高視聴率を連発し続ける話題のドラマ「半沢直樹」(TBS系)で、役者デビューを果たした男がいる。半沢直樹が出向した東京セントラル証券 営業企画部のプロパー社員・原田浩平を演じる持田将史(35)だ。ダンスパフォーマンス・グループ「s**t kingz(シットキングス)」として世界を舞台に活躍する彼は、なぜ35歳にして役者というフィールドに飛び込んだのか。その素顔に迫るインタビューを、前編、後編にわたってお届けする。前編では、俳優活動をスタートさせた経緯、主演を務める堺雅人を“化け物”と感じたエピソードを明かしてくれた。

――35歳でドラマデビューとなりました。俳優活動をスタートさせたきっかけというのは。

「お芝居にはずっと興味がありました。18歳からダンスを始めて、ダンスだけで生計を立てられるダンサーになりたい、という思いが若い頃は強かったと思います。30歳を過ぎた頃から、もしかしたら、自分にはもっと広い表現の方法や可能性があるかもしれない、でも自分で自分をダンサーだと決めつけて、ダンスしかやって来てこなかったのかもしれない……、と考え、お芝居に挑戦したいと思うようになりました」

――そこから俳優としてデビューするまでは、どんな経緯があったのでしょうか。

「いろんな舞台を観に行ったり、演技のレッスンを受けさせていただいたのですが、今年のお正月に『半沢直樹』のスピンオフのドラマ(1月3日に放送された『狙われた半沢直樹のパスワード』)が放送されることになり、『一言だけ台詞を言う役があるんですが、やってみませんか?』とお話をいただいたんです。もう飛びつきました。『やりたいです!』と(笑)。冒頭のシーンで、セントラル証券の営業部からシステム情報部に電話でクレームを入れる役でした。そのまま本編のキャストとしてお声がけを頂き、本作に参加させていただくことになりました。

――ダンサーとしては「shoji」という名前で活動していますが、役者としては本名の「持田将史」で活動しています。

「『s**t kingz』のshoji、というグループありきの人間として出るのではなく、ひとりの人間・持田将史として取り組みたいと思い、本名で役者活動に挑戦することを決めました」

――俳優デビュー作が大ヒットドラマ「半沢直樹」の続編です。「半沢直樹」という作品には、もともとどんな印象を持っていましたか。

「ハラハラ、ドキドキして、最後にスカッとできて、エネルギーに満ちあふれた作品だと思います。ちょうど1年前くらいに、『半沢直樹』が再びドラマ化されることをニュースで知って、オンタイムで見れていなかったので作品をチェックしました。第1話を見たら止まらなくて、一気に最終話まで見てしまい、こんなにおもしろい作品があるのか!と衝撃を受けました。まさか、その1年後に自分が出演して、インタビューを受けているなんて信じられません。1年前の自分に自慢したいです(笑)」