駅のトイレで用を足そうと並んでいたところ、思いも寄らない事態になったという投稿がネット上で大きな話題になっている。たった10秒ほどで「弊社史上最高瞬間時給を叩き出した」というめそ（@nepon954）さんに詳しい話を聞いた。

　ネット驚かせ、騒然とさせているのは、1月28日、めそさんがXに投稿した文面だ。

　1枚のトイレの張り紙の写真を添えて、「トイレ並んで次自分のタイミングでおっさんが割り込んできて『ヤバいんでッ！ほんと今ヤバいんでッ！』って1000円握らせてきて個室飛び込んだ10秒後位に次が空いて弊社史上最高瞬間時給を叩き出した」。

　マンガのような出来事には13万件のいいねとともに、「10秒で明暗をわけたかもしれないからな」「このおっさんはとても有意義な1000円の使い方をした」「やっぱ現金って必要だな」「私はよく下痢をするのですが便意から15分程度でおもらししてしまいます」「年収換算だと6億9120万円になった」「人間の尊厳を守れるなら1000円なんか安いもんだ」「これなら大谷さんの秒給に勝てるのかと思ったら大谷さん1秒321円稼いでた」「トイレのファストパスは本当に欲しい時があるが、握らせればいいのか」「この人は1,000円握ったと同時に見知らぬおっさんの尊厳を守ったんだ…誇っていい」など多くの声が寄せられた。

　場所は仙台駅のトイレ。時間は午後3時ごろだった。

　東北有数のターミナル駅は通勤時間帯でなくとも、利用客はひっきりなしで、トイレも混雑していた。

「私の前の並びは最初2～3人いました」

　個室トイレは複数あったとはいえ、すんなり入れる状況ではなく、めそさんは空きが出るのを待っていた。

　そして、いよいよ次はめそさんの番になった時だ。1人の男性が血相を変えた様子で飛び込んできた。

「スーツ姿の50代前半ごろ、緊迫した表情だったかと思います」

　会話を交わす間もなく、手に握らされたのは1000円札。

　めそさんはあっけにとられつつも、男性の体調を心配して順番を譲った。

　さらに待つことになっためそさんだが、わずか10秒後、別のトイレのドアが開き、無事に用を足すことができた。

　もちろん、トイレの順番はいつ回ってくるか分からない。たった10秒でも、男性が待つことができなかったのは明らかだろう。

　一方、棚からぼたもち状態となっためそさんは、「弊社史上最高瞬間時給」という絶妙なフレーズで表現。同様の経験は過去になく、「時給換算したらすごいなと思い表現しました」と振り返った。受け取った現金はまだ財布の中にあるそうだ。

　投稿は大きな反響を呼び、緊急時にトイレでどう振る舞えばいいかについても、議論が交わされた。

　めそさんは「独り言程度のポストなのでここまで興味を持たれる方がいるとは思いませんでした。また、後列に並びがあった際は不平が生じるので断ったと思います」と補足。あくまでも行列が自分1人だっため、このような対応を取ったことを明かした。