「とりあえずこれ」から33年 新車で買った国産スポーツカー、もはや伝説モデルに 「嫁さんより長いです」
「嫁さんより長いですし、相棒のような存在です」――。本命は、別のオープンカーだった。60歳の会社員男性オーナーが約33年前に新車で購入した1992年式の初代マツダ・ロードスターは、もともと憧れの英国車を手に入れるまでの“つなぎ”のつもりだったという。ところが気づけば、人生の半分以上を共にする存在になっていた。外装や細部を欧州仕様風に仕立て、ボディーカラーも幼少期の思い出の色に全塗装。エアコンが故障していても、途中で止まってロードサービスを呼ぶことがあっても、手放すつもりはないという。愛車との33年の歩みを聞いた。

【愛車拝見#371】お金がなくて国産車購入、気付けば33年“人生の相棒”に
「嫁さんより長いですし、相棒のような存在です」――。本命は、別のオープンカーだった。60歳の会社員男性オーナーが約33年前に新車で購入した1992年式の初代マツダ・ロードスターは、もともと憧れの英国車を手に入れるまでの“つなぎ”のつもりだったという。ところが気づけば、人生の半分以上を共にする存在になっていた。外装や細部を欧州仕様風に仕立て、ボディーカラーも幼少期の思い出の色に全塗装。エアコンが故障していても、途中で止まってロードサービスを呼ぶことがあっても、手放すつもりはないという。愛車との33年の歩みを聞いた。(取材・文=平木昌宏)
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淡い青のボディーが印象的な1992年式マツダ ロードスター(初代)が、会場で存在感を放っていた。国内仕様とは少し違った雰囲気をまとっているのは、外装や細部を欧州仕様風に仕立てているためだ。リアには「MX-5」のエンブレムが備わり、オーナーのこだわりが随所に表れている。
「輸出仕様にしているので、後ろとか変わっています。欧州仕様ですね」
オーナーの男性は、約33年前にこのロードスターを新車で購入した。当時、最も欲しかったのは英国製ライトウェイトスポーツカー、いわゆる「スーパー7」だった。だが、20代後半だった男性にとって、簡単に手が届く存在ではなかった。
「本当はスーパー7が欲しかったんですけど、当時は買えなくて。ロードスターが出て、じゃあとりあえずこれに乗ってみようと思いました。しばらくしたら買い換えればいいやと思っていたら、33年ぐらいになっています」
とりあえずのつもりで迎えた一台は、気づけば男性の人生で最も長く寄り添う存在になった。結婚したのは、ロードスターを購入してから約10年後。家族用の車は別にあるが、このロードスターだけは自分の趣味の一台として、今も手元に置き続けている。
長い年月を共にすれば、楽しいことばかりではない。途中で車が止まり、ロードサービスを呼んだことも何度かある。エアコンは10年以上前に故障し、現在はエアコンなしで乗っている。夏のオープンカーは決して楽ではないが、それでも乗り続ける理由は揺らがない。今、この車はどんな存在なのか。そう尋ねると、男性は迷わず答えた。
「嫁さんより長いですし、相棒のような存在です」

長く乗り続ける中で、男性はロードスターを自分好みの姿へと少しずつ整えてきた。こだわりの一つが、欧州仕様風に仕立てた外装や細部だ。きっかけは、国内仕様の「Roadster」ロゴやユーノスのエンブレムが、どうしても好みではなかったことだった。バッジを外し、右ハンドルの車体でも違和感のない欧州仕様風の雰囲気を目指した。
淡い青のボディーカラーにも理由がある。約10年前に全塗装した色は、子どもの頃に家にあった日産ダットサンサニーの記憶がもとになっている。
「この車の色は、小さい頃に家にあったダットサンサニーの色です。昔あった色だから、それにしようと思いました」
もう一つ、男性が気に入っているのが、オープン時に室内を覆うトノカバーだ。中古で手に入れたもので、昔のオープンカーのような雰囲気を生み出している。
大切に乗り続けるため、保管にも気を配っている。屋根付きの場所に置くことで、モールの劣化やサビを防ぐようにしているという。周囲からは「きれいに乗っているね」と声をかけられることも多い。しばらくしたら買い換えるつもりで迎えた一台は、約33年を経て、男性にとって手放せない存在になっていた。
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