俳優の稲垣吾郎が12日、都内で行われたNHKの連続ドラマ『燕は戻ってこない』試写会・出演者会見に登壇。主演を務めた石橋静河、内田有紀と本作の見どころを語った。

　30日にスタートする本作は、桐野夏生の同名小説が原作で、社会界的関心が高まる生殖医療の光と影を描いた作品。お金も夢もない29歳の派遣社員・大石理紀を石橋、元トップダンサーで自らの遺伝子を継ぐ子どもを望む草桶基を稲垣、不妊治療を諦めた妻・草桶悠子を内田が演じ、代理出産を通じて交差するノンストップ・エンターテインメントが繰り広げられる。

　稲垣は「またひとつの挑戦だと思いました。生殖医療、地方社会の息苦しさ、若者の貧困、深刻な問題になっているものがテーマにある。ひとごとではないし、このドラマを通じて1人でも多くの人に届けられたらいいなと思いながら撮影しています」とコメント。自身が演じる草桶基については、「自分を受け継ぐものをなんとしてでも生み出したいという、ひとつの欲望、そこにこだわりを持っている人物」と説明し、「その姿が滑稽に見えたり、コミカルに見えたりする。このドラマは、悪人は出てこない。人間味のあふれているチャーミングなキャラクターたちが登場して、そういう人物を内田さんと夫婦で楽しく演じています」と笑顔を見せた。

　妻役の内田が「無邪気でちょっと鈍感なすてきな旦那さんを持ちまして、今、夫婦ですれ違いが多い時期は毎日のように起きています」とコメント。稲垣は「ドラマの中で？」と確認しつつ、「ドラマの中ではすれ違っています。僕と内田さんは、いいコンビ、いいパートナーです。行き違うこともありますが」と夫婦仲の良さをアピールしていた。

　稲垣は内田との関係について、「同期ではないけど、同じ世代、同じ時代に芸能界でずっと頑張ってきた。お芝居での共演は1度もなかったので、すごくうれしかった」とドラマ初共演を喜び、「まとう空気感が似ているのかもしれない。それが夫婦としてもフィットして見えるのかなという話は、2人でしていました」とコメント。内田も「最初から同じ空間に暮らしているような気持ちにさせていただいた。お互いマイペースなのかなと思いますね。同級生と一緒にいるような気分です」と語り、本物の夫婦のような仲のいいやりとりを見せると、主演を務めた石橋も「仲いいですね」と笑みをこぼしていた。