是枝監督、『怪物』大ヒットも脚本の坂元裕二氏への“複雑な胸中”明かす「悔しい気持ちもなくはない」

是枝裕和監督が19日、都内で行われた映画『怪物』の 大ヒット御礼舞台あいさつに安藤サクラ、永山瑛太とともに登壇した。脚本家の坂元裕二氏が手がけた本作の脚本に絡めて「『もう自分で脚本書かないほうがいいんじゃないか』と言われた」などと明かした。

舞台あいさつに登壇した是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登壇した是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】

安藤サクラ、永山瑛太とともに舞台あいさつ登壇

 是枝裕和監督が19日、都内で行われた映画『怪物』の 大ヒット御礼舞台あいさつに安藤サクラ、永山瑛太とともに登壇した。脚本家の坂元裕二氏が手がけた本作の脚本に絡めて「『もう自分で脚本書かないほうがいいんじゃないか』と言われた」などと明かした。

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 是枝監督は「周りにけっこう若い監督たちが、仲間として同じ空間にいる。彼らに『いつもより演出に迷いがない』『編集のキレがいい』『もう自分で脚本書かないほうがいいんじゃないか』と言われた。熱い……温かいメッセージをいただいています」と話し、会場の笑いを誘う一幕も。

 安藤から「それを聞くと、どんな気持ちになるんですか?」と問われて是枝監督は「悔しい気持ちもなくはない。いやいや、坂元さんとやったことを自分で吸収して、次は自分で無駄のない脚本を書こうという気持ちに、今はなっている。でも自分で見ていても『あ、いい編集をしているな』と今回は思っていた。嬉しいっちゃ嬉しい」とほほ笑んだ。

 観客動員数90万人、興行収入12.3億円を突破した本作(6月19日現在)。シリアスなテーマを扱った作品としては、異例のヒットを記録し、動員100万人超えも視野に入れている。

 同作は、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールを獲得した是枝監督、映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』などの脚本を手がけた坂元裕二氏、そして音楽の坂本龍一氏と映画界のレジェンドたちが集結。大きな湖がある郊外の町を舞台に、息子を愛するシングルマザー、生徒思いの教師、無邪気な子どもたち、さまざまな登場人物の食い違う主張が社会やメディアを巻き込み、大事になっていく……というストーリーが展開される。主演は安藤、永山、黒川想矢、柊木陽太の4人。また、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて脚本賞を受賞している。

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