愛車20台超、レパードには特別の愛情 20万円で買って総額300万円かけて大事に きっかけは『あぶない刑事』

愛車は20台超。それでも、所有19年目を迎えた“別格の一台”がある。車関係の仕事を営む40代男性が、紆余曲折を経て20万円で購入した1987年式の日産 レパード XS-IIだ。エンジン交換や塗装、外装の補修などにかけた総額は約300万円。結婚前の妻とのドライブ中に白煙を噴き、レッカー車で運ばれたこともあった。なぜ、この一台だけは特別なのか。

2008年から所有する1987年式の日産 レパード XS-II【写真:平木昌宏】
2008年から所有する1987年式の日産 レパード XS-II【写真:平木昌宏】

【愛車拝見#384】 「この一台」幼少期から憧れたレパード

 愛車は20台超。それでも、所有19年目を迎えた“別格の一台”がある。車関係の仕事を営む40代男性が、紆余曲折を経て20万円で購入した1987年式の日産 レパード XS-IIだ。エンジン交換や塗装、外装の補修などにかけた総額は約300万円。結婚前の妻とのドライブ中に白煙を噴き、レッカー車で運ばれたこともあった。なぜ、この一台だけは特別なのか。(取材・文=平木昌宏)

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「車屋だから車がいっぱいあるんでしょ、と言われるんですけど、商品車ではなく、全部個人の車です。売り物でもないです」

 男性と車との縁はさまざまだ。自ら購入した車だけでなく、知人から大切にしてほしいと託された車もあり、現在の所有台数は20台を超える。

 それぞれに思い出があるが、濃紺とシルバーのツートンカラーのレパードとの付き合いは今年で19年目。丁寧に手入れされた一台だ。

 87年式のレパード XS-II。以前は通勤にも使い、屋外で保管していた頃には、雨染みを残さないよう頻繁に洗車していた。

「今は屋根のある倉庫にしまっているので、雨染みの心配もありません。イベントの時くらいしか乗らないので、ここ数年は大きく困ったこともないですね」

 なぜこの一台が特別なのか。男性のレパードへの憧れは、幼い頃から続いている。

「きっかけは『あぶない刑事』ですね」

 1986年に放送が始まった同作は、舘ひろしと柴田恭兵が演じる刑事コンビの活躍を描き、劇中に登場したレパードも人気を集めた。

 母親から舘と誕生日が同じだと教えられ、作品に興味を持った。幼稚園から小学生の頃には再放送を録画し、繰り返し見るほど夢中になっていたという。

「当時は今ほどミニカーがなかったので、プラモデルを買っていました。同じものを何台も買って、劇中と同じ仕様にしていましたね」

 免許を取得した頃には、本物のレパードを所有することが夢になっていた。しかし、社会人になったばかりで、希望していたモデルを購入し、維持するのは簡単ではなかった。

 最初は手頃な価格のレパードに乗り、その後、ゴールドの一台へ乗り換えた。いずれは、さらに上のモデルを購入するつもりだった。

「1年半も乗ったら情が湧いてしまって、手放せなくなりました」

 車検を通し、ボディー全体を塗り直すなど、手をかけながら乗り続けた。ところが、不運にも事故で大破してしまい、ゴールドのレパードは廃車を余儀なくされた。

20万円で購入したツートンの一台

 事故の直前、同じオーナーズクラブの先輩が、現在のレパードの次のオーナーを探していた。その話が持ち上がった直後、男性はゴールドのレパードを失った。

「ゴールドを事故でだめにしてしまって、その2日後にこの車を買いました」

 こうして2008年6月、現在のツートンのレパードが男性の元へやって来た。購入価格は20万円だった。

 所有19年目を迎えるまでに、エンジン交換や塗装、外装の補修を重ねてきた。購入後にかけた総額は、約300万円に上るという。

「エンジンも載せ替えていますし、ボディーもいろいろ塗ったり直したりしています。考えてみると、それなりにお金がかかっていますね」

 購入から約2年後には、結婚前の妻とのドライブ中に大きなトラブルにも見舞われた。

 ゴールデンウイークに高速道路を走行中、追い越していく車の乗員が次々と視線を向けてきた。

「みんなが車を見ながら追い越していくので、『レパードだから見ているのかな』と思ったんです。でも、後ろを見たら白煙が出ていました」

 慌ててサービスエリアへ入ったが、エンジンは再びかからず、車両からオイルも漏れ出した。ゴールデンウイーク最終日、愛車はレッカー車で運ばれた。

 突然の故障や高額な修理に見舞われても、そのたびに直して乗り続けた。丁寧に手入れを続けながら、所有19年目まで状態を守ってきた。

 今年5月に千葉で開催されたF31レパードの発売40周年記念イベント。当日の会場で、このレパードを譲ってくれた先輩も参加。2人は車の前に並び、記念写真を撮った。

「先輩が乗っていたのは10年弱ぐらいです。もう俺が上回っちゃったので、倍ぐらいになりますね」

 レパードとの付き合いは、そろそろ20年目に突入する。数ある愛車の中でも、男性にとってやはり“別格の一台”だ。

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