ドラマ『リボーン』で一人二役 高橋一生が語る「俳優部」の誇りと風通しの良い現場作り
時代の寵児である冷徹なIT社長が、何者かに殺害され、14年前の2012年へタイムスリップし、お人好しの青年に転生する――。テレビ朝日系連続ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』(火曜午後9時)で、一人二役とも言える難役に挑んでいるのが俳優・高橋一生だ。幼なじみでヒロインの池谷更紗を演じる中村アンとともに、複雑な世界観の構築と、それを支える良い現場づくりについて語った。

テレビ朝日系連続ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』で一人二役
時代の寵児である冷徹なIT社長が、何者かに殺害され、14年前の2012年へタイムスリップし、お人好しの青年に転生する――。テレビ朝日系連続ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』(火曜午後9時)で、一人二役とも言える難役に挑んでいるのが俳優・高橋一生だ。幼なじみでヒロインの池谷更紗を演じる中村アンとともに、複雑な世界観の構築と、それを支える良い現場づくりについて語った。(取材・文=平辻哲也)
撮影は中盤、折り返し地点を迎えている。「手応えは非常にありますよ」と高橋は確かな自信を込めて語る。「違う物語のドラマが2つあるみたいな感じで、僕はそこを渡り歩いている存在。世界観が全く違う中でドラマが1つに成立していることは、とても面白いんじゃないかなと思っています」。
主人公の中身は冷徹なIT社長・根尾光誠だが、外見は下町のクリーニング店の跡取り息子・野本英人。2つの時代と2つの階層が交錯する物語は、演じる側にとっても一筋縄ではいかない。更紗役の中村も「シーンによって時代の移り変わりがあるので、一生さんをはじめ、皆さんと一緒にしっかり辻褄を合わせながら進めています」と、現場での緻密な作業を明かす。
CMでは経験があるものの、ドラマでの共演は今回が初となる2人。高橋は中村の印象を「非常に誠実に役に向き合ってらっしゃる方」と評する。「僕がお芝居を変えてもちゃんと返してくださるので、とても面白くお芝居をさせていただいてます」と、予測不可能な生のやり取りを楽しんでいるようだ。一方の中村も、「一生さんが丁寧に、すごく安心なことと考えてやられていると思うんですけど、一緒にお芝居させていただくのを楽しんでいきたい」と座長への全幅の信頼を口にする。
難解なパズルのような本作をけん引する高橋だが、座長としての心がけを問うと、「とにかく楽しくあること」というシンプルな答えが返ってきた。だが、その裏には、長く俳優として現場に立ち続けてきた彼ならではの深い哲学がある。
「やっぱり僕らは俳優部なんです。他の技術部や演出部、制作部などと一緒で、やっぱり僕ら(俳優)も作品を作る一つの部でしかない。それぞれの部がそれぞれに楽しくあって、ものをみんなで言えるというか、作れる場所であってほしい」

意見を持つことで「責任感が生まれる」
高橋が重んじるのは、セクションの垣根を越えたコミュニケーションだ。
「日本人はディベートが苦手だと言われますけれど、けんかじゃなくてちゃんと会話を重ねて作っていくということが、作品として成り立たたせていくためにどれだけ大事かということを一度経験してしまうと、これはものすごく大切なことだなと実感します」
誰かのちょっとした意見から、「じゃあ、ちょっとそれ話してみよう」と会話が生まれる。「やっぱりみんなが意見を持つということは、それぞれに責任感が生まれていいなと思います」と、風通しの良い現場づくりが作品の熱量に直結していることを強調した。
本作の見どころについて高橋は、「今までのタイムスリップ物だったり転生ものとは少し違う見どころがある作品になっている」とアピール。「ちょっと頭を使うかもしれませんが、点というよりかは2つのドラマを見るような楽しみ方がありますし、まずはとにかく見て欲しい」と視聴者に呼びかけた。
さらに高橋は、「柳沢さんを見てください。キーパーソンです」と名前を挙げる。「(初回は)柳沢さんの印象で終わると思います」と不敵な笑みを浮かべ、物語の波乱を予感させた。
中村は、複雑に絡み合う人間関係の妙をアピールする。更紗の父(柳沢慎吾)は、転生前の光誠の圧力により自殺に追い込まれているのだ。「父は光誠さんが殺したようなものなのに、目の前にいる英人さんは私の大好きな人なんです。さまざまな感情が入り混じっていて、とても複雑な気持ちです」。
14年前の過去をやり直すことで、現在の状況がどう変化していくのか。緻密な脚本と、高橋一生の統率力によって生み出される「会話」の積み重ねが、かつてないドラマ体験をもたらしてくれそうだ。
□高橋一生(たかはし・いっせい)1980年12月9日生まれ、東京都出身。数多くのドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作にNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』、テレビ朝日系連続ドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』、テレビ朝日系ドラマ『ブラック・ジャック』、WOWOWドラマ『1972 渚の螢火』、映画『脛擦りの森』(2026年4月10日公開)、『ラプソディ・ラプソディ』(26年5月1日公開)などがある。NHK BSドラマ『この味もまたいつか恋しくなる』が今秋以降放送予定。
□中村アン(なかむら・あん)1987年9月17日生まれ、東京都出身。大学卒業と同時に本格的に芸能活動を開始。フジテレビ系連続ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』以降、俳優として立て続けに話題作に出演。近年の主な出演作にTBS系連続ドラマ『グランメゾン東京』『危険なビーナス』『DCU~手錠を持ったダイバー~』、テレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』、映画『マスカレード・ナイト』『グランメゾン・パリ』など。
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