相葉裕樹、女性役で7cmのヒールも 「極限状態」の稽古を重ねて新たな一面を見つけ出す

若手実力派俳優の相葉裕樹(34)が今夏、2人で何役も演じるミュージカルコメディーに初挑戦する。7月28日に幕開けするミュージカル「ダブル・トラブル ~2022 夏 SeasonA~」に向け、稽古に熱が入る日々。2人で10役以上を演じる舞台では、作曲家のジミーを軸に、セクシーな女優、音響技師の老人など数役を演じ分けている。別の舞台の本番をこなしながら続ける稽古は「極限状態」と話すが、気鋭の演出家・ウォーリー木下とのタッグに「知らなかった自分の一面を見つけられそう」と予感している。

ミュージカル「ダブル・トラブル」でコメディーに初挑戦する相葉裕樹【写真:ENCOUNT編集部】
ミュージカル「ダブル・トラブル」でコメディーに初挑戦する相葉裕樹【写真:ENCOUNT編集部】

作曲家、女優など1人で数役を演じ分ける舞台 「18年のキャリアを注ぎたい

 若手実力派俳優の相葉裕樹(34)が今夏、2人で何役も演じるミュージカルコメディーに初挑戦する。7月28日に幕開けするミュージカル「ダブル・トラブル ~2022 夏 SeasonA~」に向け、稽古に熱が入る日々。2人で10役以上を演じる舞台では、作曲家のジミーを軸に、セクシーな女優、音響技師の老人など数役を演じ分けている。別の舞台の本番をこなしながら続ける稽古は「極限状態」と話すが、気鋭の演出家・ウォーリー木下とのタッグに「知らなかった自分の一面を見つけられそう」と予感している。(取材・文:西村綾乃)

軽トラからセンチュリー、バイクにバギー…大御所タレントの仰天愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

 同作はボブ&ジムのウォルトン兄弟が脚本・作詞・作曲を手掛けたミュージカルコメディー。ミュージカル映画の作曲を依頼されアメリカ・ハリウッドへやってきた作曲家の兄・ジミーと、作詞家の弟・ボビーの兄弟が、夢を掴むために奮闘する様子が描かれている。

「2人芝居は初めて。物語の中には10人以上のキャラクターが登場するので、ジミーを中心に、僕は美女のレベッカ、耳が遠い音響技師のビックスなどを演じます。それぞれの個性を出すために、早口で話すなど、細かい芸が必要だなと思いながら稽古をしています。歌ではラップが入って来たり、ダンスは傘を使ったものやタップダンスなど特殊で、覚えることが山のようにあり、時間が足りないなというのが正直なところです」

 ダブルキャストで臨む舞台では同じジミーをボーカルグループ「LE VELVETS」の日野真一郎(39)が担当。弟のボビーは俳優の浜中文一(34)と俳優の横山賀三(19)が務める。

「まだ10代の賀三くんはリアルな弟感があって、とてもかわいい。浜中くんはひょうひょうとした佇まいですが、存在感が凄くあって、演じる以前に持っている役者としての武器が違うなと感じました。自分の中に役を落とし込んで自由に動くことができるようになれば、4人が生み出す色も変わっていくと思います」

 演じるジミーは大ブレークを夢見て、タイトな時間の中で曲作りに専念。決死の覚悟を決めるが「(依頼者に)曲を気に入られなければクビ」と背水の陣で臨んでいる。

「今の僕は、ジミーと同じ極限状態。6月末まで(ミュージカル)『CROSS ROAD』で演じたニコロ・パガニーニに全力を注いでいました。実在の人を演じる難しさや、オリジナルミュージカルということもあり結構大変な作品でした。前作の千秋楽前辺りから、今作の稽古が始まって。今までは今回のようにカロリーが高い作品が重なることはなかったので、体力的にも全快に回復する前に稽古に入ったという感じです」

 全てがチャレンジという相葉。7月に入ってからは、役者の身体性を重視した演出を得意とする演出家・ウォーリー木下も加わり、さらに熱気が帯びてきた。

「女性役は初めてではないのですが、女性として歌うのは初めての経験。話し言葉と歌声のバランスが難しいですね。まだ動いていないですが、7センチほどのヒールも履きます。間違いなく演じたことがないキャラクターばかりなので、ウォーリーさんの1000本ノックを受けて、自分が知らなかった一面を見つけたい。幕開けまで3週間。本番まで間に、もっとできる」と引き締めた。

 2004年に映画で俳優としてのキャリアをスタート。一人で何役もこなす同ミュージカルには、ピアノ演奏やタップダンスなど、18年の活動で経験したことが、凝縮されている。

「ほかの舞台で経験したこと、培ってきたものが間違いなく助けになる作品と考えています。早着替えをこなしながら、ビックスになったり、ジミーに戻ったり。お客さまは観ていて楽しいと思います。僕はまだ必死ですけれど……。稽古場でできないことがあっても、最終的にステージに上がったときに、できればいいからと、自分を信じて稽古を続けたいです」

 銭湯めぐりや温泉が好きで、温泉ソムリエの資格も持つが、コロナ禍もあり最近は足を向けることが少なくなったと残念がる。

「最近の気分転換は朝の散歩。気に入っている散歩道に庭に犬を放している家があって、通ると近寄って来てくれるんです。大きなゴールデンレトリーバーなんですけど、柵越しに頭をポンポンとしながら、『おはよう』『どうしたの』と声を掛けています。いまはその時間が癒しです」

 同ミュージカルは、7月28日から8月14日まで、オルタナティブシアター(東京都千代田区)で上演される。

□相葉裕樹(あいば・ひろき)1987年10月1日、千葉県生まれ。2004 年映画デビュー。ミュージカル「テニスの王子様」(05~08年)で舞台での活動を開始。以降多くの作品で活躍している。主な出演作「レ・ミゼラブル」(17・19・21年)、「現代能楽集X『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より」(20年) 「ダンス オブ ヴァンパイア」(19年)など。『ディズニー ツイステッドワンダーランド』ヴィル・シェーンハイトのボイスキャストなど多方面に活躍中。趣味は銭湯めぐり。温泉ソムリエの資格も持っている。

次のページへ (2/2) 【写真】初の女性役として歌唱にも挑戦…相葉裕樹のアザーカット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください