誹謗中傷する人に欠けているモノ はっとした9歳少年の言葉

5月23日、ひとりの女性が22歳の若さでこの世を去った。女子プロレスラーの木村花さんは、出演していた恋愛リアリティー番組「テラスハウス」での言動をきっかけにSNS上で苛烈な誹謗中傷を受け、自ら命を絶ったとされている。

5月23日に亡くなった木村花さん【写真:Getty Images】
5月23日に亡くなった木村花さん【写真:Getty Images】

有名であるがゆえに支払うことを余儀なくされる代償の数々…

 5月23日、ひとりの女性が22歳の若さでこの世を去った。女子プロレスラーの木村花さんは、出演していた恋愛リアリティー番組「テラスハウス」での言動をきっかけにSNS上で苛烈な誹謗中傷を受け、自ら命を絶ったとされている。

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 異例の早さで放送倫理・番組向上機構(BPO)が審理入りを決めた番組側の問題についても話題を呼んでいるが、木村さんが亡くなった当時注目され再燃したのが、いわゆる“有名税”問題だ。

 有名税とは、有名人がその注目度の高さゆえ、生活の中で被るさまざまな不利益や不便、支払うことを余儀なくされている代償などのことをいう。ネット上で受ける誹謗中傷もその1つとされ、まさに木村さんはこの重税に苦しみ、耐えかねて命を落とした可能性が高い。

 有名税問題については、これまでも数々の芸能人やスポーツ選手などがその問題性を指摘し、世間に訴えかけてきた。そのたびに巻き起こったのが、「有名人なんだからしょうがない」「嫌なら見なければいい」「相手にするのが悪い」などといった反駁(はんばく)の声だ。

「亡くなったのは気の毒だけど、誹謗中傷と死を安直に結び付けて問題を論じるのは違う気がする。自殺などで死んでしまうことは、誹謗中傷とかとは別に、本人の問題もあるように思う」――こんな意見もあった。

 何かがおかしい。何か根本のところで、重要なものが欠けてしまっているような違和感を覚えずにはいられない。そういう声も1つの見方なのかもしれないが、腑には落ちない。

 この違和感の正体を教えてくれたのは、あるひとりの男の子だった。

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