「世田谷から世界へ」―ロックスターに憧れた男たちが掲げる野望、WENDYが目指す場所

2020年10月に誕生した4ピースバンド・WENDYが勢いに乗っている。結成からわずか2年半で音楽フェス・SUMMER SONICやMETROCKを経験。「世田谷から世界へ」の野望を掲げ、ロックシーンを突っ走っている。6月21日にデジタルシングル『Runaway』、8月23日にはメジャー1stアルバム『Don't waste my YOUTH』の発売を控えるSkye McKenzie(Vo/Gt=19歳)、Paul(Gt=18歳)、Johnny Vincent(Ba=18歳)、Sena(Dr=20歳)の個性豊かな4人に結成秘話や今後の夢を聞いた。

インタビューに応じたWENDY(左からPaul、Skye、Sena、Johnny)【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じたWENDY(左からPaul、Skye、Sena、Johnny)【写真:ENCOUNT編集部】

スターの風格すらも漂わす個性豊かな4人

 2020年10月に誕生した4ピースバンド・WENDYが勢いに乗っている。結成からわずか2年半で音楽フェス・SUMMER SONICやMETROCKを経験。「世田谷から世界へ」の野望を掲げ、ロックシーンを突っ走っている。6月21日にデジタルシングル『Runaway』、8月23日にはメジャー1stアルバム『Don’t waste my YOUTH』の発売を控えるSkye McKenzie(Vo/Gt=19歳)、Paul(Gt=18歳)、Johnny Vincent(Ba=18歳)、Sena(Dr=20歳)の個性豊かな4人に結成秘話や今後の夢を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

――個性的な4人が集まったWENDYですが、結成のきっかけを教えて下さい。

Skye「中1のときに児童館で初めてSenaと会って、そこから地元でずっと遊ぶ仲間になりました。高校生ぐらいでちょっとグレてきて、俺らのグループとは別に1個下でやんちゃしているやつ(PaulとJohnny)がいると聞いて、『けんかだ!』みたいな流れになったんです。でも、その前にJohnnyが話つけようってやって来て、そのときにJohnnyがKISSのTシャツ着ていたんです。俺が『好きなの?』って声かけたら『好き』って。そこから話が盛り上がって、仲良くなっちゃいました。しばらくはバカしながら4人で一緒にいたんですけど、『そろそろ何かやる?』ってなったときに、それぞれやっていた楽器がバラバラだったので『じゃ、バンド組むか』みたいになって……今です(笑)」

――中高生からずっと一緒に行動しきたことだけあって、4人の仲の良さが伝わってきますね。

Skye「プライベートでもずっとみんなで遊んでますね」

――リーダー的なポジションのメンバーはいらっしゃいますか。また、グループの雰囲気を教えてください。

Paul「Skyeがまとめてるかな?」

Skye「リーダーは決めてはいないけど、まとめる人は必要なので、そんな感じでやらせてもらっています。PaulとSenaはムードメーカーですね」

Johnny「SenaのこといじるとPaulが絶対笑うんすよ」

――Senaさんがイジられキャラなんですね。

Sena「Paulもそうっすよ!」

Paul「一緒にしないでください」

メンバー「(笑)」

――WENDYというバンド名に決まった経緯を教えてください。

Skye「いくつかバンド名を考えていたんですけど、パッとくるものがなかったんです。やっている音楽と見た目のギャップをつけたいと考えていました。僕が『ピーターパン』が好きで、ピーターパンのヒロインがウェンディ。『名前かわいいな』と思って……。メンバーにも『どう?』って聞いたら、『全然いいよ』ってことで決まりましたね」

――海外にルーツを持つメンバーもいらっしゃいますが、どういった幼少期を過ごされていましたか。

Skye「俺はイギリスとのハーフなんですけど、アメリカに住んでいた時期があって、今も母親や妹と弟が向こうに住んでいます。日本で学校に通っていたんですけど、小さい頃から行ったり来たりしていました。小学生になる前に、1年ぐらいアメリカにいたこともあって、帰ってきたときには日本語が全然しゃべれなくなってるなんてこともありました」

Paul「僕はロシアにルーツがあって、一時期ロシアにいたこともありましたけど、基本的には日本で生活していましたね」

――歌詞が全編英語詩というのも、そういった影響があるのでしょうか。

Skye「曲を書くのは英語でしかできないので、自然的にです。みんなも洋楽が好きだから英語でやろうってなりました。ジョニーも作詞を一緒にやっていて、日本語で書いてくれるので、それを英語に訳すこともありますね」

――歌詞はどういったタイミングで書くことが多いのでしょうか。

Johnny「すごい経験をした後とかが1番、曲も歌詞もできますね。ものすごい体験をして、めっちゃ興奮状態にあるときが1番吐き出せます」

Skye「3rdシングル『When U Played Me』は俺がフラれたときの曲なので、そのときの実体験とか思ったことを書きました。今後もいろんなことが起きると思いますし、もっと大人になったら、今まで言えなかったこともちゃんと曲に出して言えるかもしれないですね」

Johnny「何もない状態だったら曲は作れないですね。だから常に刺激を求めています」

――70’s、80’sロックのテイストが特徴的です。邦楽でここまでブレないスタイルも珍しいですが、どういった流れでバンドの方向性が決まったのでしょうか。

Paul「自然でしたね。こういうのをやっていこうっていう話し合いはなくて、必然的に好きなのがぶつかり合ってこうなりました」

――70’s、80’sの魅力はどういった部分でしょうか。

Johnny「当時のロックスターたちがヒーローに見えるんですよ。戦うヒーローじゃないけど、少年たちが目をキラキラさせて憧れるような存在ですよね」

――憧れや影響を受けた存在はいらっしゃいますか。

Paul「Led Zeppelinは自分の心の中に1番残っていますね。俺はブルースがすごい好きなので、フレディ・キングにもすごく影響を受けています」

Skye「俺は映画とかが好きで、影響されていることが多いですね。バンドだとGUNS N’ ROSESやMotley Crue、ソロだったら、プリンスとか好きで、いろいろ影響受けています」

Johnny「僕はThe Velvet Undergroundとルー・リードがめちゃくちゃ好きで、デヴィッド・ボウイとかちょっとアートが混じってるような世界観を持っている人とかですね。もちろんブルース系のハードロックとかThe Rolling Stonesとか……多すぎて、1個には決められないです」

Sena「僕は最初に聞いたバンドがMotley Crueだったので、やっぱりトミー・リー(Dr)がかっこよくて。ライブで逆さまになったやつとかめっちゃかっこいいなって。トミー・リーになりたいです(笑)」

――6月21日にリリースされる『Runaway』は青臭い歌詞も特徴的です。何をイメージされましたか。

Skye「これを書いたのは、去年の夏でした。車の助手席に窓を開けながら乗っていて、ケイティー・ペリーの『Firework』が流れてきたんですよ。耳に残るバイオリンの音があって、それでリフを思いついて、家に帰ってすぐギターで作りました。歌詞的には、つらいとき、逃げたくなるときは逃げちゃおうよってちょっと青臭い感じです」

――8月に発売されるアルバムのタイトルも『Don’t waste may YOUTH』(青春をむだにするな)とド直球ですね。

Skye「俺たちはコロナ禍で結成して、その中で作った曲がたくさんあります。コロナによっていろいろな行事がキャンセルされたりといったことを経験しました。青春をむだにされたっていう思いもあるので、若い世代だけではなく、大人たちも自分が今使っている時間をむだにしてほしくない、青春はいくつになっても作れるものだって思いでタイトルをつけました」

――「世田谷から世界へ」を掲げています。4人それぞれの目標をお聞かせください。

Paul「楽団とかと一緒にやりたいです。ジャズとかの音楽ジャンルにもどんどん挑戦していきたいですね。バンドとして、オーケストラバージョンとかも欲しいなって思っています」

Johnny「海外に移住して、そこで曲を作ってライブするみたいな感じになりたいですね。大人になったら。そこまでうまくいけばいいですけど(笑)」

Sena「海外行って、みんなで住んで……」

Skye「お前とは住みたくない(笑)」

Sena「おい、ふざけんな! 俺はお前らのとこいくからな(笑)! それでグラミーを取ることです」

Skye「世界中で名前を知られているバンドになりたいです。それこそマイケル・ジャクソンとか、THE BEATLESとかってみんな名前は聞いたことある。この時代にそういうロックバンドっていないなって思っています。さっき、Johnnyも言っていたように、新しい世代に、俺たちがTHE BEATLESとかThe Rolling Stonesをかっこいいと思っていたようにWENDYを『かっこいい』『ヒーローだ』って思わせたいですね」

○WENDY楽曲リンク:https://wendy.lnk.to/runaway

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