菅首相の“気配り内閣”に潜む矛盾点 舛添前都知事が閣僚人事を舌鋒鋭く採点

菅義偉首相が組閣した新内閣は、発足から一夜明けた17日に各閣僚が登庁し本格的なスタートを切った。歴代最長、約7年8か月に及んだ安倍晋三政権の“継承内閣”はこれからどんな舵取りを行うのか。前東京都知事で第1次安倍内閣では厚生労働大臣も務めた舛添要一氏が、船出したばかりの菅内閣を舌鋒鋭く“採点”。今回は注目を集めた閣僚人事について語る。

舛添要一氏【掲載:ENCOUNT編集部】
舛添要一氏【掲載:ENCOUNT編集部】

気配りと実力主義の二段構え、舛添氏が見た閣僚人事とは

 菅義偉首相が組閣した新内閣は、発足から一夜明けた17日に各閣僚が登庁し本格的なスタートを切った。歴代最長、約7年8か月に及んだ安倍晋三政権の“継承内閣”はこれからどんな舵取りを行うのか。前東京都知事で第1次安倍内閣では厚生労働大臣も務めた舛添要一氏が、船出したばかりの菅内閣を舌鋒鋭く“採点”。今回は注目を集めた閣僚人事について語る。

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 麻生太郎財務大臣を筆頭に20人の閣僚から組閣した菅内閣。閣僚人事について舛添氏は「一言でいえば『気配り内閣』という印象。気遣い、気配りのできる菅さんらしい組閣ですね」と感想を語る。防衛大臣には安倍首相の実弟の岸信夫氏が就任したが、「石破茂、中谷元、小野寺五典といった専門家がいるなか、岸はそこまで防衛問題に詳しくない。安倍さんのおかげで総理大臣になれたので、その恩返しという意味合いが強いと思います」と説明。

「小此木彦三郎の息子(八郎氏)を国家公安委員長にしたのも秘書時代ずっと一緒だったからで、梶山静六の息子(弘志氏)をそのまま経済産業大臣にしたのもそう。復興大臣の平沢勝栄は安倍さんが小学校2年生の時の家庭教師で、安倍さんが嫌がったんで経歴的には適任なのに7年8か月も大臣になれなかった(笑)。やっと安倍さんがいなくなったので、ということでしょう。そういうところに気を配れるのが、菅さんが気配りの人と言われるゆえん」と、各相入閣の“理由”を明かす。

 とはいえ、単なる「お友達内閣」というわけではない。「デジタル改革担当大臣の平井卓也はデジタルやITの専門家。上川陽子も法務大臣としては一番ソツがない。この辺は実力重視の登用で、一番無難な形でスタートした気がします。主要な麻生さんを財務・副総理にしたり、茂木敏充を外務大臣にしたり。河野太郎を防衛大臣から横滑りで行政規制改革担当大臣にしたのも、規制改革を行政の目玉にしたいんでしょう。何をやりたいのかというのは大体見えてくる」と評価する。

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