大ヒット作「イカゲーム」EP6解説 ビー玉遊びは半端ない絶望感、黒幕の正体に重大ヒント

Netflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」が世界的な人気を集めている。9月17日に配信が開始されるとNetflix全米1位を獲得する快挙を達成。配信後ほぼ1か月で全世界1億4200万世帯が視聴し、94か国でランキング1位を記録するなどNetflix創業以来最大のヒット作となっている。画面の隅々まで行きわたっている伏線の“構成美”について解説するコラムシリーズ。今回は第6話(エピソード6)について紹介する。

「イカゲーム」の主人公ソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェ【写真:(C)Netflix】
「イカゲーム」の主人公ソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェ【写真:(C)Netflix】

ゲーム参加者は平等でチャンスも公平

 Netflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」が世界的な人気を集めている。9月17日に配信が開始されるとNetflix全米1位を獲得する快挙を達成。配信後ほぼ1か月で全世界1億4200万世帯が視聴し、94か国でランキング1位を記録するなどNetflix創業以来最大のヒット作となっている。画面の隅々まで行きわたっている伏線の“構成美”について解説するコラムシリーズ。今回は第6話(エピソード6)について紹介する。(文・構成=鄭孝俊)

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

「イカゲーム」第6話のタイトルは「カンブ」。韓国語でめんこやビー玉を共有する友だち、仲間を意味する言葉だ。イカゲーム全9話中、最も“しんどい回”としてネットで話題となっている。綱引きゲームで生き残ったのは40人。運営側から命じられ移動を開始すると、階段には遺体の臓器売買に手を染めた赤い服の運営係と医者(111番)の遺体が天井から吊り下げられていた。これでゲーム参加者は39人に減った。

 運営側は「私欲のためにルールを破りこの世界の純粋な理念を汚した者たちの末路です。ここでは皆が平等でありチャンスも公平に授かるべきなのです。2度と繰り返さぬことを約束しこの不幸な事態に対して心から謝罪いたします」とアナウンスする。

一部運営チームが臓器売買の副業

 現実社会の不平等に苦しんできた参加者が、ゲーム会場では平等に戦うチャンスを与えられている、というのが残忍なゲームを実行しているフロントマンの言い分だ。遺体から臓器を取り出すことで一部運営チームの副業に協力し、見返りとして次のゲーム内容を聞き出していた医者は「純粋な理念」を汚したため罰を受けたのだ。

 となると、前回の「綱引きゲーム」の際、医者からゲーム内容を知らされ力の強い男ばかりを集めた乱暴者のドクス(101番)も罰を受けねばならない。ドクスにミニョ(212番)が「青ざめちゃって。頼みの綱が切れた?」と話しかける場面があるが、これは「綱引き」にかけた言葉となっていてクスッと笑ってしまう(※日本語字幕による)。

 さて、新たなゲームは2人1組で行うことがアナウンスされ、10分以内にペアを組むよう命じられる。ネットで注目されているのは、通称おじいさんことオ・イルナムがギフンに近づき「001番」の上着を渡す場面だ。イルナムは「これを着ていけ。上着がないと周りから甘く見られてしまう」と話しかけ、次の場面では「001番」の上着を着ているギフンの姿が映る。

 ギフンはサッカーをしていた元数学教員の男からペアの誘いを受けるが、ポツンと座っているイルナムが気になり最終的にイルナムを選んだ。これまでの伏線からイルナムの正体が薄々分かってきた視聴者は「『001』の上着は運営がギフンを殺さないようにするためにイルナムが仕込んだ目印」などとネットで指摘している。

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