ガスト店長「年収1000万円」が反響…大幅アップは仕事がきついから? すかいらーくが明かす真意
外食業界大手のすかいらーくホールディングスは、同社が展開するファミリーレストラン「ガスト」や「バーミヤン」などの店長の年収を、これまでの最高840万円から最高1000万円に引き上げる新たな人事制度を導入した。今年度の店舗の売り上げや利益などの業績が来年度の月給と賞与に反映される仕組みだという。なぜ、最高年収の大幅な引き上げに踏み切ったのか。すかいらーくホールディングスに新人事制度を導入の背景を聞いた。

店長の年収を、これまでの最高840万円から最高1000万円に引き上げる新たな人事制度を導入
外食業界大手のすかいらーくホールディングスは、同社が展開するファミリーレストラン「ガスト」や「バーミヤン」などの店長の年収を、これまでの最高840万円から最高1000万円に引き上げる新たな人事制度を導入した。今年度の店舗の売り上げや利益などの業績が来年度の月給と賞与に反映される仕組みだという。なぜ、最高年収の大幅な引き上げに踏み切ったのか。すかいらーくホールディングスに新人事制度を導入の背景を聞いた。
「ガスト店長 最高年収1000万円超に」
先月28日、すかいらーくホールディングスの新たな人事制度導入が報じられると、ネット上では「これは夢があるな」「そんなに貰っているの?」「結果を出すと給料が上がる優良企業」「夢はあるけど休みがなさそう」「これまでも最高で840万円もあったんや」「あくまで『最高』だから」「本来それくらいのもらえるべきキツさの仕事」「激務でもちゃんとした報酬を出せば若い人も来ると思う」「相当きつそう」など、さまざまな反応が広がった。飲食業界での大幅な賃上げを喜ぶ声の一方、実現性について懐疑的な声も少なくない。
今回導入された新たな人事制度では、給与上限の引き上げや専門性を生かしたエキスパート職の新設により、マネジャー(店長)個人の成長を重視し、誰もがキャリアアップを目指せる評価制度に変更。また、マネジャーのクルー(パート・アルバイトスタッフ)昇給権限も拡大し、マネジャーが1人の経営者として店舗の組織化を推進できる仕組みになっているという。
「マネジャーは特別な技術を持つ『専門職』であり、今後研修や各種認定制度で能力を身につけていただき、高度な店舗運営ができる人財に対し、それに応じた給与を支払っていくための人事制度改定です。高度な技術を身につけ、複数店を運営できる能力に対しても、それに見合う報酬を支払っていく制度です。その環境づくりとして、店舗DXの推進や生成AIを活用したトレーニング環境の整備を行い、一人ひとりの能力を最大限伸ばせる環境づくりを行っていく方針です」と、すかいらーくホールディングスの担当者。
年収1000万円に届く店長の業務内容や業務時間、集客数などの条件については、「高売上店舗で利益を最大化する方や、複数店の店長をし組織力を高める方など、いろいろなケースが想定されます。ノルマということではなく、収益を最大化できる方に対し、その能力を評価し給与をお支払いする制度です」と説明する。
今回の人事制度改定を含めた、今後の企業戦略については「重要な戦略の一つとして、『店舗中心経営』を推進しています。人をコストと見て削減することで利益を創出するデフレ時代は終わり、店舗が主体となり、それぞれの地域の特性やお客さまの声に合わせた店舗運営で組織を作り、一人ひとりのマネジャーが経営者として成長していく考え方です。一人ひとりのマネジャーの能力を高めていくことで生産性が向上し、付加価値を創造することで、それぞれの地域で競争優位性を確立し、グループ全体の収益力向上を力強くけん引していきます。ここで培われた現場のスキルと創意工夫が成功事例としてグループ全体に共有されることで、組織全体の能力が向上し、変化の激しい市場環境においても、持続的に成長していく基盤となることは間違いないと考えております」と担当者。
未経験でも働きやすい一方で、激務や長時間労働のイメージも根強い飲食業界。業界の先駆けとなる「店長年収1000万円」は定着するか、すかいらーくの取り組みに注目が高まる。
