を共通項に、家族ぐるみの付き合いをしている。

　車だけではない。3歳から始めたエンデューロ（オートバイによるオフロードレース）では、レディースクラスで全国1位になったことも。「競技場は公道じゃないので、バイクの免許がなくても乗れるんですよ。ただ、けがする可能性はもちろんあるので、バイクは専門学校の入試を前に卒業しました。バイクと車両方だと、とてもお金がかかって維持できませんしね（笑）」。

　愛車の1998年式スープラは、22歳のときに約360万円で購入。初めて購入したインテグラ DC5から2代目にあたるといい、「FR車に乗りたくて、6速ハッチで同じスペックの車を探したら、スープラしか該当しなかった。調べたらもうかっこよくて。古い車ですけど、ショップに“主治医”の先生がいて、修理は全部その人にお願いしています。生涯乗り続ける計画で、今後直す部品もそろえています」。心を射抜かれた1台を大切に乗り続けている。

“一目ぼれ”は愛車だけではないそうで……。GT-Rが愛車の彼氏とは、ツーリング先で出会い、高橋さんから猛アタックした。

「当時、彼が23歳、私が21歳で、たまたま出会った翌週が彼の誕生日だったので、『来週も会いませんか？』って誘って、誕生日プレゼントも渡して……。がんがんアタックしてましたね（笑）。福島と宮城で遠距離恋愛だったんですけど、私の方から押しかけていって。初めて彼の車でドライブに出かけたときのことは今でもよく覚えてます。夜の松島のドライブデートで、何気ないことがとても楽しくて」

　そんな彼氏がGT-Rを購入したのは、なんと17歳のとき。底値の時代、父親に名義を借りて40万円で購入した1台をずっと一途に乗り続けているという。

　将来的には結婚も視野に交際を続けており、「ゆくゆくは子育てしながら、スープラとGT-Rの2台を大事に維持していきたいと思ってます。あまり子育て向きの車じゃないですけどね（笑）」。車好きのDNAは世代を超えて受け継がれていく。