10代のカリスマ・ひかりんちょが語る誹謗中傷との向き合い方 「今は本当にメンタル最強」

SNS総フォロワー数160万人超で、「10代を代表する代弁者」と呼ばれる女性タレント・ひかりんちょ(19)が存在感を高めている。SNSを通してティーンの数々の悩み相談にも応じており、10代の“駆け込み寺”としても活躍を見せているのだ。最近はバラエティー番組にも着実に“進出”。ネット時代に自分らしく生きる注目人物の素顔とは。

ひかりんちょは10代の“駆け込み寺”としても活躍をみせている【写真:ENCOUNT編集部】
ひかりんちょは10代の“駆け込み寺”としても活躍をみせている【写真:ENCOUNT編集部】

若い女性から絶大支持 「さんま御殿」で明石家さんまと2度目の共演

 SNS総フォロワー数160万人超で、「10代を代表する代弁者」と呼ばれる女性タレント・ひかりんちょ(19)が存在感を高めている。SNSを通してティーンの数々の悩み相談にも応じており、10代の“駆け込み寺”としても活躍を見せているのだ。最近はバラエティー番組にも着実に“進出”。ネット時代に自分らしく生きる注目人物の素顔とは。(取材・文=吉原知也)

 ブラジル人の父と日本人の母の間で生まれ、現在は義父と実母と暮らしている。中学時代は不登校や母親への反抗期で大きな悩みを抱えた。中2で本格的にSNS投稿を始め、SNSで「居場所を見つけた」。当時の所属事務所からDMでスカウトを受け、芸能界の道へ。16歳の時に、周りに流されずに生きるスタイルをつづった初のエッセー本を出版。親世代や教育関係者の反響を呼び、10代の悩みを取り上げるNHKの福祉番組出演やEテレ番組のMCを務めるまでになった。日本に住む10代後半から20代前半の女性フォロワーから強い支持を得ているという。

 そんな10代インフルエンサーが、芸能界の大ベテランで、屈指のトーク力を誇る明石家さんまの冠番組登場を果たした。共演自体は2回目で、18日放送の「踊る!さんま御殿!!」に初出演。「もう圧倒されました。いろいろなタイプのゲストの皆さんがいるのに、1つの話題から話の幅をたくさん広げて、1人ですべてをまとめていらっしゃって。さんまさんは楽しそうにしゃべっていらっしゃって、キラキラしているんです。私自身も緊張せずに楽しく話ができました。尊敬のひと言です」と感動の思いを口にした。「私は長時間座ったことがなくて、あんなに長く座ったのは、多分卒業式以来です」と言って笑う姿には、あどけなさが残る。

 思春期の10代は、友人関係、学校生活、性、そして「生きるのがつらい」といった多くの悩みを抱え、ネット社会でもがいている。SNSや番組を通して、数多くの“お悩み相談”に対してアドバイスを送ってきた。大事にしているのは、「共感」だ。「話を聞いてもらえることが一番だと思っています。まずは悩んでいる子の話をちゃんと聞いて、それを受け止めてあげることです。それに、『あなたは1人じゃないよ』ということは絶対に伝えています。悩みというものは人それぞれ重みや傷ついた部分が違うので、最終的には私だったらこうするということを話した上で、『無理しなくてもいいよ、一緒に頑張ろう』とメッセージを伝えるようにしています。私を選んでくれて、簡単なことではないのに悩みを打ち明けてくれる。その思いに応えたいという気持ちがあります」。しっかりした言葉遣いが頼もしい。

 ネットと共に人生を歩む中で、心ない書き込みや悪口、誹謗(ひぼう)中傷にも触れてきた。自身のツイッターで、「ネット上で誹謗中傷とかする人の事はネットヤンキーと呼びます」と表現したこともある。どう対処しているのか。「私は、今はもう本当にメンタル最強過ぎて、ネットヤンキーに何か言われても何も感じていません」という答えが返ってきた。耐性が付いたきっかけは、「みんなが好きでいる人は絶対にいない」ということを考えるようになったからだ。「全員が絶対に好きなものはない、私のことが嫌いな人もいる、それはしょうがないんだ、と。そんな考えを持っていると、自分のことについて何を言われても気にしなくなる方法としては有効かなと思います」。

Z世代の代表的存在として「見た目だけで判断してほしくありません」

 SNSで悪質な書き込みをする人については、本来はプラスに共感し合うツールであるはずなのに、「もったいないSNSの使い方をしていると思います。他人を悪く言うと自分がどんどんネガティブになって悪循環です」と指摘する。「あくまで私の考えですが、多分仕事とかのイライラを抱えた人がストレス発散で書いているのではないでしょうか。もしかしたら大人の人が多いのかな」。いわゆるアンチに対しては「アンチの人は一周回って私のことがめっちゃ好きなのかなと思う時があります。ファンの方や私ですら気付かないような細かいところを指摘するので、それだけ見てくれているのかなとも思っています」と語る。

 Z世代の代表的存在として、「見た目だけで判断してほしくありません。今のZ世代はすごくしっかりした考えを持っていて、ちゃんとした自分の意思を持っています。そんなところを見てほしいです。私自身、選挙や政治、世の中の仕組みで知らないことはまだまだあります。でも将来、自分がもし親になった時にそういったことをちゃんと教えられる人でありたいなと思っています」と力強い。

 芸能界を歩む上での今後は。「若者代表として番組に呼んでいただき、コメントをする機会が多いので、『若者はやっぱり人の話を聞かない』『なめている』と思われないように心がけています。出演時は、姿勢よく座ることを強く意識しています。それに、私自身、リアクションはあまり得意ではないのですが、話を聞く時に相槌を打ってしっかり反応するようにしています。あいさつもそうです。私のせいで、若者みんながダメだと思われないよう、気を付けています」と教えてくれた。

 さらなるバラエティー進出を夢見ており、「自分自身にあまりキャラがないのが、悩みなのか売りなのか、まだ分かっていないところがあって難しくはあるのですが、本当に自分の素がそのまんま出ちゃうんで(笑)。普段からもありのままの自然体でいるので、楽しく自分らしくいようと思っています」。それに知名度アップを望むのにも理由がある。「バラエティー番組でテレビに出ることで、私自身のことを知っていただき、誰かの力になれるようなメインの活動にも力を入れていきたいです」と実感を込める。

 もともとロングヘアに目立つインナーカラーを入れていた。昨年10月にショートにバッサリ。周囲にも好評で気に入っているが、1年がたち、「最近、ちょっとそろそろまたロングに、みたいな声がちらほら聞こえてきます。もしかしたらということも考えています」。魅力度がどんどん高まる、これからの進化が楽しみだ。

□ひかりんちょ 2003年7月14日、静岡県出身。4人きょうだいの一番上の長女で、小学3年のクリスマスにスマホを与えてもらい、小6でSNSを始め、中学2年から本格的に取り組む。エッセー「ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい」(KADOKAWA)など2冊刊行する傍ら、自動車メーカー「ダイハツ工業」など宣伝プロデュース業、日本最大級のファッションの祭典と名高い「TGC」参加など注目を集めている。

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