長州力、運転免許は“失効”していた 返納報道も「あれはオチがある」 驚きの真相、愛車遍歴も語る

元プロレスラーの長州力が自動車免許を返納したとして話題になった。5月に出席したイベントで免許について、「返納でしょう、もう!」とコメント。71歳という年齢からすれば、タイミングも腑に落ちるが、改めて長州を取材すると、実は何十年も車を運転しておらず、免許は盗まれて“失効”していたことが分かった。いったいどういうことなのか? 「日本で車を運転したのは3回だけ」と都市伝説のようなうわさもささやかれる、長州の知られざるカーライフに迫った。

長州力【写真:ENCOUNT編集部】
長州力【写真:ENCOUNT編集部】

日本で車を運転したのは3回だけ?

 元プロレスラーの長州力が自動車免許を返納したとして話題になった。5月に出席したイベントで免許について、「返納でしょう、もう!」とコメント。71歳という年齢からすれば、タイミングも腑に落ちるが、改めて長州を取材すると、実は何十年も車を運転しておらず、免許は盗まれて“失効”していたことが分かった。いったいどういうことなのか? 「日本で車を運転したのは3回だけ」と都市伝説のようなうわさもささやかれる、長州の知られざるカーライフに迫った。(取材・文=水沼一夫)

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 長州はイベントで「オレも高齢者の部類」と発言。これが、“免許返納を告白”と受け取られ、ニュースになった。

 ところが、長州に改めて取材すると、意外な答えが返ってきた。

「もうあれ、ずいぶん前だぞ。あれはオチがある」

 どういうことなのだろうか。

 そもそも一つの疑問がある。長州は自動車免許を所有しているのか、ということだ。長州を取材して20年になるが、長州が自ら車を運転している姿を見たことがない。道場で汗を流すときも移動はタクシー。他のレスラーのように自家用車で乗りつけたということはなかった。

 長州に免許について聞くと、「あれは買ってきた。メキシコで2000円で買った」と言い、記憶を昭和にさかのぼらせた。

 長州がメキシコ遠征に出発したのは1982年。30歳のときだ。メキシコは日本と免許の交付方法が異なり、当時は教習所で訓練を受けずとも、必要な金額を払えば購入することができた。「オレ、バイクまで買ったんだもん。一番でかいやつ乗れる」と、大型二輪の免許まで取得。同時代にメキシコに遠征していたレスラーはみな、同様の方法で免許を手に入れていたという。

 数か月後、帰国した長州は東京・鮫洲運転免許試験場で、正規に切り替えの手続きを済ませた。

「帰って来て、アウディとか乗って、高速をバーンと走ったり、目黒をガーッて。高速はうまいもんだよ」

 そんな長州に、“アクシデント”が起こる。84年に旗揚げしたジャパンプロレス時代のことだ。

「帰国から何年かたって、現役バリバリやっているときに、大阪のホテルで財布をホテルの電話ボックスの上に置いて電話してそのままバスに乗っていっちゃった。あ、やばいと思って、フロントにすぐ電話したらもうなかった。免許証もお金も全部入っていた」

 以来、長州は免許の再交付を受けておらず、車の運転とは無縁になった。実に約35年前のことになる。

「だからもうそれは(免許返納と)同じようなもんだなと思って。だから、返納だっていうこと言って。流れで。それで言っただけであって」

 あのとき、ホテルに財布を忘れなかったら、どうなっていたのだろうか。

 メキシコから帰国した当時、新日本プロレスの道場には合同練習が始まるや、トップレスラーたちが運転する高級車が所狭しと集まっていた。

「あの道に3台も4台もロングでさ。会長(アントニオ猪木)の車がキャデラックのリムジン。坂口(征二)さんがキャデラックの白、(山本)小鉄さんは真っ赤なキャデラックで」

 長州は自身もアウディやBMW、ジャガーと外国車を乗り継いだ。免許を保有し、ハンドルを握っていた時期は確かにあった。

 とはいえ、車そのものには、「あんまり興味ないんだよ」が本音だ。車に強くこだわっていたわけではなかった。現役時代、移動は巡業バスが中心。夜は飲みに行く機会も多かった。免許がなくても、困ることはなかった。

 引退後の現在も、移住した熱海を拠点に、生活をマイペースに楽しんでいる。車がないことに不自由はしていない。

「免許を持っていたら、もっと早く返納しただろうね。60ぐらいで」と、長州は締めくくった。

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