女性週刊誌ウェブ担当者の本音とは 「精度をより高める」責任感、PV数のストレスも

日々ニュースを追うメディアの中で、独自の存在感を放っているが、女性週刊誌だ。今年3月で創刊65周年を迎えた「週刊女性」(主婦と生活社)は、ネット時代に合わせて、同誌のニュースサイト「週刊女性PRIME」にも注力しているという。同誌副編集長でPRIMEのデスクを務める男性(43)に、ネット記事配信とサイト運営の実情を聞いた。

「週刊女性PRIME」デスク担当者に聞いた【写真:(C)主婦と生活社】
「週刊女性PRIME」デスク担当者に聞いた【写真:(C)主婦と生活社】

日本で最初に創刊され65周年を迎えた女性週刊誌「週刊女性」 PRIMEは会社を支える規模に

 日々ニュースを追うメディアの中で、独自の存在感を放っているが、女性週刊誌だ。今年3月で創刊65周年を迎えた「週刊女性」(主婦と生活社)は、ネット時代に合わせて、同誌のニュースサイト「週刊女性PRIME」にも注力しているという。同誌副編集長でPRIMEのデスクを務める男性(43)に、ネット記事配信とサイト運営の実情を聞いた。(取材・文=吉原知也)

 日本で最初に創刊された女性週刊誌である同誌。芸能スクープ、皇室や社会ニュース、暮らしに役立つ実用記事など幅広く網羅している。近年のメディア業界全体で見られる紙媒体の苦戦とネットの伸長は同社でも同様で、PRIMEの収益は会社を支える規模になっているという。

 2021年11月からPRIMEを受け持つ彼は、もともと同社で主婦向け雑誌の編集に従事していた。38歳で「週刊女性」本誌に異動し、グラビア以外のすべての班を経験。張り込み取材など泥臭い仕事も経験してきた。「料理本を作っていた“紙の人間”」が、180度違うネットニュースの世界へ。本誌社会班のデスクを兼任しており、編集部内における紙とウェブの壁をなくす「橋渡し役」も担っている。

 同誌の強みの1つが、ウェブと紙の編集部同士の協力体制だ。「本誌の毎週の企画会議に出席して、本誌のニュース担当のデスクと常にコミュニケーションを図っています。他社ではウェブと紙の編集部は仲が良くないみたいな話を聞いたりしますが、うちはセットで動いてます。会議のプランで上がった中で、『これはPRIMEで速報しよう』と決めた場合は、本誌の記者をPRIMEのために稼働させることが可能です」と説明する。

 PRIMEならではの配信コンテンツは「事件もののオリジナル記事を週3、4本出しています。女性週刊誌を読む女性ユーザーが気になることを意識して、わいせつ事件や女性が被害を受けた事件について、背景や犯人の人物像に迫る記事を出す。スピード感を持って対応しています」

「女性自身」(光文社)、「女性セブン」(小学館)を含めた女性週刊誌の大手3誌の中で、最古参である「週刊女性」の立ち位置はどうか。「“紙”では後塵を拝していますが、サイトのPV数は堅調に推移しており、量と質でも勝負できていると思っています」という。

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