【気になる人】50億円の借金、懲役370年求刑の村西とおるAV監督が語る地獄から這い上がる原動力とは

Netflixで世界に配信された山田孝之(37)主演のドラマ「全裸監督」「全裸監督2」。そのモデルとなったAV(アダルトビデオ)監督の村西とおるさんは、米国でAVを撮影して逮捕され、懲役370年を求刑されたり、事業に失敗して50億円の借金をしたり、心臓の奇病で死を宣告されたりと、地獄を何度も見たにもかかわらず、くじけることなく、73歳の今も意気軒昂、元気にAV作品を撮り続け、9月には人生相談の本も出版した。どん底から何度も這い上がる原動力はいったいどこにあるのか、村西監督に聞いた。

数々の逆境を乗り越えてきた村西とおる監督【写真:坂本俊夫】
数々の逆境を乗り越えてきた村西とおる監督【写真:坂本俊夫】

辛抱していれば光が射してくる

 Netflixで世界に配信された山田孝之(37)主演のドラマ「全裸監督」「全裸監督2」。そのモデルとなったAV(アダルトビデオ)監督の村西とおるさんは、米国でAVを撮影して逮捕され、懲役370年を求刑されたり、事業に失敗して50億円の借金をしたり、心臓の奇病で死を宣告されたりと、地獄を何度も見たにもかかわらず、くじけることなく、73歳の今も意気軒昂、元気にAV作品を撮り続け、9月には人生相談の本も出版した。どん底から何度も這い上がる原動力はいったいどこにあるのか、村西監督に聞いた。(取材・構成=坂本俊夫)

 年商100億円を稼ぎ、10億円の豪邸を建てたり、1億円のロールスロイス、20億円のヘリポート付きのクルーザーを購入したりと、これ以上ないくらいの栄耀栄華を味わいました。一方で、いろいろ地獄も見ましたよ。米国でFBIに逮捕され、懲役370年を求刑された時は、いっそ死刑囚になりたいとさえ思いました。半年後に保釈金などで1億円を使い、日本に戻ることができましたが。

 事業で失敗し50億円の借金をしたことも。普通なら逃げてしまうかもしれませんが、幸か不幸か、私は逃げるわけにはいきませんでした。逃げてしまうと保証人になってくれた友人を破産の目にあわせてしまう、プライベートでも親しくしていた友人とその家族を路頭に迷わせ地獄の淵に追いやるわけにはいかない、その一点が自分を支えたのです。責任感があってというばかりではない。そういう人がいなかったらとんずらしていたかもしれない。でも、とにかく踏ん張りました。

 今、逆境の中、身もだえして苦しんでいる方もいるでしょう。そんな方には私の好きな言葉をお贈りします。「どんな苦しみだって耐えられる。過ぎ去ってしまえば、すべて思い出になるから」。これですよ。首をくくりたいような目に合っても今日まで生き延びてきた私の経験から言えることです。人生、いいことが半分、悪いことが半分。悪いことが続けば必ずいいことが来る。だから、早まったことなどしなくていいんです。

 25万人に1人という心臓の奇病にかかり、医師から1週間以内に死ぬ確率は100%、手術しても生還率は50%と宣言をされました。めげましたよ。でも、そこで歯を食いしばって辛抱して辛抱して、なんとかやり過ごしていると光が射してくるもんです。

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