大がかりな首の手術から奇跡の回復…三田佳子が明かす驚きの健康秘話「なぜか記憶力までアップした」

映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』(5月29日公開、監督・香月秀之)で認知症の母をチャーミングに演じた三田佳子。数年前に受けた大がかりな首の手術から奇跡的な回復を遂げ、なぜか記憶力までアップしたという驚きの健康秘話から、長年連れ添う夫とのユーモアあふれる夫婦円満の秘訣までを惜しみなく語ってくれた。

ENCOUNTのインタビューに応じた三田佳子【写真:増田美咲】
ENCOUNTのインタビューに応じた三田佳子【写真:増田美咲】

“引き際”についても告白「自分から遠慮しないと」

 映画『お終活3 幸春!人生メモリーズ』(5月29日公開、監督・香月秀之)で認知症の母をチャーミングに演じた三田佳子。数年前に受けた大がかりな首の手術から奇跡的な回復を遂げ、なぜか記憶力までアップしたという驚きの健康秘話から、長年連れ添う夫とのユーモアあふれる夫婦円満の秘訣までを惜しみなく語ってくれた。(取材・文=平辻哲也)

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 映画の中で、三田が演じる認知症の母・加藤豊子は、新しい仕事や大原家での居候生活のストレスを抱える息子・博(小日向文世)と深くすれ違ってしまう。つい強い言葉で母に当たってしまう博に対し、高畑淳子演じる千賀子が「心は忘れていない」と優しく語りかけるシーン、博とのひまわり畑では母息子の絆を確かめ合う旅のシーンは、観る者の涙を誘う。

 そんな葛藤を抱える息子を演じた小日向文世について、84歳の三田は「小日向さん(72歳)は年齢がそこまで離れていないのに、随分平気で息子役をやってくださいました」と笑う。

 現場には橋爪功や高畑淳子、石橋蓮司、西村まさ彦ら、長年日本のエンターテインメント界を牽引してきた重鎮たちが顔をそろえた。橋爪とは彼が若い頃からの付き合い。また、高畑淳子とも過去にシャンソンの場で一緒になったことがあるという。

「昔からの知り合いが多く、本当にとてもいい現場でした。でも私は現場に入るとあまり無駄口は叩かず、熱心に仕事に集中して、あとは楽屋で時々休んだりしていましたね」と振り返る。

 第一線で活躍し続ける三田だが、女優として現役を続ける上での引き際は明確に決めているという。

「セリフが覚えられなくなったり、体も動かなくなったりしたら、自分から遠慮しないとだめだと思っています」。かつて、冗談交じりに「何もしないで座っているだけの役はないか」とプロデューサーや監督に聞いたところ、「そんな役あるわけないでしょ」と一蹴されたエピソードを笑いながら明かし、「健康が第一で、セリフが言えないと現役にはなれません」と気を引き締める。

 健康といえば、数年前に首の手術を受けている。自分の骨を取り、人工骨として首に入れるという大がかりな手術だったが、手のしびれなどの後遺症は全くないという。

「不思議なことに全然何でもないんです。奇跡的によくなりました。ガタガタしていた骨をきちんと治していただいたおかげか、なぜか頭の回転、記憶力まで良くなったんですよ。それまでは精一杯のところがあったんですが、手術からケロッとして帰ってきました」

 好奇心も旺盛で、SNSにも関心を持ち、ブログやInstagramの話題にも花が咲く。「自分で構図を考えて写真を撮りたいのに、最近は周りが先取りして撮っちゃうんです」と笑う姿には、年齢を感じさせない若々しさがあふれている。

 SNSでは、長年連れ添う夫(元NHKプロデューサーの高橋康夫氏)とのツーショットもたびたび話題に。50年を超える円満な夫婦生活の秘けつを尋ねると、「全面的にいいわけではないですよ。でも、お互い様ですから(笑)。ここまで一緒に生きてきたので、譲り合って仲良くやっています。けんかをする前にお互いに察しますし、けんかになりそうな時は『忘れること』が大事ですね」と、長年の夫婦ならではの境地を語る。

 そもそも結婚のきっかけからして三田らしい。

「出会いはカウンターだったんです。相手の顔や姿形をよく見なかったのが、一番の縁結びでしたね。あんまり見つめ合っちゃうと気がついちゃったりするから」と笑いを誘う。金婚式は行わなかったそうだが、銀婚式の際にはタヒチへ赴き、素晴らしい星空を堪能したというロマンチックな思い出も持つ。

 インタビューの終盤、記者が「この映画を見て、母親を旅行に連れて行こうと思った」というと、三田はパッと顔を輝かせた。

「不安もあったので、とてもうれしいですね。観た方がそんなふうに行動していただけたのなら、役者冥利に尽きます」と微笑む。さらに「三田さんのような大女優でも、自分の演技に対して不安に思うものですか?」と尋ねると、「不安だらけよ」と即答した。スクリーンで圧倒的な存在感を放ちながらも、常に自分の表現に向き合い、本音をこぼす姿に、飾らない素顔が垣間見える。

 老いという誰もが避けて通れないテーマを、ユーモアと愛らしさでスクリーンに焼き付けた三田。そのチャーミングな人柄と温かな言葉は、観る者の心を明るく照らし、人生の旅路に静かなエールを送ってくれるに違いない。

■三田佳子(みた・よしこ)1960年に映画『殺られてたまるか』でスクリーンデビュー。東映の看板女優として60本以上の作品に出演し、日本映画黄金期を支える存在となる。独立後は映画・テレビ・舞台へ活動の幅を広げ、ブルーリボン賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、田中絹代賞、旭日小綬章など受賞歴多数。これまでの主な出演作として、映画『Wの悲劇』、『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』、『極道の妻たち 三代目姐』、『天間荘の三姉妹』、『湖の女たち』をはじめ、ドラマ「いのち」、「花の乱」、「わが家は楽し」、「終りに見た街」、「ゆりあ先生の赤い糸」、舞台「人でなしの恋」、朗読劇「九十歳。何がめでたい」、シンフォニー朗読劇「ベートーヴェン~魂の交響曲~」など数々の話題作で存在感を発揮している。

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