宝塚レジェンドが武道館で美声 早期退団の小柳ルミ子、同期の麻実れいと56年ぶり共演で涙の歌唱「恒例化してほしい」
宝塚歌劇団歴代トップ男役OGレジェントスターが集う公演『TOKYO FM/BS11 presents 昭和100周年記念 昭和ゴールデンHITS 100 in Orchestra ~宝塚レジェンドスターたちが歌う昭和の名曲!~』が30日、東京・日本武道館で開催された。芸能生活55周年の麻実れいをはじめ、剣幸、涼風真世、一路真輝、真琴つばさ、姿月あさと、湖月わたる、彩輝なお、凰稀かなめ、紅ゆずるが出演。麻実と同期入団で早々に退団した小柳ルミ子、司会で元娘役の黒木瞳も出演し、開演前にはそろって取材に応じた。

元男役トップ10人と小柳&元娘役の黒木瞳
宝塚歌劇団歴代トップ男役OGレジェントスターが集う公演『TOKYO FM/BS11 presents 昭和100周年記念 昭和ゴールデンHITS 100 in Orchestra ~宝塚レジェンドスターたちが歌う昭和の名曲!~』が30日、東京・日本武道館で開催された。芸能生活55周年の麻実れいをはじめ、剣幸、涼風真世、一路真輝、真琴つばさ、姿月あさと、湖月わたる、彩輝なお、凰稀かなめ、紅ゆずるが出演。麻実と同期入団で早々に退団した小柳ルミ子、司会で元娘役の黒木瞳も出演し、開演前にはそろって取材に応じた。(取材・文=柳田通斉)
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開演時刻になると、フルオーケストラで松田聖子のヒット曲『青い珊瑚礁』が演奏された。ビジョンにはレジェンドたちの画像が映し出され、紹介を終えると司会の黒木が白ドレス姿で登場。観客から「きれい」「素敵」の声が出る中、笑顔であいさつし、「独自に昭和の名曲100曲を選びました」などと公演の主旨を伝え、トップバッターの凰稀が久保田早紀の『異邦人』を聴かせた。高身長でスレンダーなスタイルに、背中が大きく開いたドレスがフィット。その後ろ姿で視線をくぎ付けにした。
続いて登場した紅は、平井堅の『瞳を閉じて』を歌唱後、「武道館は初めてです。広い! 本当に気持ちが良かったです」と実感を込めた。その後、彩輝がテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』、湖月が松任谷由実の『ANNIVERSARY』、姿月が松崎しげるの『愛のメモリー』、真琴が尾崎紀世彦の『また逢う日まで』、黒木がKANの『愛は勝つ』、一路が中島みゆきの『糸』、涼風がDREAMS COME TRUEの『未来予想図II』、剣がオフコースの『さよなら』、麻実が『風と共に去りぬ』の劇中歌『君はマグノリアの花の如く』を披露。宝塚時代から鍛錬された各々の声で観客を魅了し続けた。
そして、ゴールドの衣装で登場した小柳が自身の新曲『愛は輪廻転生』を艶めかしい振りを入れて歌い上げた。その後、1970年に初舞台を踏んだ麻実と小柳の第56期生トークが始まった。2人はこの公演に向けての準備で56年ぶりに再会し、共演に至ったことを喜び、思い出話も披露した。
麻実「(再会して)56年間が吹っ飛んだね。昨日も会っていたみたいで。ルミ子は優等生だったんですよ。歌、ダンス、日舞、マット運動、何をやらせてもすごくて、首席で入団して」
小柳「私は『宝塚を辞める』って、ターコ(麻実)だけに相談したんですよ」
麻実「全く覚えてない(笑)。でも、一人だけ違っていたから、最初から『ルミ子は芸能界に行った方がいい』と思ってましたね」
囲み取材でも、2人はひと際存在感を放っていた。小柳は首席入団ながら、在籍わずかで芸能界へと羽ばたき昭和の歌謡界をけん引した。麻実は長身を生かして、宝塚の男役の歴史に大きな足跡を残した。歩んだ道は違えど、半世紀以上の時を経ても変わらぬ「同期愛」がそこにはあった。

囲み取材では小柳節「宝塚はさすが」
後輩たちが次々と意気込みを語る中、司会者が小柳の順番を飛ばしてしまうハプニングがあったが、百戦錬磨の小柳は余裕の笑みでマイクを握ると、一気に自らのペースに引き込んだ。
「今日はリハーサルから楽しかったです。こういうコンサートって、『これ、宝塚だからできるんだな』っていうのを痛感しました。もう、本当に(事前の)資料が遅くて覚えるのが大変でしたが(笑)、宝塚はさすがです。みんなで一致団結してこのような素晴らしいステージ、きっと成功します」
運営陣をイジりながらも、宝塚OGの団結力を絶賛。さらに「これ、もう1回やったら? 社長にお伝えください(笑)。ぜひ、恒例化していただけたら」と直球の要求で取材陣の笑いを誘った。
この日の顔ぶれは、各時代を彩った元男役のトップスターたち。「これほど一堂に会する機会はかつてありましたか」との問いに、麻実は「ないような気がしますね」と静かにほほ笑んだ。
「今回は宝塚のトップの男役と私の大事な同期(小柳)とで、こういうことは初めてだと思いますね」
すると、黒木が「私、娘役です(笑)」と言い、場を和ませた。姿月も「退団後に上級生、下級生の方とご一緒させていただけることが光栄なのと、小柳さんと麻実さんのこの同期愛をステージ上で本当に感じております」と羨望のまなざしを向けた。
そして、小柳が力を込めて言った。
「こういう奇跡的な出会いで、奇跡的なコンサートが一夜限りでも成立するっていうのは、本当に『宝塚ってすごいな』って痛感しました。また、会おうね!」
すると、打ち合わせでもしていたかのように『また逢う日まで』の合唱が始まった。
公演の終盤では、麻実と小柳が手をつないで中島みゆき『時代』をデュエットし、後輩たちがコーラスを担当。2人の活躍を見てきた観客の目を潤ませた。
その後、小柳が自身の代表曲『瀬戸の花嫁』を感極まりながら歌唱した。ファンが選んだリクエスト第1位の楽曲で、歌唱後は「すごくいろんなことが思い出されて……。19歳の時に歌ったこの曲があって今の私があるので、選んでいただいてうれしかったです」と言い、涙を流した。
最後は、坂本九の『上を向いて歩こう』を12人と観客が合唱。武道館が温かな空気に包まれた。昭和、平成、令和と時代が変わって色褪せない宝塚の絆。「伝説の56期」麻実と小柳を中心に円陣を組んだレジェンドたちの歌声は、日本のエンターテインメント史に新たな1ページを刻んだ。
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