「トレーナーを変えろ」武尊に届いた批判 入場では号泣…共に駆け抜けたキャリア「命を削ってくれた」
元K-1・3階級王者の武尊(34=team VASILEUS)が1日、都内のホテルで現役引退会見を行った。約14年半にわたったキックボクシング人生。その波瀾万丈のキャリアの裏には、「一緒に命を削ってくれた」と語る存在がいた。

「雅和さんのおかげでベルトを獲れた」
元K-1・3階級王者の武尊(34=team VASILEUS)が1日、都内のホテルで現役引退会見を行った。約14年半にわたったキックボクシング人生。その波瀾万丈のキャリアの裏には、「一緒に命を削ってくれた」と語る存在がいた。
大観衆の中、最後の戦いへと向かう入場シーン。武尊の背後で、涙を必死にこらえる男がいた。長年トレーナーとして苦楽を共にしてきた渡辺雅和氏だ。4度のダウンを奪い、ロッタンを撃破した劇的な最終章も、二人で作り上げたものだった。
K-1ジム相模大野KREST時代からミットを受け続けてきた渡辺氏。長髪をなびかせながら、世界レベルの打撃を受け止める姿はファンにもおなじみだった。
敗戦のたびに、渡辺氏への批判も浴びた。「一番腹が立ったのが『トレーナーが悪いから変えろ』『チームを変えろ』という声だった」。その言葉は、むしろ反骨心へと変わっていった。
「この人とやってきた。この人とのやり方で、絶対に世界最強のONEのベルトを獲る」
満身創痍の中でも現役を続けた理由の一つは、渡辺氏の価値を証明するためだった。
「ずっと一緒にやってきてくれた雅和さんのおかげでベルトを獲れた。それが一番うれしい。つらい時に一番の支えになってくれて、一緒に命を削ってくれた。世界最高で世界最強のトレーナーだと思っている」
壇上に並んだ7本のベルトが、この日はいつも以上に輝いて見えた。
人生の全てをささげた格闘技。最終5R、ロッタンをとらえたパンチは一点の迷いもなかった。アリーナの中心で掲げた力強い拳が、ファイターは決して孤独ではないことを教えてくれた。
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