大鶴義丹、40代で舞台を主戦場にした真意 「BreakingDownみたいな感じ」と語る魅力とは
映像作品で鮮烈なブレイクを果たし、長年第一線で活躍してきた俳優・大鶴義丹。そんな彼が現在、主戦場としているのが舞台だ。4月22日から26日にかけて、新宿村LIVEで上演される舞台『幸せのタネ』(脚本:西条みつとし、演出:藤井仁人)で主演を務める大鶴が、自身のキャリアの転機と現在の演劇観について語った。

舞台『幸せのタネ』で主演
映像作品で鮮烈なブレイクを果たし、長年第一線で活躍してきた俳優・大鶴義丹。そんな彼が現在、主戦場としているのが舞台だ。4月22日から26日にかけて、新宿村LIVEで上演される舞台『幸せのタネ』(脚本:西条みつとし、演出:藤井仁人)で主演を務める大鶴が、自身のキャリアの転機と現在の演劇観について語った。(取材・文=平辻哲也)
本作は、笑いと涙の中で「幸せとは何か」を問いかける物語。大鶴が演じるのは「優司」という50歳の中年男性だ。久しぶりに実家に帰省したことをきっかけに、過去と未来に至る人生が裸にされていく。大鶴は本作の魅力を「1人の男の青春時代から60歳までの人生を、3つの時間軸が行ったり来たりする映像的な物語」と表現する。
脚本を読んだ印象については、「テレビの『世にも奇妙な物語』のちょっと幸せ版みたいな、映像的なタイプのお話だなと思いました」と語る。出ずっぱりで逃げられない状況の中、自身の若い時代を別の役者が演じているのを客観視する構造になっているという。また、昭和のアングラ舞台とは違う、1人の人間の心の機微を描く私小説的でスピーディーな展開に手応えを感じているようだ。
テレビドラマなど映像の世界で確固たる地位を築いていた大鶴だが、ここ10~15年で舞台へシフトしていった。「40歳になってからというのが一番大きかった」と語る大鶴の胸には、ある強い決意があった。
「『いろんなものに頼らなくていい』という独立性が理由です。テレビドラマならテレビ局、映画なら映画会社などに頼らないと始まらないハードルがありますが、舞台は自分のエネルギーを自分の中から出せて、誰にも頭を下げたり媚びへつらうことなく、お客さんだけに媚びればいいんです」

以前は年間10本ほど舞台に立ち「人はどこまでできるのかな」と実験した時期もあったが、現在は年に4、5本に落ち着いている。40代を迎えた時に、「お金とか食べる食べないで仕事を選ぶのはやめよう」と腹をくくった。映像の世界はスタッフの技術や照明など多くのサポートによって成立するが、舞台上では「芸能的な強さは1ミリも関係ない」と言い切る。
「本当『BreakingDown』みたいな感じで、役者としての能力やフィジカルな強さ、腕っぷしだけが試される勝負になるので、好きな人にとっては楽しい場所です。映像ばかりやっている後輩にも、心がぶっ壊れないように早いうちから舞台をやっておくことを勧めています」
己の身一つで観客と対峙(たいじ)する。そんなヒリヒリとするような演劇の世界にこそ、役者としての「幸せのタネ」が埋まっていると、大鶴は静かに笑った。
□大鶴義丹(おおつる・ぎたん)1968年4月24日、東京都出身。『首都高速トライアル』(88年/金澤克次監督)で本格映画デビュー。以降、映画やテレビドラマ、舞台、さらに映画監督、小説家としても活躍。近年の主な出演作に映画『ウスケボーイズ』(18年/柿崎ゆうじ監督)、『日本独立』(20年/伊藤俊也監督)、『めぐみへの誓い』(21年/野伏翔監督)、ドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(22年/フジテレビ系)などがある。5月30日から舞台『十二人の怒れる男』(銀座・博品館劇場)の公演を控える。
【公演情報】
舞台『幸せのタネ』
日程:2026年4月22日(水)~26日(日)
劇場:新宿村LIVE(東京都新宿区北新宿2-1-2)
脚本:西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM)
演出:藤井仁人(TAIYO MAGIC FILM)
出演:大鶴義丹、杉江大志、岩田華怜ほか
チケット:プレミアム席3万円、SS席1万3000円、S席8000円、A席6000円、見切れ席5000円
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