89年前の希少車「走れますよ」 長野の商業施設に“昭和の旧車”大集合「若い人に古い車を好きになってほしい」

秋の青空の下、往年の名車がずらりと並んだ。「クラシックカーフェスティバル」が19日、長野・上田市の商業施設「アリオ上田」で開幕した。台風による天候への懸念もあったが、初日は雲ひとつない晴天。会場には約40台の旧車が集まり、買い物客やカーファンでにぎわいを見せた。

アリオ上田にずらりと並んだ往年の名車。スカイラインなどの日産車も姿を見せた【写真:平木昌宏】
アリオ上田にずらりと並んだ往年の名車。スカイラインなどの日産車も姿を見せた【写真:平木昌宏】

「若い人に古い車を好きになってもらうのが一番の目的」

 秋の青空の下、往年の名車がずらりと並んだ。「クラシックカーフェスティバル」が19日、長野・上田市の商業施設「アリオ上田」で開幕した。台風による天候への懸念もあったが、初日は雲ひとつない晴天。会場には約40台の旧車が集まり、買い物客やカーファンでにぎわいを見せた。(取材・文=平木昌宏)

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 イベントを主催する日本旧軽車会の吉崎勝会長によると、3日間で計約120台の参加を見込んでいる。上田では年に2回ほど開催を重ねており、今回も地元・長野をはじめ県外からオーナーが集結。中には神戸から訪れた参加者の姿もあった。

 午前10時のスタートを前に、吉崎会長は「今日は青空も出ております。明日からちょっとお天気が心配なんですけど、3日間やりますので、ぜひまたご協力をお願いしたいと思います」と参加者にあいさつした。

 会場には、ダットサン、ブルーバード、スカイラインをはじめとした往年の日産車などがずらりと並んだ。色違いの車両が並ぶ一角もあり、来場者が足を止めて写真を撮る姿が見られた。

 会場となったアリオ上田を訪れた買い物客も、ずらりと並ぶ旧車を前に思わず足を止めた。中でも子どもたちは興味津々。「写真を撮りたい!」とはしゃぎながら車に近づき、親子でカメラを向ける光景が各所で見られた。

 吉崎会長がイベントを続ける目的の一つに、次の世代に旧車の魅力を伝えることにある。「若い人にこういう古い車を好きになってもらうのが一番の目的なんですよ。もう70代なので、いつ車に乗らなくなるか分からない。やっぱり若い人に少しでも旧車の魅力を知っていただければ」と思いを明かした。

 旧車を楽しむ世代にも変化が起きているという。ゲストとして参加した全日本ダットサン会の佐々木徳治郎・終身名誉会長は、最近では30代の会員も増えていると説明。「うちのじいちゃんが乗っていた」「友達が乗っていて楽しかったから、将来車が買えるようになったら買うんだ」といった幼い頃の記憶が、旧車を手にするきっかけになっているケースもあるという。

 若い会員同士で整備の悩みを相談したり、愛車の不調について情報交換したりすることも、旧車イベントの魅力の一つ。佐々木会長は、そうした交流を通じて仲間の輪が広がっている様子を語った。

多くの旧車が並んだ「クラシックカーフェスティバル」の会場。買い物客も足を止めて見入っていた【写真:平木昌宏】
多くの旧車が並んだ「クラシックカーフェスティバル」の会場。買い物客も足を止めて見入っていた【写真:平木昌宏】

89年前の希少車に来場者びっくり

 そんな会場でひときわ異彩を放っていたのが、1937(昭和12)年式のダットサン16型だ。誕生から実に89年。戦前に製造された一台が、令和の上田に姿を見せた。

 軽井沢から参加した男性オーナーは、複数の旧車を所有。以前暮らしていた横浜では車両の保管場所に苦労し、保管環境を求めて長野へと拠点を移したという。

 驚くことに、このダットサンは現在も走行可能だ。オーナーも「走れますよ」とさらり。現代の車とは異なり、アクセルは中央、ブレーキは右側に配置されている。「まだ統一されてないんだよね。各社が勝手に作ってたからね」と、戦前ならではの造りを説明した。

 89年という歳月を経た希少な一台には、来場者も興味津々。車内をのぞき込んだり、カメラを向けたりする姿が見られた。

 イベントは21日まで開催予定。各日午前10時から午後3時までで、入場無料。20日には展示車による周回パレードも予定されている。

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