射駒タケシ、衰退するパチンコ業界に本音「よくなる未来が正直見えない」 居酒屋経営との“二刀流”の今
関西から上京後、パチンコ店の常連客から紹介される形でパチスロライターへと転身した射駒タケシ。原作を担当した漫画も「どうせ、すぐ終わる」と考えていたが、人気が出たことで「マジでやろう」と次第にスイッチが入っていった。誌面のみならず、番組出演、来店業務など第一線を走り続けて約30年。今回はベテランライターが感じる、パチンコ・パチスロの現状について聞いた。

現在は大久保でイタリアン酒場とみゑとライターの“二刀流”
関西から上京後、パチンコ店の常連客から紹介される形でパチスロライターへと転身した射駒タケシ。原作を担当した漫画も「どうせ、すぐ終わる」と考えていたが、人気が出たことで「マジでやろう」と次第にスイッチが入っていった。誌面のみならず、番組出演、来店業務など第一線を走り続けて約30年。今回はベテランライターが感じる、パチンコ・パチスロの現状について聞いた。(取材・文=濱マモル)
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「ライターというより、演者さんという人の方が圧倒的に今は多いし。そっちが支持される時代なんで。それはそれで全然、いいと思うし、面白い時代になったな……と思う。雑誌が、紙が売れなくなったいうのは、しょうがないとはいえ、寂しい気持ちはあるかな」
かつては『パチスロ必勝本』(辰巳出版)、『パチスロ必勝ガイド』(ガイドワークス)、『パチスロ攻略マガジン』(プラントピア)の3誌で競い合っていたが、現在、『パチスロ攻略マガジン』はウェブサイトに移行。『パチスロ必勝本』も定期刊行物は月1冊に縮小され、年内での月刊発行終了も決まった。
「ウェブサイトとYouTubeサイトもやってるし。そっちメインになっちゃった。時代がデジタルになってるから、紙が人気ないのは当たり前なんよね」
2018年、国家公安委員会は風適法の規則を改定。パチンコ・パチスロともに、初めこそ射幸性は抑えられたものの、今では一撃性を秘めたマシンが乱立する。
「パチンコはエグいな。結局さ、昔から見てたら『規制入ります。厳しくなります』っていっても、最初の2~3年やん? そこから激しくなって『はい、やりすぎな。お前ら』って厳しくなって、またお客さんが飛ぶ。もう、繰り返されてるから。どうせ、また規制が入るんやろうなって思ってる。俺は入った方がいいと思うし。今のパチスロは5万円入れてスタート……みたいな。変な時代よね」
射駒タケシは22年12月、東京・大久保でイタリアン酒場とみゑをオープン。そこで、パチンコ・パチスロファンの生の声を聞くことも多いという。
「『今はあんまり打ってない』って言う人、めっちゃ多い。『もう打てない。やってられへん』って。キツいと思う、今は本当に。俺も、お店やるようになって、プライベートで打ってる時間がなくなっちゃった。打ちに行っても『あぁ仕込み行かな』ってなっちゃうから、AT機は打てない。『じゃあ、BT機で何となく打つか』ってサンダー(『スマスロ サンダーV』)とか打っても全然、当たらへん。腹立つねんな、マジで当たらん。好きでよく打つけど、こんなに当たらんかねって思う。面白いねんけどな」
BT機とは「ボーナストリガー機」の略称で、2024年8月に業界団体が発表した新たなゲーム性。ノーマル機、ATの中間的な位置づけで、現在、BT機の設置比率は3%ほどだが、27年6月までに10%への引き上げを目指しているそうだ。
「俺は、もちろん有利区間はなくしてほしいし。コンプリート機能もなくしてほしいけど、たぶん、それはなくならない気がする。それなら、コンプリート機能を1万枚にしてほしいよね。1万9000枚なんていらんし。その足かせで上位AT特化みたいになってるのはキツい。だから、上位ATをなくしてほしい。結局、有利区間を切るゲームになってるし。パチスロの設定と関係ないところで、『あぁ、もうすぐ有利区間切れる』とか。なんか、ちょっと違うんじゃないかな」
衰退するパチンコ業界に本音「よくなっていく未来は正直な話、見えない」
パチスロは5.9号機から「有利区間」が設けられた。有利区間とはATやARTといった指示機能に関わる抽選を受けられる区間。この有利区間には「消化ゲーム数」「獲得枚数」と2つの上限があり、前者は5.9号機や6号機初期、「1500G消化」が上限だったが、スマスロは「無制限」に緩和された。
一方、後者は6号機初期の「2400枚」から「1有利区間内での差枚数2400枚」に変化。昨今のスマスロは、この有利区間が切れることで大量出玉が狙える上位AT突入のチャンスを迎えるマシンが主流だ。
「難しいやろうね、今のパチンコは。パチスロみたいな上位特化じゃないけどさ、激しいじゃない? 結局、激しいからパチンコ屋さんも怖くて甘くできない。『こんな台打てるか!』って客が飛ぶ。めちゃくちゃ悪循環。よくない」
SNS上では「交換率を下げるべき」との論争もあった。
「俺はどんな意見があってもいいと思うし、素人がそんなどうのこうの言ってもね。俺は交換率の問題じゃないと思うよね、そもそもの話。そんなことよりパチンコの399(分の1)とか、連チャン率とか。あとは賞球(入賞口に入った際に払い出される玉)。1(玉)ってなんやねん。交換率なんて二の次三の次だと思うけどね、俺は。人それぞれ意見はあると思うけど。
まぁそりゃパチンコ屋さんも商売。メーカーさんも台を売るのが商売。ただ、メーカー・ホール・ユーザーの三角形。このバランスがここ20~30年で一番悪いんじゃない? 大手メーカーだけ得してるやん? あと大手のホール。本当によくないよな」
警察庁生活安全局保安課によると、25年12月末時点でのパチンコ店舗数は6464軒で、前年よりも242軒減少。反面、501~1000台、1001台以上設置の巨大ホールは増加傾向にある。
「もっと気軽に打てるものであってほしい。激しい台は4号機の頃からあったけど、そこに行かずとも遊べる台はいっぱいあった。ストック機しかり。今は、軽い気持ちで打てる台が『ジャグラー』くらいしかない。選択肢がこっちにないっていうのがよくないなと思うんで。コイン単価(メダル1枚使用時の売上)が低いAT機もあるけど、5万円とか負けるし。遊べないのよね、コイン単価が低い台でも。それやったら『激しいの打っときゃよかった』ってなるし。本当にバランスが悪い。けど、よくなっていく未来は正直な話、見えない。なんとかしてほしいし、なんとかなってほしい」
苦境に立たされているパチンコ・パチスロ。それでも、間近で行く末を見守るつもりだ。
「基本的には楽しいし、面白い業界だと思うよ。ライター業界って『やめます』『引退します』とか言う人もいる。全然、それはいいねんけど、俺は仕事がなくなったら、それがやめ時やなと思ってるんで。しがみつく気もないし。『今月、1つも仕事がなかったな』って思ったら、もうやめるかもしれんし。パチスロ好きやし、文字書くことも好きやし。自分からやめることはないかな。仕事がなくなった時が引退でいいやって思ってたら……もう53歳やしね」
これまでを振り返り、射駒タケシは「本当に、人に恵まれてる」としみじみ語る。今年7月には、こちらも人の縁でとみゑの姉妹店・とみヰを北海道・札幌に開店した。「今までで一番、バランス、居心地がいい。パチスロライターだけだど、ここまで長くやってると、楽しいけど、刺激もないし」。パチスロライターと飲食店の二刀流。まだまだ立ち止まる気はなさそうだ。
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