中川大志、スナック通いで覚えた昭和の名曲 念願の初座長「昭和スターを演じ切る」

俳優の中川大志(24)が11月、10代の頃からの夢だった舞台に挑戦する。ウィリアム・シェイクスピアがダーク・ヒーローを描いた人気作「リチャード三世」をベースにした音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」の脚本は、中川のために書き下ろされたもの。昭和の歌謡界で輝くスターを演じるため、1年半ほど前からボイストレーニングを実施。念願の座長公演に向け、気合いをみなぎらせている。

中川大志が座長で迎える初の舞台に意気込み【写真:ENCOUNT編集部】
中川大志が座長で迎える初の舞台に意気込み【写真:ENCOUNT編集部】

3歳で知った舞台に立つ喜び「鮮明に覚えていました」

 俳優の中川大志(24)が11月、10代の頃からの夢だった舞台に挑戦する。ウィリアム・シェイクスピアがダーク・ヒーローを描いた人気作「リチャード三世」をベースにした音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」の脚本は、中川のために書き下ろされたもの。昭和の歌謡界で輝くスターを演じるため、1年半ほど前からボイストレーニングを実施。念願の座長公演に向け、気合いをみなぎらせている。(取材・文=西村綾乃)

 アイドルや演歌歌手など、スターたちがスポットライトを浴びて輝いた時代。平成10年に生まれた中川にとっては“親世代”の話と思いきや、「実は昭和の音楽が大好き」と意外な答えが返ってきた。

「昭和歌謡と聞いて思い浮かぶのは、井上陽水さん、山口百恵さん。後はテレサ・テンさんとか。挙げ出すときりがないですね。以前は、繁華街から離れたスナックに行くこともありました。カウンターの席で横にいる知らないおじさんやおばさんが、カラオケで歌っているのを聴いて覚えたのが、昭和の名曲でした」

 物語ではみにくい風ぼうと不遇な宿命を背負った男と、変身して昭和歌謡界の新星となる主人公を演じる。

「今作は音楽劇。台本が上がる1年半ほど前から、ボイストレーニングを始めました。昭和歌謡に欠かせない生バンドの演奏に合わせて歌うことも、舞台でお芝居をすることも初めて。週に9回舞台に立つ日もあり、すごくヘビーな日々が待っていると思います。正直、自分の身体が全48公演を乗り切れるのか。経験がないことなので読めません。いまは基礎的な呼吸や発声など、普段使わない身体の筋肉を使えるようにトレーニングしています。身体が楽器だとしたら、楽器の強度を高めていくような。気持ちがあっても、身体が付いていかないことが1番悔しいので、気持ちと共に体力、筋力をつけていくところを徹底的にやって行きたいです」

 舞台に立つことは10代の頃からの夢だったと胸を高鳴らせている。

「この世界に入る前。3歳のときにダンスを初めていたので、幼い頃から年に2~3回舞台に立つ機会がありました。幼いながらに照明を浴びて、お客さんから拍手をもらう喜びを鮮明に覚えていました。ずっと自分の中に残っていた情景だったので、24歳で初舞台を踏めることに感謝しています。演劇の先輩方からは『やるんだったら、早くやった方が良いよ』と言われていたので、このような機会をいただくことができて、とてもうれしいです。自分の名前がタイトルにもなっているのは、照れくさいですけれど、全力で挑みたいです」

 タイトルに名前が入っている通り、中川へ当て書きされた今作。作・演出はコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」でもタッグを組み、中川を知り尽くした倉持裕が手がける。

「たくさんのヒット曲が生まれた昭和は、エネルギッシュな時代という印象があります。音楽はもちろん、ファッションの中にもいまとは違う鮮やかさがあって、新鮮に感じます。華やかな中に、残酷で血なまぐさい部分もある脚本は、エネルギーに満ちています。劇中で復讐(ふくしゅう)する相手を、見ているお客さんにも『憎い』と思ってもらえればもらえるほど、より楽しんでいただけるのかなと思います」

 舞台は東京公演が11月6日から30日まで、明治座。福岡公演は12月8日から12日まで、キャナルシティ劇場。大阪公演は12月12日から25日に、新歌舞伎座で上演される。

□中川大志(なかがわ・たいし)1998年6月14日、東京都生まれ。3歳のときに始めたジャズダンスでステージを経験。小学校4年生のときに東京・原宿でスカウトされ、2009年に俳優デビュー。11年に放送されたドラマ「家政婦のミタ」で一家の長男を演じ、注目を集めた。NHK大河ドラマ「真田丸」(16年)ドラマ「花のち晴れ~花男Next Season~」(18年)、「オールドルーキー」(22年)など話題作に出演。映画「坂道のアポロン」、「覚悟はいいかそこの女子。」(ともに18年公開)で見せた演技が評価され、「第42回日本アカデミー賞」で新人俳優賞を獲得した。12月23日には映画「ブラックナイトパレード」が公開。2023年には映画「スクロール」の公開も控えている。

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