「死ぬまでに1度はオープンカー」でたどりついたのは光岡自動車 “車に興味ない”が一変
「なかなか情報が見つからない。ならば、自分で作っちゃおう」。愛車へのアツい思いから、オーナーズクラブを立ち上げた男性がいる。光岡自動車愛好会「結」の代表を務める本間忍さん(41)だ。モヒカンのヘアスタイルが印象的な本間さんの愛車物語とは。
2シーターのオープン仕様 マツダ・ロードスターがベースの個性派
「なかなか情報が見つからない。ならば、自分で作っちゃおう」。愛車へのアツい思いから、オーナーズクラブを立ち上げた男性がいる。光岡自動車愛好会「結」の代表を務める本間忍さん(41)だ。モヒカンのヘアスタイルが印象的な本間さんの愛車物語とは。
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1968年に創業した光岡自動車は富山市に本社を置き、個性派のオリジナルカーの販売でも知られている。本間さんの愛車は、2009年式の真っ白な「ヒミコ」だ。マツダ・ロードスターがベースで、インパクト抜群のデザインだ。
ドラマー活動のため、もともとは軽バンに乗っていた。機材の運搬・生活の足の用途で自動車は乗り物としか考えておらず、「ヒミコに出会うまで、車に一切、興味がなかった」。
ただ、「死ぬまでに1度はオープンカーに乗りたいな」と思っており、ネット検索して探していた。軽オープンカーのコペンは中古でも値段が高かった。範囲を広げて探していたところ、たまたま目に入ったのが、ヒミコだった。
「なんだこれは?」。
2シーターのオープン仕様。「この見た目でオープンカーは最高じゃん! と思いました。実物を見た瞬間に書類にサインしていました(笑)。中古でも予算はすごい上回りましたが、一目ぼれでした。ほれちゃいました」。
2020年11月に購入。人生で初めて、デザインが気に入って自分が欲しいと思って手に入れた、まさに“愛車”だった。
光岡自動車のお気に入りポイントはたくさんある。「外国の車のように、クラシックカーのように目立つけど、最近の車で中身は最新、そして日本車」。
ヒミコに関しては、「もともとロードスターは乗りやすさ重視で、人馬一体がキャッチフレーズだと思うのですが、ヒミコはそれを崩している(笑)。でも、見た目ほどはステアリングを含めて乗りづらくはないですよ。本来のロードスターより、前に70センチ出ているんです。ロングノーズです。でも、お尻が好きです(笑)、後ろから見ると、『雪見だいふく』に見えるんです(笑)」
それに、「光岡自動車は全部ハンドメード。左右非対称のデザインで、手作り感がいいんです」。文字通りのベタぼれだ。
一方で、修理やカスタムの情報がなかなかネットで出てこない。パーツについて分からないことも多かった。
そこで、昨年5月に、LINEのオープンチャットで光岡自動車のオーナー向けのチャットを開始。オーナーズクラブ結成となった。
現在は全国で約50人のメンバーが在籍。「クルマを並べたいね」という話になり、1周年となる今年5月には静岡県で26台を集めるカーイベントを開催。機運を高めている。
本間さんは光岡自動車のオーナーたちを、愛情を込めてユーモラスに表現。「いい意味で偏屈な人が多くて、みんな自分のことを変人だと思っていて、変態と呼ばれるとうれしいみたいな(笑)。そんな人が多いですね」。
本間さんのオーナーズクラブは、修理や部品の情報交換に気軽に応じているといい、「自分もそうでしたが、修理費はいくらなのかといった不安を抱えている方に向けての『悩み相談の場』として使ってもらいたいです。それに、ウチのチャットは何でもありのチャットなんですよ。毎日の会話は食事のことや他愛のない会話も多いです(笑)」。和気あいあいと交流しているという。
愛車との出会いで、人生観が変わった。クルマにこだわり、愛でる楽しさを知った。「カスタムは完璧に終わっているクルマなので、あとはどれだけきれいに乗って、残せるか」。本間さんのカーライフはさらなる輝きを増しそうだ。