ゲッティイメージズがeスポーツ“報道写真”に本格参戦…追求するのは「臨場感」
「実物と変わらない、見分けのつかない」写真
新たな「eスポーツ写真」の撮影を可能にするのが、ポリフォニー社が開発した特殊技術だ。ゲーム内で機能するカメラシステムを使用することで、「実物と変わらない、見分けのつかない」(島本氏)写真が撮影できるというのだ。実際のカメラ同様にシャッタースピードやフィルターを変えることもできるといい、島本氏は「この新機能では物理的な制限がないので、普通では上がれないような高い場所から撮ることができたり、レース中の車体に寄って撮影することもできるのです」と、デジタル領域においての撮影手法について話す。
さらに、実際にF1やモータースポーツに精通するフォトグラファーが担当することで、より臨場感のある瞬間、美しさや爽快感を切り取ることができるという。これまでのeスポーツをとらえた写真は、ゲーム機やコントローラーを操作する選手の様子や優勝時に選手たちが喜び合う構図が多かったが、よりリアルで迫力のある“試合写真”が増えることが見込まれる。
世界的に拡大を続けるeスポーツ産業。ゲッティイメージズの未来像も膨らむ。今後は例えば、キャラクター同士がダイナミックな動きで対戦する格闘ゲームなどの撮影も視野に入れていくという。新型コロナウイルスの感染拡大によって、eスポーツ界も大きな影響を受けており、島本氏は「ウィズコロナの時代での環境や社会の変化に対応して、工夫を重ねていろいろなことを試していきたいと考えています。これまでゲッティイメージズが取り組んできたスポーツ、エンターテインメント、そしてeスポーツの魅力を伝え、盛り上げていきたいです」と強調する。
これまで、五輪における水中カメラの導入や天井から吊るすカメラの採用など、画期的な取り組みでリードしてきたゲッティイメージズ。島本氏は「バーチャルの世界でも、気持ちの面で変わることはありません。ベストな撮り方を引き続き追い求めていきます」としている。