愛車レクサス盗難も犯人を追跡→100キロ離れた場所で発見 警察も驚いたオーナーの“秘策”
自動車の盗難はどうやって防いだらいいのか? 悪質な犯罪に連日ドライバーの悲鳴が上がる中、高級車レクサスを納車後わずか1か月で盗難されながら無事に取り戻したことが話題になった人物がいる。関東近郊に住む20代のブッタさん(@789789789ab)だ。盗難直後から警察と連絡を取り合い、わずか5時間後に、100キロ離れた場所で愛車を発見。自走にかかわるような大きな被害もなかった。いったい、どのように盗難を防いだのだろうか。
盗難対策が効果 「焦ってはいなかったですね」深夜に犯人追走
自動車の盗難はどうやって防いだらいいのか? 悪質な犯罪に連日ドライバーの悲鳴が上がる中、高級車レクサスを納車後わずか1か月で盗難されながら無事に取り戻したことが話題になった人物がいる。関東近郊に住む20代のブッタさん(@789789789ab)だ。盗難直後から警察と連絡を取り合い、わずか5時間後に、100キロ離れた場所で愛車を発見。自走にかかわるような大きな被害もなかった。いったい、どのように盗難を防いだのだろうか。
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納車後たった1か月で盗難――。こんな体験をしたら誰もが動揺するに違いない。しかし、ブッタさんは「焦ってはいなかったですね」。盗難直後から、警察と連携して愛車の行方を追い、5時間後に取り戻した。
愛車は2017年式のレクサスLC500 Sパッケージ。新車の販売価格は1500万円という高級車だ。「もともとレクサスを何台も乗り継いでいました。今しか乗れない車じゃないですか。ハイブリッドだ、電気自動車だという中で、5リッターのV8エンジンなんてなかなか出てくるものじゃない。実際乗ってみると、やっぱり楽しいですね」と愛着は深い。
納車されたのは8月6日。盗難されたのは、その1か月後の9月6日午後9~10時ごろだった。自宅で異変に気付いたのは10時半ごろ、手元のスマホにGPSの反応があったことがきっかけだった。ブッタさんはレクサスの純正GPSに加え、トヨタ社以外の移動検知式のGPSとエアタグを盗難対策に使用していた。
警察に通報したのは、なんと駐車場に行く前。その後、自らも駐車場に行き、車がないことを確認した。現場に残っていたのは、プラスチック片だけ。窓ガラスも割られておらず、状況証拠から「CAN(キャン)インベーダー」という手法で盗難された。だが、そんな危機的状況にもブッタさんの心が乱れることはなかったという。「鑑識をしている間に、GPSとエアタグで位置情報をだいたい拾えていました。『あ、動いてる、動いてる』と言いながら警察とだべっていました。見つかるべーと思っていたので焦ってはいなかったですよね」
慌てず、位置情報を追いかけていると、レクサスは自宅から約100キロ離れた千葉・野田市内で停止した。病院の駐車場で、一定時間動かない。
「僕が『病院に止まっていますよ! 行けますか!?』と伝えたら、刑事さんが管轄の人に連絡してくれて、『見つかりました!』と言われて、じゃあ行きますかと」。盗難からわずか5時間後のスピード決着だった。
深夜2時すぎに現場に着き、警察の現場検証が始まった。
「見つかったときは外側に目立った傷はなくて、中はドライブレコーダーとETCカードとクッションがなくなっていたくらい。ナンバープレートは取られていましたが、自走できる状態でした」。窃盗犯はGPSで追われている可能性をあらかじめ考慮していた可能性があった。「窃盗犯も僕みたいにGPSを入れているかどうか分からないから1回寝かせて、そこから持っていくつもりだったのでしょう」と、ブッタさんは指摘した。
ガレージの隙を突いた犯人 「盗まれることはないと正直タカをくくっていた」
現場検証は朝まで続いた。警察には手持ちの社外GPSとエアタグについて、10分置きに愛車の位置が分かる仕組みなどを伝えた。エアタグ自体を知らない警察官もおり、「こういうのがあるんですね」と興味を示していたという。
今回効力を発揮した社外GPSとエアタグとは、どのような仕組みなのか。
社外GPSは1万円前後の購入費と月会費がかかる。エアタグはアイフォーン利用者向けに、アップルが発売。価格は4780円で、円形の小型機器を取りつけるものだ。「エアタグは車の中にぽいっと入れておくだけ。社外GPSも難しいことは何もないです」と基本的に大きな手間はかからない。
一方で、役に立たなかったのはレクサスの純正GPSだったという。「レクサスはアプリで位置を確認できるんですよ。盗難されて、オーナーズデスクに『位置情報を拾ってください』と連絡したら、純正GPSでは車の位置を特定できなかった。自宅の駐車場が最後の記録ポイントになっていました。窃盗犯がGPSを切れるのか、CANインベーダーでつなぐと無効化できるのか分からないですけど、使い物にならなかったです」
犯人は捕まっておらず、まだ事件は解決していない。再び愛車を走らせるブッタさんが今、思うのがセキュリティーの大切さだ。
「よく盗んだほうが100悪いと言われますけど、何も対策してないで盗まれてわーわー騒いでも僕としては恥ずかしいなと思う。特にスポーツカーとか旧車の盗難が多いじゃないですか。昨今そういう世の中になっている。僕も10万円くらいするセキュリティーを入れておけば一番よかったんでしょうけど、それをしなくて盗まれているので、人のことを言えるかといったら微妙。でも、少しでも対策をしているだけで、こうやって見つかって返って来ています」
自身の反省点としては駐車場を挙げた。自宅の駐車場はガレージ併設の平置きで、屋根はなかったものの、防犯カメラは充実しており、ブッタさんも安心していたという。「敷地内に入ってさらに通路があって駐車場なので、なかなか見つけにくい。ガレージはいっぱいでキャンセル待ちの状態というのもありましたが、カラーも黄色で目立つ車なので、盗まれることはないだろうとタカをくくっていた部分は正直ありましたね」
社外GPSとエアタグの弱点とは? 「窃盗犯もどんどんアップデートされていく」
しかし、犯人は堂々と隙を突いてきた。ブッタさんは「逆に盗難するには死角になるからいいかもしれない」と思い直し、「ハンドルロックやタイヤロックもしていなかった。うかつでした。失敗と言えば、失敗。ガレージにぶち込むしかない」と受け止めている。
社外GPSとエアタグにも弱点はあり、「GPSを外されて誰かの車につけられていたら見つからない。エアタグは第三者のアイフォーンの電波を受信することによってだいたいの位置情報が分かるシロモノなので、山奥を走られたり、コンクリートの建物の中に入れられたり、電波が受信できないようなところに持っていかれてしまうと全然意味をなさない。エアタグはお守り程度に考えないと……」と訴えた。
ブッタさんは一連の騒動と盗難対策をネット上に公開。盗難が多発するご時世だけに、「これは役に立つ情報」「やっぱエアタグ有用なんですね」「私も来月LC納車予定なので、Airtag仕込む等対策したいと思います」「自分もLCに乗っているので、AirTag車内に置いてます。ただ、AirTagが有用なのが知れると窃盗団に対策されてしまわないか心配になり、難しいところだなぁと思っています」「CANインベーダーされた時点で、GPSは追尾不能になるのでしょうね」など大きな反響があった。
それでも対策に完璧はないと主張する。
「窃盗犯もどんどんアップデートされていく。セキュリティーもイタチごっこなので、定期的なセキュリティーのアップデートはしないといけないのかなと思います」と、実感を込めて結んだ。