武尊、22分の引退会見で語った感謝「格闘技がなかったら、ろくでもない人生だった」【会見全文】
格闘技イベント「ONE SAMURAI 1」が29日、東京・有明アリーナで行われた。メインイベントのONEフライ級キックボクシング暫定王座決定戦では、元K-1・3階級王者の武尊(34=team VASILEUS)がロッタン・ジットムアンノン(タイ)と対戦し5R・TKO勝利。大会後、武尊が22分にわたり、現役最後の会見に臨んだ。

天心からのエールに「戦友としてうれしかった」
格闘技イベント「ONE SAMURAI 1」が29日、東京・有明アリーナで行われた。メインイベントのONEフライ級キックボクシング暫定王座決定戦では、元K-1・3階級王者の武尊(34=team VASILEUS)がロッタン・ジットムアンノン(タイ)と対戦し5R・TKO勝利。大会後、武尊が22分にわたり、現役最後の会見に臨んだ。
――試合を終えての率直な感想を教えてください。
「本当にもううれしいの一言しかないです。34歳、今の年まで現役をやると思ってなかった。身体的にも、持たないかなと思ってたんですけど。本当にたくさんの人たちの支えのおかげで、ここまで格闘家としてやってこれて。最後にチャトリ(シットヨートン)会長がタイトルマッチ組んでくれて。そのおかげで、この引退試合のモチベーションがめちゃくちゃ変わったので。本当にONEのスタッフ、チャトリ、みんなに本当感謝ですね。現役最後ここで、この試合ができて、本当に幸せです。ありがとうございます」
――今後の展望があれば教えてください。
「現役生活は今日で終わりですけど、本当この格闘技の熱は止めたくないし、魔裟斗さんが盛り上げた日本格闘技界、魔裟斗さんが引退して一回盛り下がって、僕が憧れてK-1目指して東京出たけどK-1が一回消滅しちゃって。テレビとか、もう表舞台から格闘技がなくなっちゃって。最初に苦しい時期を過ごしたので。
僕に憧れて格闘技を始めてくれた子どもたちとか、これからのファイターに、ちゃんと、同じようにこの盛り上がる舞台を、残してあげたい。次の、格闘技を引っ張る選手が出てくるまで僕はK-1とかRISEとかいろんな団体ありますけど、どの団体も一緒に盛り上げたいと思ってる。できることがあるなら僕も協力するので。格闘技界これからも盛り上げて……いくこと、何かできたらなと思ってます」
――最高の形での引退試合でした。最大の勝因は自分でどのように分析されますか。
「ONEに来て、自分の弱さをちゃんと認識できた。今までの戦いで、ずっと勝ち続けた時って多分本当に『自分が負けない』『絶対勝てる』と思ってやってたんですけど、ONEに来て、『こんな弱い所あるんだな』と色々自分で発見できて。それをこの最後の試合で今までで感じた自分の弱さだったり、それこそ体もどんどんこう壊れていくところもあったり、そういう自分の弱い部分をちゃんと認識した上で、それに合った自分の戦いだったり、体作りっていうのを最後にバチッとはめられたかなって。そこかなと思います」
――自分の弱い部分も克服できたということですか。
「克服っていうか克服は……多分弱点とかはもちろんなんですけど、今までできたことができなかったり、そういうことがいっぱいあって。だけど今までと同じようなことをしちゃってた。それで壊れちゃってた部分もあったりしたので、そこを自分で認識して、やり方を変えたり。難しいですけど、うまく修正を最後だったからできたっていうのはある。本当に今日までで、体全部使い切って、壊れてもいいつもりで追い込みもやった。ちょっと言葉が難しいですけど、それができたのがよかったかなと思います」
――最後に厳しい格闘キャリアが報われるこうベストバウトを戦うことができた気持ちはいかがですか。
「自分の試合をまだ見てないので、本当にまだ実感が無いんです。本当に試合前、弱音を吐きたくないので言わなかったんですけど、また倒される、自分が失神してる夢とか、足の骨折れてる夢とか毎日見てて。いや本当に怖かったんですよ。みんなの期待裏切っちゃうなとか。だからなんかもう『よかった、生きて帰ってこれてよかった』みたいなそんな感じです。まだ試合見てないので、今はそんな感じです」
――マイクの関係で会場で武尊選手が話されていたことが、会場のファンや配信を見ていた方に全て伝わっていない部分もあったかと思います。どんなことをおっしゃったのでしょうか。
「ちょっと一言一句思い出せないですけど、本当に僕って、格闘技のセンス本当に無かったんですよ。小学校から格闘技を始めて本当に勝てなかったし、運動神経も本当普通なんですよ。だけどこういう風に強くなれたし、結果も残せた。夢を持つ人は絶対諦めて欲しくないなっていうのと、みんな天才とかエリートって思ってくれてると思うんですけど、全然本当にそうじゃなくて。本当に勝てなかったので。それを伝えたかった。
あとは本当に今、格闘技界、団体の壁だったり、色々問題があったりして盛り下がりそうだなって。それが僕的にはすごい辛かったし、僕が引退することで、昔の魔裟斗さん辞めた後みたいにK-1がなくなったりとか、こういう大きな舞台、ONEみたいな大きな舞台が日本からなくなっちゃうっていうのはすごい悲しいことなので、そういう次のファイターが出てくるまでファンの人たちもみんな一緒に格闘技界盛り上げましょうって。いろんな団体、K-1もRISEもKNOCK OUTも、いろんな団体が一緒に格闘技界を盛り上げましょうって言った感じですかね」
――試合中に笑顔でロッタンに殴ってこいとアピール。戦っている時点で楽しさはありましたか。
「楽しかったですけど、殴り合いたいなって(笑)。勝ちたいはあるんですけど、この5Rで格闘技人生、30年ぐらいやってきて、この5Rで終わると思うと勝ちたいより、ロッタンのパンチをもらっておきたいなって(笑)。それと戦ってましたね」
――試合前に公開された那須川天心選手のインタビュー動画は見られましたか。試合前に感じることはありましたか。
「本当にあまりああいうインタビューで僕のことをしゃべってくれたことなかったと思うので、応援してくれたのも勝ってほしいって言ってくれたのも戦った戦友としてうれしかった。天心選手はボクシングで活躍していくと思うので、ボクシング、キックボクシング、ムエタイ関係なく、みんなでこれから盛り上げたいと思います。
――ノーガードで打たれたシーンもあった。前回KO負けした武尊選手が立ってられた理由は。
「いろんな要因はあるし、戦い方もすごい研究した。ロッタン選手ってブンブン振り回してるけど、達人みたいな動きをする。前の試合でそれを感じて勉強できたのもあるし、前回は言い訳したくはないですけど、実際戦えるような状況えではなかったので。胸骨と肋骨が折れて、脳では頭ガードしようと思ったけど、自然と『お腹守らなきゃ』もあった。今日はロッタン選手のパンチが強いのを分かったうえで、もらったので耐えられた。最後なのでみんなの期待裏切れないし。死んでも倒れるかと思ってもらいました」
――今日、やりきりましたか。
「やれるならやりたいですけど、今日このリングに立てるか分からないぐらい僕の中では腹持つのかなっていう不安の方が大きくて。今日で使いきったかなという感じです」
――武尊選手にとって格闘技とは。
「僕は格闘技と出会ってなかったら本当にろくでもない人生だったなって思うし、こんな最高な人生にしてくれたのは格闘技のおかげなので、格闘技に感謝ですね」
――殴り合いながらもしっかりカーフを蹴ったりミドルだったり蹴れていました。落ち着いてましたか。興奮してましたか。
「頑張って興奮を抑えてましたね。本当に丁寧に丁寧にやろうっていうのはあるんですけど、僕が試合前に試合のイメージを作る時に、どうしても我慢できなくて殴り合いに行っちゃうんですよ、何回イメージしても。だから試合直前までちゃんと丁寧に相手を削って、その自分が強かった時の戦い方を思い出して。ロッタンだから思い切り殴り合いたいけど丁寧に削ってから殴るのを意識しましたね、頑張って。みんなに、今日来てくれた人、応援してくれた人たちに勝ちを届けたかったんで。このベルトを届けたかったので。自分と戦いました」
――明日からは選手として練習しなくてもいい日々が始まります。どう過ごしたいですか。
「いや、ジムには行くと思います。言ってないですけど色々壊れている所もあるので、それもちょっと直しつつ。私生活に支障が出ない程度に格闘技をやろうかなと思っています」
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