“爆走”話題のDeNAチア、リレー対決で驚異の加速 陸上レジェンド軍から「技術を盗みたい」
横浜に“爆走チア”がいる。春先からネット上で話題になり、今もその情報、動画が拡散している。彼女の正体はプロ野球横浜DeNAベイスターズ・オフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」のAki(あき)。今季から、本拠地・横浜スタジアム(ハマスタ)での試合イニング間に開催されているdiana対ファンのリレー対決で毎回、アンカーを務めている。ゴールに向かってグングンと加速する走力は圧巻。プロ野球チアでは昨年の「きつねダンス」に続いて話題になっている。9月1日には陸上のオリンピアンと対決するまでになった。Akiの素顔とは。
パフォーマンスチーム・dianaのAki 9.1はオリンピアン4人と対決
横浜に“爆走チア”がいる。春先からネット上で話題になり、今もその情報、動画が拡散している。彼女の正体はプロ野球横浜DeNAベイスターズ・オフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」のAki(あき)。今季から、本拠地・横浜スタジアム(ハマスタ)での試合イニング間に開催されているdiana対ファンのリレー対決で毎回、アンカーを務めている。ゴールに向かってグングンと加速する走力は圧巻。プロ野球チアでは昨年の「きつねダンス」に続いて話題になっている。9月1日には陸上のオリンピアンと対決するまでになった。Akiの素顔とは。(取材・文=柳田通斉、水谷賀奈子)
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4回裏が終わると、Akiが爆走する。今季、それがハマスタの「名物」になっている。イベント「Hisense ハマスタバトル」とは、dianaとファンとのリレー対決のことだ。
diana総勢19人のうち、Hisense ハマスタバトルに登場するのは3人。今年3月上旬、球団が新イベント内容を発表し、メンバー内オーディションで圧倒的な1位のAkiがアンカーに決定した。2番目に速いShizukuとともレギュラーになり、もう1人は他のメンバーから選出。バトルが始まると、ジワジワとAkiのスピードとゴール直前にジャンプする姿が話題になった。
そして、6月7、8日のセ・パ交流戦ソフトバンクーDeNA(福岡PayPayドーム)のイニング間に実現したdiana対ハニーズ(ソフトバンクのオフィシャルダンス&パフォーマンスチーム)のリレー対決は、Akiの爆走もあってdianaの圧勝。その模様を伝えたABEMAの『バズ!パ・リーグ』では、解説者の里崎智也氏が「アンカーですよね。このストライドね」と驚き、司会の辻歩アナウンサーも「これ……すごい。もう、ホントに陸上選手の走り方ですよね。みなさん、笑顔を保って走るのもプロだと思いました」とコメントするほどだった。以降も「dianaのAkiがすごい」の情報は拡散。本人は喜びつつも、負けん気をさらに高めていた。
「私は陸上部の経験はなく、高校まではマーチングバンド部でフラッグなどの手具を使用して踊ったりしていました。ただ、小さい頃から徒競走で負けたことがなく、脚力には自信があったのでオーディションの時から『絶対に負けない』と強い気持ちで走りました。Hisense ハマスタバトルが始まると、グラウンド内を全力で走ることが気持ち良すぎて、『とにかく楽しい』という思いでした。笑顔もジャンプもその気持ちからですが、勝ち進むうちに緊張やプレッシャーも感じるようになりました。絶対に負けられないので」
dianaのマネジャーも観客の盛り上がり、Akiらの思いに応えるべく、横浜ベイスターズ時代にトレーニングコーチを勤めていた球団職員を配置。メンバーが指導を受けるようになった。
「バトンパスもですが、diana全体で速く走るための練習もしています。コーチの指導で足の回転を速くしたり、フォームが崩れないように腹圧のトレーニングもしています。レース後、自分の動画を見ていますが、足の回転数は上がったかなと思います」
Akiの高校時代に50メートル走7.1秒を記録しているが、当時よりも速くなった手応えがある。そして、ガチ姿勢。対戦相手3人は当日のチケットを持つファンクラブ会員の希望者から抽選で決まり、diana3人はスタート前に初顔合わせとなる。
「走ってみないと分からないので、フィールドに出る前に『速そうな顔しているな』と思ったりしますが、『絶対に勝つんだ』と自分に言い聞かせています。走る距離は40メートルです。始まればあっという間なので、差が開いてバトンを受けても『必ずゴールテープを先に切る』という気持ちでいます」
4回裏終了時にファン3人と対決 通算40勝15敗
その気持ちで逆転勝利したレースも多くあり、通算40勝15敗。そして、次の本拠地戦となる9月1日、巨人戦前のイベント『港星学園祭(べいすたがくえんさい)』の特別企画で対決するチームは、かなり手ごわい。高橋尚子氏(シドニー五輪マラソン金メダル、23年アジア大会スペシャルキャスター)率いる陸上レジェンド軍団だ。
第1走者:福島千里氏(100メートル、200メートル日本記録保持者)
第2走者:高平慎士氏(北京五輪 4×100メートルリレー銀メダル)
第3走者:木村文子氏(100メートル障害 ロンドン五輪・東京五輪出場)
第4走者:朝原宣治氏(北京五輪 4×100メートルリレー銀メダル)
この4人に対してdianaは5人。ハマスタのグラウンド内1周を陸上トラックとして対決するルール(ハンディキャップを設ける可能性あり)で、相手を聞かされたAkiは「本当にびっくりしています」と第一声。それでも、「一緒に走っていただけるということがとても光栄です!」と声を弾ませ、臆してもいなかった。
「横浜スタジアムで走っている回数やグラウンドに慣れているという部分では、私たちの方があると思うので、その積み重ねてきたものを力に頑張りたいと思います。港星学園陸上部として、しっかりと準備をして全力で挑みます。応援よろしくお願いします! (本番では)密かにアンダー(バトン)パスの技術を盗みたいと思います」
勝敗はともかく、この対決動画は拡散必至。Akiがどういう形でバトンを受け、朝原とどんなバトルをくり広げるのか……。野球ファンの枠を越えた話題になりそうだ。
□Aki(あき)8月20日、横浜市生まれ。幼少からダンスを始め、中学、高校時代はマーチングバンド部。両親の影響で横浜DeNAベイスターズのファンになり、21年、憧れてきたdianaのメンバーに加入。信念は「楽しんだもの勝ち!」。好きな食べ物は「納豆」。158センチ。