【風、薫る】藤原季節、“汚れ役”のオファー「うれしかった」 家族の反応も明かす

俳優・藤原季節が、詐欺師・寛太を演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)について取材に応じ、役への思いや今後の見どころを語った。作品は俳優・見上愛と上坂樹里が主人公を演じ、明治時代に看護の道を切り拓いたりん(見上)と直美(上坂)の物語。

寛太を演じる藤原季節【写真:(C)NHK】
寛太を演じる藤原季節【写真:(C)NHK】

海軍中尉と偽り直美をだました詐欺師・寛太役

 俳優・藤原季節が、詐欺師・寛太を演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)について取材に応じ、役への思いや今後の見どころを語った。作品は俳優・見上愛と上坂樹里が主人公を演じ、明治時代に看護の道を切り拓いたりん(見上)と直美(上坂)の物語。

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 登場当初、演じる寛太は凛々しく誠実そうな海軍中尉・小日向を装い結婚も考えた直美をだました。4月放送の第18回では、直美に詐欺師の素性を知られ、小日向とは別の顔を見せた。寛太は汚れ役ともいえるがオファーを受けた際の感想を聞いた。

「汚れ役ですが、うれしかったですね。一筋縄ではいかない人物を演じられる。しかも“朝ドラ”というフィールドの中。自分が今までいろんなインディーズ作品でやってきたこと、座ってきた椅子で培ったものを多くの方が見る“朝ドラ”で出せるのがうれしくて小日向より寛太を演じる時は精神的にのびのびと解放されたような気持ちでお芝居ができた気がします。小日向は偽りの笑顔で相手に話しかけますが、相手は本当の笑顔。その食い違いをストレスに感じ、詐欺師ならではの苦しさも知りました」

 凛々しい軍服姿を自身ではどう思ったのだろう。

「寛太を演じている時の着流しの居心地が良すぎて(軍服は)衣装に着られているような違和感を覚えました。もみあげもきれいに短く刈り込めば、帽子もピタッとするのですが、寛太は詰めが甘く、もみあげが微妙に長くてアンバランスさがあるんです」

 初めて詐欺師の素性が明らかになった際の周りの反響も気になる。

「たくさんの反響がありますね。どこに行っても『詐欺師だったんですか。だまされた』みたいな反響でした」

 家族の反応も面白い。

「母は本当に僕が海軍中尉だと思っていたので、ショックを受けて受け入れるまでに時間がかかったようです。しばらくして『母は衝撃を受けました。でも寛太の方が似合っているのかもね』と連絡がありました。母は海軍中尉として直美さんとのロマンスを期待していたみたいです。5歳の甥は寛太が登場しても気付かないようで、叔父さんが泥棒のわけがないと言っています」

 今後、詐欺師・寛太はどんな姿で登場するのだろうか。

「ネットではロマンス詐欺で生き抜いていくクヒオ大佐と言われているようです(笑)。寛太はロマンス詐欺以外にもいろんな悪事に手を出し、新しい詐欺にチャレンジしていきます(笑)。扮装も登場するたびに変わり七変化です。寛太を探せという感じで見ていただきたいです。ただ、一貫しているのは、寛太は弱者から金を取る人ではないです」

 共感することを尋ねると意外な言葉が返ってきた。

「直美というか上坂樹里さん自身にシンパシーを感じます。僕も“朝ドラ”に初めて出演しましたが上坂さんも同じ。一緒のタイミングでクランクインして2人ともガチガチに緊張していましたが、それがこうして物語の世界を一緒に歩み、自分たちを取り巻く世界が少しずつ変わっていくのを一緒に体験しているような感覚があります。上坂さんを『風、薫る』の世界を最後まで一緒に生き抜こうね、という気持ちで応援しています。きっと寛太と直美もそれに近いかもしれません。明治という波乱万丈な世の中を俺たちは生き抜くぞ、というシンパシーを抱えていると思います。だから勝手に上坂さんにシンパシーを感じる自分がいます」

“朝ドラ”の思い出も聞いてみた。

「上京してから見ていました。20代の頃、俳優として仕事が無く、朝、起きる理由も無くだらけそうな時、朝8時になると自動的にテレビがついて“朝ドラ”が映る“朝ドラアラーム”を設定して起きていました。今も『風、薫る』アラームをやっています。視聴者として楽しんでいる作品に参加するのは得も言われぬ幸福感があります」

 現場での面白エピソードも紹介した。

「小日向と直美が一緒にいるシーンで体当たりしてきたスリの男の子を逃がす撮影がありました。その男の子が素晴らしく、僕も上坂さんも緊張でガチガチの時に、その男の子が追っ手から逃げ、走り切って監督がOKと言うと、その子が『見たか俺の力! これが俺の本気だ!』と叫んだんです。その時、今の僕たちに必要なのはこれかもねと言って2人で笑いました。その体験でエンジンがかかった気がします。あの子は大物です(笑)」

 今後の寛太との向き合い方も聞いてみた。

「激動の明治を絶対に生きぬいてみせるという気持ちを持つことは決めています。寛太は幼い頃に親を亡くしています。当時、疫病、飢饉もあり、とにかく激動の時代だったと思います。新政府のシステムが作られる中、そのシステムからこぼれた子どもたちがいて、それが大人になったのが寛太。寛太は弱き者の代弁者。今後、出てこない期間があっても彼はどこかで明治を生きています。(脚本は不明も)物語の最後に寛太生き延びたと思えてもらえたら僕の使命は全うできると思うので、あきらめずにやり切りたいです」

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