尾崎世界観、初劇伴制作に込めた思い「しっかりとクリープハイプの曲を作れば伝わる」

23日に公開される志村貴子原作の劇場アニメ「どうにかなる日々」の主題歌、劇伴音楽を担当した4人組ロックバンド「クリープハイプ」。クリープハイプが映像作品の劇伴音楽を手がけるのは、意外にも今作が初めてだという。作品を彩る新曲「モノマネ」から、劇中で使用される楽曲まで全23曲を書き下ろした尾崎世界観にインタビュー。前編では初めての劇伴制作の裏側を語ってもらった。

劇伴制作の裏側を語った尾崎世界観【写真:山口比佐夫】
劇伴制作の裏側を語った尾崎世界観【写真:山口比佐夫】

オファーが来た時には葛藤「作品を壊してしまったら申し訳ない」

 23日に公開される志村貴子原作の劇場アニメ「どうにかなる日々」の主題歌、劇伴音楽を担当した4人組ロックバンド「クリープハイプ」。クリープハイプが映像作品の劇伴音楽を手がけるのは、意外にも今作が初めてだという。作品を彩る新曲「モノマネ」から、劇中で使用される楽曲まで全23曲を書き下ろした尾崎世界観にインタビュー。前編では初めての劇伴制作の裏側を語ってもらった。

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――クリープハイプが劇伴を担当されるのは初めてだと伺いました。オファーが来た時のことを教えてください。

「最初は驚きましたね。『間違っていないかな?』と。でも、まず作品のタイトルが気になって。志村貴子さんの作品は読んでみたいなとずっと思っていたので、この機会に読んでみたら、すばらしくてすごく自分好みの作品でした。でも、そこからしばらく悩んでいましたね。『本当にクリープハイプでやれるのかどうか』と」

――悩んでいた1番の原因はなんだったのでしょうか。

「これまでアニメのテーマソングをやらせていただいたこともあったんですけど、どうしてもアニメファンの方に受け入れられない印象があって。そこはすごく気になっていたし、原作がいい作品だと思ったからこそ、作品を壊してしまったら申し訳ないという思いもありました。でもそれ以上に、『この作品であればできるんじゃないか。もう1回挑戦してみたい』という気持ちがあったので、最終的には『やりたいです』と返事をしました」

――でき上がった作品をご覧になっていかがでしたか?

「原作で読んでいたときもすごく感じることは多かったんですけど、アニメになったときに、ちょっと大げさになってしまう可能性もあると思っていて。声が出て、キャラクターが動くということは相当な変化だと思うんですけど、(この作品では)キャラクターが必要な温度感でしゃべって、動いていく。それがすごくよかったです。作り手の方々が作品のことを理解して、愛情を注いでいるからだと思ったし、そこに自分たちが作った音楽が流れているというのは幸せでしたね」

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