行定勲監督が激白 猛反対だった映画「劇場」のネット同時配信に踏み切ったワケ
俳優の山崎賢人と女優の松岡茉優主演で映画化した「劇場」(行定勲監督)が17日、全国のミニシアターを中心とした全国20館で公開、Amazon Prime Videoで同時配信される。本作は芥川賞作家・又吉直樹氏の同名小説が原作。演劇にかける劇作家志望の青年・永田(山崎)と、彼を献身的に支える女優の卵・沙希(松岡)の物語。当初は4月17日の公開を予定していたが、コロナ禍で延期になっていた。これまで映画にこだわってきた行定監督がなぜネットでの同時配信に踏み切ったのか。
インタビュー前編…山崎賢人、松岡茉優主演映画が17日公開
俳優の山崎賢人と女優の松岡茉優主演で映画化した「劇場」(行定勲監督)が17日、全国のミニシアターを中心とした全国20館で公開、Amazon Prime Videoで同時配信される。本作は芥川賞作家・又吉直樹氏の同名小説が原作。演劇にかける劇作家志望の青年・永田(山崎)と、彼を献身的に支える女優の卵・沙希(松岡)の物語。当初は4月17日の公開を予定していたが、コロナ禍で延期になっていた。これまで映画にこだわってきた行定監督がなぜネットでの同時配信に踏み切ったのか。
――延期されていた「劇場」の映画公開とネット配信が決まりましたね。
「僕は、配信には最初、『NO!』と言い続けてきたんですよ。『劇場』は、撮影からポストプロダクションまで、映像、音の設計、あり方。何から何まで全部、映画館で上映されることを想定して作ってきたわけです。それに、映画館での上映を前提に作ったクライマックスもある。それが全て配信だけで収められるのはないと思ってきたから」
――ですが、コロナ禍で映画公開が延期されてしまった。
「相当なショックでした。『劇場』は又吉さんが芥川賞を取った第2弾小説だから、順調に映画化されたんだけど、配給が決まるまでは難しかった。エンターテインメント映画じゃないし、大ヒットするか、どうかまでは分かりませんよね。そんな時に、いろいろな方からコメントをもらったり、称賛の声もいただいて、僕としては『これは行ける、映画館でみなさんに観てもらいたい』という気持ちがマックスだったので」
――そんな時に、アマゾンから「Amazon Prime Videoで配信したい」とオファーが来た。
「ありがたかったですね。Amazonが『劇場』に注目してくれて、高く評価してくれた。しかも、全世界配信する、と。最大242か国らしいですけども、19か国語の字幕が制作されてると聞いています。これだけの国で同時に観られるようになるのは、僕にとっても初めての経験です。普通は1年以上をかけて、いろんな映画祭に作品を出して、僕自身も顔を出して、知ってもらうわけです。そういうことを飛び越して、一気に世界中の人に観てもらえる」