「ベッド脇におしっこ」「バスタオル10枚盗む」 外国人客の横暴…ホテル従業員が怒りの告発

日本政府観光局(JNTO)は16日、今年9月の訪日外客数が287万人で、8か月連続で同じ月の過去最高を記録したと発表した。インバウンドによる外国人観光客の増加が過熱するなか、オーバーツーリズムや文化の違いなど、さまざまな面で問題も起こっている。都内のホテルで勤務する女性に話を聞いた。

ホテルで相次ぐ被害を従業員が告発(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ホテルで相次ぐ被害を従業員が告発(写真はイメージ)【写真:写真AC】

部屋の汚損や盗難など、外国人宿泊客による被害の数々を列挙

 日本政府観光局(JNTO)は16日、今年9月の訪日外客数が287万人で、8か月連続で同じ月の過去最高を記録したと発表した。インバウンドによる外国人観光客の増加が過熱するなか、オーバーツーリズムや文化の違いなど、さまざまな面で問題も起こっている。都内のホテルで勤務する女性に話を聞いた。

「都内ホテル高騰が話題なのでホテルで働いてる人間の意見を言わせて。外国人観光客にはほんとうんざり。部屋は汚すし備品壊したりリネン盗んだりするし横暴だしこちらが提供できる以上のサービスを要求してくるから現場は常に疲弊してる。こっちだって日本の人に泊まってほしいよ」

 今月15日、ホテル従業員による外国人観光客への本音をつづった投稿は、1.3万件を超えるリポスト、10万件の“いいね”を集めるなど大きな反響を呼んでいる。投稿者は都内のホテルに勤務するちくわぶ(@tkwbiD)さん。続く投稿では、「ベッド脇におしっこ」「窓叩き割る」「テレビ叩き割る」「バスタオル10枚盗む」など、これまでに外国人宿泊客から受けたという被害の数々を箇条書きで書き連ねており、中には従業員に対する性被害を訴えるものもある。

 投稿者は今回の投稿について、「1年前から山手線沿いにあるビジネスホテルで客室清掃係のお仕事をしています。トレンドにあった『都内ホテル高騰』のワードを見て、現場で働く人の事情を少しでも知ってもらえればという気持ちで投稿しました。個人的な愚痴のつもりだったので、こんなにたくさんの反応がいただけるとは思わずとても驚いています」と意図を説明する。

 一連の投稿には「酷過ぎる! これ、警察沙汰にしたい案件も多数です」「ほぼ全部犯罪行為」「高い部屋泊まってお金落としてもらえればそれでいいとかそういう問題じゃないんですよね」「出国停止にして弁償させるレベル」「言葉で注意して、賠償させないと延々と続く」といった批判の声が多数寄せられている。中には「私も客室清掃で同じこと有りました」「アメニティどころかドライヤーまで持っていかれました」と同様の被害を訴える声もある。

 一連の反響について、投稿者は「『外国人差別だ』というお叱りの返信が来ると身構えていたのですが、『現場は大変』『被害届を出すべき』『日本のホテルなのに日本人が泊まれないのはおかしい』などの同情的な返信を多数いただき、ホテル高騰で困ってるのは私や私の職場だけではなく、社会全体なのだとあらためて思いました」と話している。

 不法行為や迷惑行為をする人間はすべて外国人だという偏見は、差別を助長しかねない。一方で、文化や風習の違いから、現地では非常識とされる行為をしてしまったり、旅先の解放感からモラルやマナーに対する意識が薄れてしまうといったことは国籍を問わず起こり得る。インバウンドにより外国人観光客が青天井に増え続けるなか、国や関係団体も何らかの対策に乗り出さざるを得ない状況に来ている。

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