UAが大切にする“気負わない”子育て 思春期の長女には「1人の女性として接します」

6年ぶりの新作「Are U Romantic?」をリリースしたUAは現在、カナダ南西部の小さな島で家族と暮らしている。移住から7年目を迎えた夫と3人の子どもの家族5人(長男の虹郎さんは日本で活躍中)の生活は、楽曲制作においても大きな影響を与えたという。そんな現在の環境について、また3人の子育てについて話を聞いた。

7年目となるカナダでの生活を語ったUA【写真:荒川祐史】
7年目となるカナダでの生活を語ったUA【写真:荒川祐史】

7年目を迎えたカナダでの生活を振り返る

 6年ぶりの新作「Are U Romantic?」をリリースしたUAは現在、カナダ南西部の小さな島で家族と暮らしている。移住から7年目を迎えた夫と3人の子どもの家族5人(長男の虹郎さんは日本で活躍中)の生活は、楽曲制作においても大きな影響を与えたという。そんな現在の環境について、また3人の子育てについて話を聞いた。(インタビュー・文=福嶋剛)

――カナダの小さな島に家族で移住というニュースを最初に聞いたときは、まるで無人島でゼロからの生活を始めるのかと思いました。

「そんな無人島みたいな島じゃないですよ(笑)。日本に例えると石垣島くらいの大きさの島です。カナダといっても私たちが住んでいる島はイメージほど寒くなくて、冬も最低がマイナス10度ぐらいなんです。だからむしろ東北の方が寒いと思う。夫の家族がカナダに所縁があるんですけど、義理の父親もそれこそ『北の国から』の五郎さんみたいな独自のセルフビルドをしてる方なんです。それを夫が受け継いでゼロから作っていくのが好きなんです」

――なぜカナダに住もうと思ったのでしょう?

「そもそもカナダはパートナーの母国だったというのもあるし、そこに対して家族は何ひとつ不安な要素はなくて。むしろこの島には芸術家がいっぱい住んでいるし、スタジオもいっぱいあるし、アーティストとしては絶好の場所なんです。また移民の土地なので、教育の過程でいろんな選択肢があって子どもたちが成長していく環境としても良いなと思ったからです。だから移住すると決めても子どもたちは『(前に)キャンプして楽しかったから平気』と言って、全然不安もなく生活できているんです」

――農的な暮らしとは具体的に?

「あくまで子どもたちの食育を目的にした暮らしなので、本格的な農業とか自給自足ではありません。ちょっと大きめの畑があって、自分たちで池を掘って、ニワトリやアヒル、ガチョウがいて卵を売ったり、鳥をさばくところもちゃんと子どもたちに見せてあげます。そんなふうにここでの生活すべてから一緒に学んでいます。個人的には井戸に憧れて井戸のある場所を選んだのですが、水位が変わってしまい水が出なくてちょっとショックでした」

――日本の生活と比べると大きな違いがありそうですね?

「とにかくカナダって移民の国だから古い歴史を持った日本の文化とははっきり違います。といっても島は田舎ではないので情報も取れますし、インターネットもあるので子たちはNetflixとかも見てますし。結構向こうにいても日本の情報をキャッチすることもできるんですよ。

 ほかに違いは……カナダにはお弁当は売ってない(笑)。みんなサンドイッチやりんごとバナナなどフルーツをカゴに入れて持っていくとか。でも、カリフォルニアロールみたいなお寿司はスーパーで必ず売ってるんです。ただし私たちが食べるとお菓子みたいに甘いので注意です(笑)」

――7年目ということですっかり落ち着きましたか?

「そうですね。農的な生活も7年たつと環境も整ってきたので、これ以上こだわるところはあんまりないので今は結構気楽に生活しています。子どもたちの教育は、2002年に『泥棒』というアルバムをリリースした頃に、シュタイナー教育のメソッドに出会ってからは今も子どもたちの軸になっています」

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