かつてはオーディション落選で涙 『御上先生』出演の19歳・上坂樹里、吉岡里帆から受け取った金言「解放された」

俳優の上坂樹里は、2025年注目の1人と言っていいだろう。ファッション雑誌・Seventeen(集英社)の専属モデルを務め、俳優の松坂桃李が主演するTBS系連続ドラマ『御上先生』(今月19日スタート、日曜午後9時)にも生徒役で出演。節目の20歳を迎える1年への思いを聞いた。

今年20歳を迎える俳優の上坂樹里【写真:冨田味我】
今年20歳を迎える俳優の上坂樹里【写真:冨田味我】

『御上先生』に出演…今年は「“新しい自分”を見せる1年に」

 俳優の上坂樹里は、2025年注目の1人と言っていいだろう。ファッション雑誌・Seventeen(集英社)の専属モデルを務め、俳優の松坂桃李が主演するTBS系連続ドラマ『御上先生』(今月19日スタート、日曜午後9時)にも生徒役で出演。節目の20歳を迎える1年への思いを聞いた。(取材・文=小田智史)

 上坂はエイベックス主催コンテスト「キラチャレ2017」で、モデル部門の審査員特別賞を受賞し、芸能界入りした。そして、「ミスセブンティーン2021」に合格。Seventeenの専属モデルになり、俳優としても一歩ずつ活躍の場を広げてきた。

 24年はフジテレビ系『ビリオン×スクール』で、初めて連続ドラマにレギュラー出演した。オーディションで役を勝ち取り、いじめのターゲットとなる生徒役を好演。そんな同年を、上坂は「『学び』『刺激』『吸収』の1年だったと思います」と振り返った。

「初めて連ドラのレギュラーとして出演させていただきました。そこで初めて同世代の皆さんとお芝居させていただいたり、いろんな作品から日々学んで、吸収しての繰り返しでした。(『ビリオン×スクール』の)撮影をしていく中で、うれしさや楽しさだけなく、初めてぶつかった壁とか、大変なことも同じくらいたくさんありました。そんな時に1人で抱え込むのではなく、周りの方に支えていただいたり、スタッフさん、キャストの皆さんがアドバイスをくださったり、私はそういうところでも『周りの方に恵まれているな』と感じることができました。全てが私の財産です」

 今年は7月に20歳を迎える上坂。「“新しい自分”を見せる1年にしたい」とし、「今までにない役だったり、新しい一面を知ってもらえるような機会を増やしていきたいので、自分から挑戦できるように精いっぱい頑張っていきたいです」と意気込んでいる。

 新年には早速、『御上先生』に生徒の東雲温(しののめ・たずね)役としての出演が決定。「今、絶賛撮影中で、刺激的な毎日を送らせていただいています」とうれしそうに語る。

「本当に大きな作品に関わらせていただいているなと、気が引き締まる思いです。お芝居をしていく中でも周りから吸収して、その時に初めて自分の心から出た感情が生まれてくることが多いんです。1人だとそのお芝居はできないし、その感情は生まれてこない。相手に影響を与えるようなお芝居はすごく大事だし、それができるようになりたい。(キャストには)同世代の方もいるし、切磋琢磨しながら頑張っています」

俳優としてさらなる飛躍を誓う【写真:冨田味我】
俳優としてさらなる飛躍を誓う【写真:冨田味我】

松坂桃李の演技に刺激「毎日、圧倒されています」

『御上先生』は松坂の他、吉岡里帆、常盤貴子、北村一輝、今年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』でヒロインを務める高石あかり、奥平大兼、蒔田彩珠、影山優佳ら出演陣の豪華さも目を引く。御上孝役の松坂からも大きな刺激を受けているという。

「(松坂さんが)御上先生として教壇に立って、お芝居を始めた時に、ぞっとするくらい、心の奥がゾワゾワしました。松坂さんは普段穏やかで、すごく優しくて、生徒の皆さんにも休憩の間に話しかけてくださったり、本当にすてきな方ですが、役に入る瞬間が見えるんです。私は元々『こういうお芝居をしよう』と準備をしていたんですけど、目の奥の複雑な感情とか、御上先生として話している松坂さんの姿を見て、『1回、何も考えず御上先生を見て、その時に出た感情でお芝居をしてみよう』と切り替えました。それくらい毎日、圧倒されています」

 3人姉妹の末っ子である上坂だが、小学校では児童会会長、中学校では生徒会副会長、会長を歴任したしっかり者。落ち着いた受け答えも印象的な一方で、「お芝居をする時にすごく緊張するんです」と演じる上での“悩み”を明かす。

「『御上先生』はクラスの中で繰り広げられる物語も多いので、(生徒役の)皆さんから注目されながらセリフを言う時はドキドキで鼓動が速くなってしまいます(苦笑)。大事なシーンとかは特に、役のことを一つひとつ整理して、それまでのことを思い返しながら集中して挑むようにしていますが、(神崎拓斗役の)奥平大兼さんの切り替えのすごさは印象に残っています。カットがかかった瞬間にふっと自分に戻るし、休憩中は周りの皆さんと楽しくお話されているイメージです。だけど、監督から『こうしてほしい』と要望を受けると、『じゃあ、やってみます』とその一言で次のカットではさらっとこなしている。その切り替える能力、応える力が衝撃的でした」

 その中で、是枝文香役を務める吉岡に、「緊張」に関してアドバイスを求めたという。

「緊張がなかなか解けなくて困って、相談させていただきました。吉岡さんは緊張されないと思って聞いたら、『私も全然緊張するけど、その緊張を大事にしている』とおっしゃっていました。シーンによりますけど、『緊張しないと役として意味が半減してしまうと思うし、その緊張もお芝居にプラスしていった方がリアクションとか自然に見える』と言ってくださって、それが私の中ですごく救いになりました。そして、無理に『緊張しないようにしよう』という思いから解放されて、本当にありがたいお言葉でした」

 21年から『Seventeen』専属モデルを務めるが、それまでにはオーディション落選を3回経験した。そういった悔しさも、さらなる飛躍を目指す上坂の大きな力になっている。

「オーディションに落ちると、どうしても受かりたかった役とかは悔しさで泣いてしまうくらい(笑)。1回1回落ち込んでいたらあまり意味がないと言われることもありますが、思いはしっかりと覚えておいて、そういう役が来た時に生かそうと、切り替えることを大事にしています」

 憧れの俳優は、3学年上の清原果耶。彼女が持つ「ギャップ」についても、上坂は「磨きをかけていきたい」要素だと話す。

「清原さんの作品によってのギャップがすてきだなと思っています。作品ごとに、それぞれの役を生きていらっしゃる。役によって背負っている人生は違うので、それを演じることができるのも一つの特権だし、観ている方にその過程を伝えられるか。いただいた役は二人三脚でしっかりと向き合いながら、その役としてしっかり生きたいと思います。作品に出演できることのありがたみを感じてしているし、今がすごく幸せです。ご縁と新しい出会いも大事にしていきたいです」

 俳優としてどのように進化を遂げるのか。今年の上坂から目が離せない。

□上坂樹里(こうさか・じゅり) 2005年7月14日、神奈川県生まれ。21年8月から『Seventeen』専属モデルを務め、同年に俳優デビュー。22年にNHK『ヒロイン誕生! ドラマチックなオンナたち』、23年にNHKの特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』やフジテレビ系連続ドラマ『いちばんすきな花』、24年に日本テレビ系連続ドラマ『となりのナースエイド』『ビリオン×スクール』に出演。今年1月期は話題作のTBS系連続ドラマ『御上先生』に生徒役としてレギュラー出演する。特技は書道。身長160センチ。

※高石あかりの「高」は、「はしごだか」が正式表記。

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