“リハビリ漫画”は感動必須!? 細かい描写にフォーカスした新感覚の医療漫画3選

医療系の漫画といえば難病の患者を高度な手術で救うストーリーが多い。しかし、最近では、手術後のリハビリに焦点を置いた作品にも注目が集まっている。そこで今回は、リハビリや闘病生活にフォーカスを当てた漫画3選を紹介しよう。

『境界のエンドフィール』【画像:(C)近藤たかし・アントンシク/集英社】
『境界のエンドフィール』【画像:(C)近藤たかし・アントンシク/集英社】

リハビリを通して描かれる人間模様は感動必至!?

 医療系の漫画といえば難病の患者を高度な手術で救うストーリーが多い。しかし、最近では、手術後のリハビリに焦点を置いた作品にも注目が集まっている。そこで今回は、リハビリや闘病生活にフォーカスを当てた漫画3選を紹介しよう。

 1作目は、集英社公式のアプリ「ヤンジャン!」で連載中の『境界のエンドフィール』(原作:近藤たかし、漫画:アントンシク)。電気刺激やマッサージなどを実施する理学療法士の視点で描かれる医療漫画だ。

 主人公の瀬戸真人は、ある殺人事件を捜査していた元刑事だったが、彼は犯人を追っていたとき、事件に無関係の千波夏海と衝突して重症を負わせてしまう。脊髄損傷で車いす生活になった夏海だったが、怪我を負わせて落ち込んでいた瀬戸を励ます。この経験をきっかけに、瀬戸は刑事から理学療法士に転職するのだ。

 ある日、彼が働く病院へ全身に火傷を負った女性が搬送された。手術後は彼がリハビリ担当になり、記憶喪失している彼女に優しく寄り添う。瀬戸がマッサージをするために腕の包帯を取ると、特徴的なタトゥーが目に入る。そのタトゥーは、彼が刑事時代に捜査していた殺人事件の犯人にも刻まれていたものだった。

 本作は元刑事が理学療法士となり、患者と向き合う精神的な部分が多く描かれている。腕にタトゥーが刻まれた彼女に瀬戸がどう臨むのか、サスペンス要素も楽しめる作品だ。読者からは、「リハビリを中心とした医療系と刑事系のバランスが良い」といった感想が寄せられている。

 続いて『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載中の『リアル』(作:井上雄彦)をピックアップ。バスケと車いすを掛け合わせた漫画で、車いすの患者が手術後の現実をどう受け止めるか描かれている。

 本作の主な登場人物は、バイク事故で山下夏美を車いす生活にさせてしまったことで、罪悪感を抱いている野宮朋美、彼と同じ高校で、交通事故に遭って下半身不随となった高橋久信、陸上選手だったが、骨肉腫によって右足を切断して車いす生活をしている戸川清春の3人だ。

 それぞれが車いすと向き合い、前進していく物語。野宮の運転事故で車いす生活となった山下だが、現実を受け止めて前に進んでいた。その姿は、事故への罪悪感や仕事もバスケもうまくいかない現実に悩む野宮に大きな勇気を与える。

 また、野宮と高橋は事故の前からバスケをしており、戸川は怪我をしてから車いすバスケを始めた。臨場感のあるバスケシーンは、同作者が描く名作バスケ漫画『スラムダンク』を彷彿とさせる。ネット上では、「名前の通り現実的で、熱い物語」「リハビリや車いすを通して人間的な成長がみられる」など好評の声が上がっている。

 3作目は、主婦の友社から出版されているコミックエッセイ『日々コウジ中』(作:柴本礼)。高次脳機能障害を抱える夫とそれを支える家族の物語が描かれている。

 高次脳機能障害とは、病気や事故によって脳にダメージを負った後、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などに機能障害が起きる状態だ。

 本作は認知度の低い高次脳機能障害について解説したうえで、日々の生活やリハビリにフォーカスしている。感情のコントロールが効かなくなり、暴言や暴力が多くなったり、自身に障害があることも認識できないなど、手術では治せない症状に悩む患者や家族のリアルな心情が描かれているのが特徴だ。

 心を打つシーンも数多く登場するため、ネット上には「明るいコミック仕立てのおかげで、障害について理解しやすかった」といったコメントが上がっている。

 病気、けがと向き合うことに焦点を当てた医療漫画たち。患者とその家族が奮闘する姿は、読者に大きな感動を与えるだろう。

※本文にて紹介している『境界のエンドフィール』の第1話「過ちと贖い」が下記より試し読み可能です。ぜひ御覧ください。

「ヤンジャン!」では本作品全話配信中です。
https://ynjn.jp/title/5154

次のページへ (2/3) 『境界のエンドフィール』第1話(Part1)
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください