『べらぼう』新キャスト11人発表 鉄拳、初大河で“絵師”に「演技は自信がないですが」

俳優の横浜流星が主演を務める来年放送のNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~』の新たな出演者11人が27日、発表された。大河ドラマ初出演となるタレント・鉄拳は絵師・礒田湖龍斎を演じる。

鉄拳【写真:(C)NHK】
鉄拳【写真:(C)NHK】

市原隼人は盲目の鳥山検校役

 俳優の横浜流星が主演を務める来年放送のNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~』の新たな出演者11人が27日、発表された。大河ドラマ初出演となるタレント・鉄拳は絵師・礒田湖龍斎を演じる。

 本作は、18世紀半ばの江戸が舞台。江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜)を軸にした痛快エンターテインメントとなる。

 今回新たに発表されたのは俳優の市原隼人、井之脇海、飯島直子、珠城りょう、徳井優、三浦りょう太、前野朋哉、落合モトキ、宮尾俊太郎、花總まり、タレントの鉄拳。

 市原が演じるのは当時吉原一の花魁といわれた瀬川(小芝風花)を1400両で身請けをした男で、“検校”というのは盲人に与えられた最高位の官位を得ている鳥山検校。井之脇は、御家人の三男坊として生まれたが、とある理由で出奔し、平賀源内と共に「炭売り」をしながら長屋で暮らしている新之助を演じる。

 大河ドラマ初出演となる飯島は、蔦重の義理の母で、駿河屋(高橋克実)の妻・ふじを演じる。同じく大河初出演の珠城が演じるのは、女郎屋・松葉屋(正名僕蔵)、いね(水野美紀)のもとで、禿や振袖新造の教育係である「番頭新造」を務める姉貴分・とよしま。

 徳井は江戸の地本問屋・鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)を助ける番頭・藤八役。また、三浦はそんな鱗形屋の跡取り息子・鱗形屋長兵衛で大河ドラマ初出演を果たす。

 前野は、葛飾北斎の師匠で当代一の役者絵師・勝川春章を演じ、大河ドラマ初出演の鉄拳は蔦重初期の錦絵、「雛形若菜初模様」を手掛けた絵師・礒田湖龍斎を演じる。

 また、大河初出演の落合は、御三卿・清水徳川家当主・清水重好を演じるほか、宮尾は田沼意次(渡辺謙)の甥で、10代将軍・家治(眞島秀和)の嫡男・家基(奥智哉)について西の丸目付となり、その後一橋家の家老となる田沼意致を演じる。

 花總は、のちに松平定信となる賢丸(寺田心)を、白河松平家の名君、「寛政の改革」を行った老中となるまでに育てた「母」宝蓮院を演じる。

 今回発表された出演者のコメントは以下の通り。

○市原隼人

「未だ謎に包まれた人物でありながら、盲人組織当道座における最高位である鳥山検校を演じさせていただきます。生まれ持った運命により与えられた人生の良し悪しをどう感じるかは己次第であり、理屈では説明できない鳥山検校の人恋しさを埋めるものは何なのか? 検校と同じ境遇に在る全ての人や物事に敬意を払い務めさせていただきます。(共演者とは)現場で芝居を通してやりとりをする事を楽しみにしています。自分でも現場に入らないとどうなるかわからないほど、今までの大河ドラマに無い人物像であると感じています。撮影本番に向けてしっかりと準備を行い、出演の刻をお楽しみいただけるよう努めてまいります」

○井之脇海

「『べらぼう』の制作が発表されて、面白そうな題材で、しかも森下さんの脚本と聞き、ご縁がありますようにと願っていたので、声をかけていただいて、とても嬉しかったです。4回目の大河ドラマですが、いつも大河の現場は豪華なキャストに囲まれて、埋もれないように喰らいつくのに必死なので、今回も芝居モンスターたちに負けないよう頑張ります。江戸中期の時代も、浪人役も初めてですので、気持ちを引き締めて臨みたいと思います。今のところ、横浜さんとのシーンを多く撮っていますが、横浜さんは芝居にとても真摯で、いつも空き時間に、どちらからともなく台詞合わせが始まって、何度も何度も練習をしています。その甲斐あって、いつも良い状態で本番で演じられています。

 誰よりも作品に真摯に向き合う座長をみて、間違いなく良い作品になると確信しています。そんな座長をクランクアップまで、みんなで支えながら走り抜けたいです。そして、うつせみ役の小野さんとも、今後、一緒のシーンが増えますので、色々話し合いながら、江戸中期の恋愛を、二人で繊細に演じられるよう頑張ります。江戸中期について、あまり知識がなかったのですが、森下さんの脚本を読むと、当時の生活が、きっとこうだったのではないか、とたくさん想像できて、そのイメージを大切に、芝居をしたいと思います。何作もご一緒させていただいている森下さんから、改めて、新之助について、『期待してるからね!』とお言葉をいただいたので、ご期待に応えられるよう、いや、それ以上に応えられるよう、全力で演じたいと思います。注目してほしいのは、序盤はうつせみとの不器用な2人の恋模様です。新之助の優しさと真っ直ぐさ、そして遊女と浪人の禁断の恋を、見守っていただけたら嬉しいです」

大河初出演の飯島直子「縁がないと思っていた」

○飯島直子

「『大河ドラマ』、私には縁がないと思っていたので驚きと光栄でいっぱいです。長丁場でありますがキャスト、スタッフの皆様と心に残る素晴らしい作品にしたいとやる気しかありません! 錚々たるキャスト全員とお会いする事はできないと思いますが、、、ご縁あり初めてお会いできる方とお芝居できる事を楽しみにしています。いつもまんじゅうや煎餅を食べ多くを語らず少しとぼけたところのある女将ですが、ポツリと話すその一言が胸に沁みるよう演じていきたいです、その一言が現代に生きる皆さんのココロにも響きますよう頑張りますのでよろしくお願いします!」

○珠城りょう

「いつかその時が来たらいいなと夢を抱き、目標にしていた大河ドラマへの出演。お話しをいただいた時は胸が高鳴り、鼓動が速くなったのを覚えています。とても嬉しかったです! 顔合わせの時に集まったスタッフ、キャストの人数の多さと顔ぶれに身の引き締まる思いでしたが、みなさんと一緒にいい作品を作れるよう自分らしく精一杯努めたいと思いました。横浜流星さんは常に高い集中力を保ちながらも撮影の合間は積極的に子役のみなさんともコミュニケーションを取られていたりと、いつも現場の良い空気を作ってくださっているなと感じています。共演が楽しみだった方は小芝風花さん。俳優として様々な役柄を幅広く演じられている一方で普段はカラッと明るくて可愛らしい印象がある方なので実際にお会いするのが楽しみでした。

 横浜さん、小芝さん、力のあるお2人が現場でどのように役に入っていかれるのか、それを側で見られることをとても楽しみにしています。今回このお話しをいただいて、私自身、新造が三つの階級に分けられていることや「番頭新造」と呼ばれる遊女がいたということを初めて知りました。身請けされないまま年季を過ぎても廓内で働けるというのは一目置かれる理由があるので、この時代に力強く生きた女性が確かにそこにいたということを少しでも表現できればと思っています。また、着物や髪飾り、化粧など遊女の立場や階級によっても微妙に違うので、その辺りも楽しんでご覧いただけたら嬉しいです」

○徳井優

「(大河ドラマに2年)『続けて出ていいのかな?』。横浜流星さんは、過去に2度、ご一緒したことがあります。ひたむきに演じられる方だなーと思っています。片岡愛之助さんとはご縁がありまして、私の初めてのテレビ出演作品『欲しがりません勝つまでは』(1979年、NHK)に愛之助さんも出演されていました(共演シーンはありませんでしたが)。そして2017年に舞台『コメディ・トゥナイト!』でしっかりと共演でき、とても楽しかったので、今回の共演が嬉しいです。地味で目立たない役どころなので(笑)、みなさまには目を凝らして探しながらご覧いただきたいです」

○三浦りょう太

「大河ドラマ含め日本の時代劇は大きな目標の一つでもあったので、決まった時はとにかく嬉しかったです。初めての大河ドラマなので、とても緊張しているのですが、自分にしかできない長兵衛を表現できたらなと思います!今回は直接的な資料が少なかったりもするので、時代の背景などを勉強し、自分の中でも想像力を膨らませながら役と向き合えたらいいなと思います! 横浜流星さんとは一度ドラマでご一緒したことがあるのですが、その時僕がずっと縛られている役だったので、体に気を遣ってくださったり、とても優しい素敵な方だなという印象です。一生懸命座長についていきたいなと思います!

 今回は片岡愛之助さんの息子役ということもあり、愛之助さんとのシーンはとても楽しみですし、いろんな時代を生きてきた方だと思うので、現場でたくさん学び自分の中に取り入れていきたいです。色々なことが変わりゆくこの時代の中で、鱗形屋もたくさんの問題に巻き込まれていきます。そういったこの時代での葛藤を家族で抱えていく様を見ている方々に伝えられたらいいなと思っています!」

○前野朋哉

「胸が高鳴りました。お祭りに参加する気分というか、キャストも入れ替わり立ち替わりなので、いろんな方にお会いできるのも楽しみです。もちろん観るのも今から楽しみな作品です。今作はビジネスの面も丁寧に描かれた時代劇だと思っています。蔦屋重三郎が沢山の人を巻き込んで面白いプロジェクトを仕掛けていくので、春章もそのうねりに絵師としてノっていきたいです。横浜流星さん、勝川春章の『しゅんしょう』が言いづらいらしく、本番前も復唱していました。なんかちょっと申し訳なくなりましたが、『しゅんしょう』って確かに言いにくいんです。そんなかわいい横浜さんに現場では笑いも起こり、とてもいい雰囲気です。共演が楽しみなのは北尾重政役の橋本淳さんです。実は北尾重政と勝川春章は斜め向かいに住んでいたご近所さん!橋本さんとは歳も近いですし、同じシーンも多いと思うので、二人で楽しく絵師を演じたいと思います。江戸時代中期、文化が豊かで活発だった時代でもあります、浮世絵もその一つ。当時の『絵師』というお仕事を現代のお仕事に置き換えて観てみるのも楽しいかもしれません。例えば、絵師が今の漫画家なら蔦屋さんは編集長? 編集? いや営業も宣伝もやってるか……? オンエア後は身近な人と話して、より作品の魅力を深掘りしてみてください」

鉄拳「演技は自信がないですが、絵を描くのは得意なので」

○鉄拳

「大河ドラマは特に戦国ものが好きで良く観ていました。あり得ない事ですが、自分が出演出来たらどうなるのか? と、よく想像をしていました。その大河から出演依頼をいただきとてもビックリしたと共に、こんな名誉な事はもう無いだろうと思い、出演を決めました。あと僕の役、礒田湖龍斎が絵師である事も、何か縁があるのかなと思いました。演技は自信がないですが、絵を描くのは得意なので、絵を描く姿の僕を見てもらいたいです。横浜流星さんとは一度ご挨拶をさせて頂いたのですが、礼儀正しく、そして何よりカッコよかったです。僕が帰る時も休憩中なのにわざわざご挨拶をしてくれました。ほとんどの方が初対面なので緊張します。他の方に迷惑をかけない様に、出来れば撮影は1人が良いです。でも皆さんとお話しはしたいー。僕は滑舌も悪いですし、演技も自信がないので、出来れば絵を描く所をよく見て頂きたいと思っています。そのために僕は今、湖龍斎の浮世絵を練習中です」

○落合モトキ

「祖母が大好きな大河ドラマ。毎週欠かさずに観ています。祖母に出演する事を報告したらすごく喜んでくれました。この歴史ある“大河ドラマ”という作品に参加できる事、役者をやらせて頂いている中で非常に光栄に思います。全力で頑張りたいと思います。横浜さんのお芝居を観た時、近年稀にみるキラキラした方だなと思いました! 映像に映える方だなと。でもまた違う作品では全く目の色が違う役を演じられていて。ふり幅のあるすごい役者さんだなと思います。共演者の方々は達者な方ばかりなので!皆さんと芝居が出来るのが楽しみであり緊張しています!

 やはり撮影初日はかなり緊張していました。偉大な諸先輩方の役者に囲まれて。でも後輩の私に気さくに話しかけて頂きました!スタッフさん達の空気感もすごく良くご一緒できるのが嬉しいです。監督からは役柄について色々なアドバイスを頂きました。お話する前までは役柄について色々考え込んでましたが、「肩の力を抜いて重好を演じていいから」と仰って頂いたのがすごく支えになっています。ただ自分が作り出す清水重好という役を精一杯演じられるよう頑張ります」

○宮尾俊太郎

「幼少の頃より家族でテレビの前に集まり拝見しておりましたので大変嬉しく、また視聴者の方々から長く愛され続けている大河ドラマに出演させていただける事、大変光栄に感じております。横浜流星さんはその甘いマスクの中に漢気のようなものを感じます。田沼意次役の渡辺謙さん、田沼意知役の宮沢氷魚さんとは同じ田沼家として共演させていただく事楽しみにしております。田沼意致は、どの様な想いで動いていたのか、また田沼派が失脚した後、時を経て再登用されておりますが、その内側はいかに、、、、史実とスタッフさん、共演者の方々と共にその人物像を描き出していけたらと思っております」

○花總まり

「歴史ある大河ドラマに再び出演することができるという嬉しい気持ちでいっぱいになりました。与えていただいた役割をしっかり努めたいです。初めてお会いする方がたくさんいらっしゃるので楽しみです。すっかり大きくなられた寺田心さんと親子ということで特に楽しみにしています。(宝蓮院は)名門の家の妻として徳川に対してとても誇りを持っている人物ですので、男子が少ない田安家を続けていくという意識が強いかなり気位の高い人物として演じてみたいです」

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