森崎ウィン「蜜蜂と遠雷」壮絶ピアノ演奏を語る「爪と肉の間が剥がれて血が出た」
史上初の快挙となる「直木賞」と「本屋大賞」をW受賞した恩田陸氏の同名小説を映画化した「蜜蜂と遠雷」(石川慶監督、10月4日公開)。国際ピアノコンクールに参加する若き4人の天才ピアニストの姿を描く群像劇だ。その中の1人で、容姿端麗な「ジュリアード王子」と呼ばれるマサル・カルロス・レヴィ・アナトール役を演じたのが俳優の森崎ウィン(29)。ミャンマー出身で、ミュージシャンとしても活躍中だ。本作では自らヤマハ音楽教室に通い、天才ピアニスト役に挑戦。森崎は「日本での代表作にしたい」と語る。
インタビュー 若き4人のピアニストの1人「ジュリアード王子」と呼ばれるマサル役
史上初の快挙となる「直木賞」と「本屋大賞」をW受賞した恩田陸氏の同名小説を映画化した「蜜蜂と遠雷」(石川慶監督、10月4日公開)。国際ピアノコンクールに参加する若き4人の天才ピアニストの姿を描く群像劇だ。その中の1人で、容姿端麗な「ジュリアード王子」と呼ばれるマサル・カルロス・レヴィ・アナトール役を演じたのが俳優の森崎ウィン(29)。ミャンマー出身で、ミュージシャンとしても活躍中だ。本作では自らヤマハ音楽教室に通い、天才ピアニスト役に挑戦。森崎は「日本での代表作にしたい」と語る。
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――どういう経緯でマサル役に決まったのでしょうか。
「先に原作を読んでいまして、『これを映画化したらいいのにな』と思っていたら、水面下で映画化が動いていたんです。オーディションで監督とお会いした時に、『原作を読んでしまったので、マサル役はできないです』と率直に言いました。ただ、監督は『原作の再現VTRを作るわけではないから、映画は別ものだと思って捉えてもらって、森崎ウィンのマサルを表現してくれたら十分だからって、むしろ、そこを求めているんだよ』と伝えてくださり、その後は台本だけと向き合いました」
――「映画化したらいいのに」と思った理由は何ですか。
「恩田先生のピアノの表現が独特で、クラシックを知らない僕でさえもちゃんと音が聞こえてきたんです。活字から音が流れるって、小さい時にもらったバースデーカードくらい。人間の想像力が豊かなところでもあるんでしょうね。そこをちゃんと刺激してくださる素晴らしい原作でした」
――監督に「マサル役をできない」と言ったのは、なぜですか。
「原作を読んだ時、 (自分が出られるとは)思わなかったんです。これを映画化したら、自分はどのキャラだろうって。でも、(4人の中には)ないない……と(笑)。原作モノの怖さもすごくあったんです。外見(原作ではペルーの日系三世で「王子」と呼ばれる男)を描かれた部分を読んだら、怖くなります、って(笑)。僕自身、原作を読んで、自分なりのマサル像を作っていたので、到底できないと思ったんです。知らずに監督とお会いしていたら、また違ったかもしれないですね」